ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode28
『言葉の向こう側』
― 少しずつ”特別”になっていく日常。―
Day:Sunday(共同生活28日目)
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Scene1
『穏やかな日曜日』
Sunday|09:00 AM
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朝の柔らかな陽射しが、
404 HOUSEのリビングへゆっくりと差し込む。
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昨夜まで賑やかだった家は、
今朝は少しだけ静かだった。
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休日らしい、
ゆったりとした時間が流れている。
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最初にリビングへやって来たのはジョンハン。
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眠そうにあくびをしながら、
キッチンでコーヒーを淹れ始める。
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豆を挽く音。
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ふわりと立ち上る香ばしい香りが、
家の中を優しく満たしていく。
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そこへ、
スニョンとスングァンが寝癖のまま現れる。
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「おはようございます。」
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「おはよう。」
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スニョンはソファへ倒れ込むように座り、
テレビのリモコンを手に取る。
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休日のバラエティ番組が流れ始めると、
二人は朝から声を上げて笑っていた。
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「それ絶対うそ(笑)。」
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「いや、本当だって!」
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そのやり取りに、
ジョンハンもコーヒーカップを片手に苦笑する。
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「朝から元気だね。」
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「休みの日だけです!」
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スングァンが胸を張ると、
リビングに小さな笑いが広がった。
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しばらくして、
ソヨンがゆっくりと部屋から出てくる。
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夜勤明けらしく、
まだ少し眠たそうな表情。
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「おはようございます……。」
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「おはよう。」
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「夜勤お疲れさま。」
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自然に返ってくるその言葉に、
ソヨンはほっとしたように微笑んだ。
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「ありがとうございます。」
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ダイニングでは、
ユナとジウォンが朝食を並べ始める。
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焼きたてのトースト。
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サラダ。
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スープ。
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「これ運んでもらえる?」
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「うん。」
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二人の息も、
すっかり合うようになっていた。
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窓辺では、
チェリンが観葉植物に水をあげている。
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葉についた水滴が、
朝日を受けてきらりと光る。
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「今日は天気いいね。」
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チェリンが外を眺めながら呟く。
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青く澄んだ空。
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風に揺れる木々。
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どこかへ出掛けたくなるような、
穏やかな日曜日だった。
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その頃、
階段から足音が聞こえる。
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チアキだった。
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髪をゆるくまとめ、
部屋着のままリビングへ降りてくる。
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「おはようございます。」
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その声に、
みんなが自然と振り向いた。
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「おはよう。」
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「おはよう、チアキ。」
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「よく寝られた?」
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スングァンが声を掛ける。
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「はい。」
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「今日は久しぶりによく寝ました。」
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そう笑うチアキの表情は、
いつもより少し柔らかかった。
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ジョンハンが淹れたコーヒーを差し出す。
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「飲む?」
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「ありがとうございます。」
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受け取ったマグカップから、
湯気がゆっくりと立ち上る。
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チアキは一口飲み、
ほっと息をついた。
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「おいしいです。」
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その一言に、
ジョンハンは照れたように笑う。
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「よかった。」
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少し遅れて、
ウォヌ、スンチョル、ミンギュもリビングへ集まってくる。
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「おはよう。」
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「おはようございます。」
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「今日は全員いるね。」
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ミンギュが部屋を見渡す。
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11人全員が、
同じ空間で朝を迎える。
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そんな日は、
最近では少し珍しくなっていた。
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それぞれ仕事の時間も、
休日も違う。
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だからこそ、
今日のような朝が少し嬉しい。
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誰かがパンを焼き、
誰かがお皿を運び、
誰かがコーヒーを淹れる。
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「これ取って。」
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「はい。」
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「ありがとう。」
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何気ない言葉が、
家のあちこちを行き交う。
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そこに遠慮はなく、
気を遣いすぎる空気もない。
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一緒に暮らし始めた頃の緊張は、
もうどこにも見当たらなかった。
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チアキはテーブルにつき、
みんなの笑顔を静かに見渡す。
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この家で迎える朝も、
もう28回目。
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いつの間にか、
「共同生活」ではなく、
「いつもの朝」と思えるようになっていた。
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【STAFF NOTE】
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日常は、
気づかないうちに少しずつ形を変えていく。
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「おはよう。」
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「ありがとう。」
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「おかえり。」
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毎日交わす同じ言葉。
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その一つひとつが、
他人だった11人を、
少しずつ”家族のような存在”へと変えていく。
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そして今日もまた、
404 HOUSEには穏やかな朝が訪れていた。
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次回 Scene2
『それぞれの休日』
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仕事の予定がない日曜日。
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誰と過ごすか。
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何をして過ごすか。
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自由だからこそ選ぶ時間に、
それぞれの関係性が少しずつ映し出されていく。
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