ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode27

『近づく理由』

― 一緒にいる理由が、少しずつ変わっていく。 ―

Day:Saturday(共同生活27日目)



Scene6

『404 MEMORY DINNER』

Saturday|18:00 PM



夕暮れの光が、

リビングの窓を優しい橙色に染めていた。



キッチンからは、

出来立ての料理の香りが漂う。



テーブルの上には、

11人分の料理がきれいに並べられていた。



ミンギュとチアキが作ったメイン料理。



スンチョルとジウォンが買ってきた食材で作られた副菜。



スニョンとチェリンが飾り付けたテーブルには、

今日撮った写真も添えられている。



「すごい。」



ユナが思わず声を漏らした。



「お店みたい。」



「飾り付けのおかげですよ。」



チェリンが照れくさそうに笑う。



「いや、料理もだよ。」



スングァンが大きく頷く。



「じゃあ。」



スンチョルが全員を見渡した。



「404 MEMORY DAY、お疲れさまでした。」



「いただきます!」



11人の声が、

心地よく重なった。



食事が始まると、

あちこちから「おいしい」という声が聞こえてくる。



「これ、すごくおいしい。」



ソヨンが煮込み料理を口に運びながら微笑む。



「チアキさんとミンギュさん、さすがですね。」



チアキは首を横に振る。



「今日はミンギュさんがたくさん作ってくださいました。」



「いやいや。」



ミンギュは少し笑いながら答える。



「チアキが隣にいたから安心して作れた。」



その言葉に、

チアキは少し照れたように視線を落とした。



「でも、本当においしいです。」



「味付けもすごくちょうどいいです。」



チアキが素直にそう伝えると、

ミンギュは照れ隠しのように笑った。



「そう言ってもらえると嬉しい。」



「いつも作ってくれてる人に褒められるのが、一番緊張するけど。」



その一言に、

テーブルから笑いが起こる。



「確かに。」



スングァンが頷く。



「チアキ先生の合格が出ました。」



「先生って何ですか(笑)。」



チアキも笑い、

リビングは穏やかな空気に包まれた。



食事が進むにつれ、

話題は自然と共同生活が始まった頃へ移っていく。



ジョンハンが一枚の写真を手に取る。



「これ、初日の写真。」



テーブルの中央に写真が回される。



そこには、

少しぎこちなく並ぶ11人が写っていた。



「みんな硬い(笑)。」



スニョンが吹き出す。



「俺、めちゃくちゃ緊張してる。」



「敬語しか話してなかったですよね。」



ユナも笑う。



「名前で呼ぶのも時間かかった。」



チェリンが懐かしそうに言う。



「今じゃ考えられないですね。」



ウォヌは写真を見つめながら、

静かに口を開いた。



「最初は、一か月って長いと思ってた。」



少し間を置く。



「でも、今は早かったなって思う。」



その言葉に、

誰もすぐには返事をしなかった。



窓の外では、

夕焼けが少しずつ藍色へと変わり始めている。



あと数日で、

404 Choice。



その現実を、

全員がどこかで意識していた。



だからこそ、

今日こうして笑い合える時間が、

少しだけ愛おしく感じられる。



チアキはテーブルを見渡した。



笑っている人。



料理を取り分ける人。



楽しそうに話す人。



その一人ひとりを見つめながら、

小さく微笑む。



「この家に来られて、本当に良かったです。」



その言葉は、

決して大きな声ではなかった。



それでも、

同じテーブルを囲む全員の心へ、

静かに届いていた。



【STAFF NOTE】



一緒に食べる食事は、

お腹だけではなく、

人と人との距離も満たしていく。



初日は、

ただ同じテーブルに座るだけだった11人。



今は、

同じ時間を過ごせることが、

当たり前ではないと知っている。



その当たり前の温かさは、

別れの日が近づくほど、

少しずつ大きくなっていく。



次回 Scene7

『少しだけ二人の時間』



夕食の後片付け。



キッチンに残った二人。



何気ない会話。



何気ない沈黙。



同じ言葉なのに、

27日前とは少しだけ違う意味を持ち始めていた。




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