ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode27
『近づく理由』
― 一緒にいる理由が、少しずつ変わっていく。 ―
Day:Saturday(共同生活27日目)
⸻
Scene2
『スタッフからのミッション』
Saturday|11:00 AM
⸻
404 HOUSE。
⸻
休日のゆっくりした空気が流れるリビング。
⸻
朝食を終えた11人は、
それぞれ好きな場所で過ごしていた。
⸻
ソファで話す人。
⸻
キッチンで飲み物を作る人。
⸻
窓際で本を読む人。
⸻
⸻
その時。
⸻
玄関のチャイムが鳴る。
⸻
⸻
「誰か来た?」
⸻
スングァンが立ち上がる。
⸻
スタッフから届いたのは、
一つの白い封筒だった。
⸻
表には、
大きく文字が書かれている。
⸻
SPECIAL EVENT
⸻
404 MEMORY DAY
⸻
⸻
「またイベントだ。」
⸻
スングァンが嬉しそうに笑う。
その笑顔の奥で、誰と組むことになるのかを少しだけ気にしているのが、隣にいたミンギュにはわかった。
⸻
⸻
スングァンが封筒を開ける。
⸻
中には、
今日のミッション内容。
⸻
⸻
『共同生活27日間で印象に残った相手との思い出を作ってください。』
⸻
⸻
リビングが少し静かになる。
⸻
⸻
「思い出を作る……?」
⸻
チアキが小さく読み上げる。
その声は落ち着いていたが、封筒を持つ指先には、ほんの少しだけ力が入っていた。
⸻
⸻
その下には、
ルールが書かれていた。
⸻
⸻
RULE
⸻
・ペアは自由に選択してください。
・恋愛を目的としたものではありません。
・相手をより深く知る時間にしてください。
⸻
⸻
⸻
「ペア自由なんだ。」
⸻
ユナが言う。
⸻
⸻
スタッフ指定ではない。
⸻
⸻
誰かに決められるのではなく。
⸻
自分で、
一緒に過ごしたい相手を選ぶ。
⸻
⸻
そのことが、
少しだけ特別に感じられた。
⸻
⸻
Living Room
⸻
「何する?」
⸻
スングァンが周りを見る。
⸻
⸻
「料理?」
⸻
「買い出し?」
⸻
「写真とかもいいよね。」
⸻
⸻
いつものような会話。
⸻
⸻
でも。
⸻
誰と組むかを考える時間になると、
少しだけ空気が変わる。
⸻
⸻
視線が動く。
⸻
⸻
無意識に、
誰が近くにいるかを見る。
⸻
⸻
⸻
チアキは、
封筒を持ったまま内容をもう一度読む。
⸻
⸻
27日間。
⸻
⸻
この家で過ごした時間。
⸻
⸻
楽しかったこと。
⸻
助けてもらったこと。
⸻
知らなかった一面を見たこと。
⸻
⸻
たくさんの出来事が浮かぶ。
⸻
その中に、何度も自然に隣にいた人の顔が混じって、チアキはほんの少しだけ視線を落とした。
⸻
⸻
ミンギュも、
静かに紙を見る。
⸻
⸻
最初は、
ただの共同生活だった。
⸻
でも今は、ふとした瞬間にチアキの声を探してしまう自分に気づいていて、紙面から目を上げるのが少し遅れた。
⸻
⸻
朝、誰かがいること。
⸻
帰宅した時に声をかけてもらえること。
⸻
⸻
それが、
自然になっている。
⸻
⸻
⸻
スンチョルが笑う。
⸻
⸻
「今日は楽しめそうですね。」
⸻
その穏やかな笑みのまま、スンチョルはみんなの表情を見渡す。誰が誰を気にしているのか、もう少しだけ見えてしまう気がしていた。
⸻
⸻
その言葉に、
みんな頷く。
⸻
⸻
⸻
【STAFF NOTE】
⸻
誰と過ごすか。
⸻
それは、
今の自分の中にある距離を、
無意識に映し出す。
⸻
⸻
恋愛ではなくても。
⸻
⸻
もっと知りたい。
⸻
一緒にいたい。
⸻
そう思う相手がいること。
⸻
⸻
その気持ちは、
少しずつ特別なものへ変わっていく。
⸻
⸻
次回 Scene3
『ペア選び』
⸻
今回は、
スタッフが決めることはない。
⸻
⸻
11人自身が選ぶ、
それぞれの時間。
⸻
⸻
誰が、
誰の隣を選ぶのか。
→
ノベルに戻る I
Addict