ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode28
『言葉の向こう側』
― 少しずつ”特別”になっていく日常。―
Day:Sunday(共同生活28日目)
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Scene2
『それぞれの休日』
Sunday|11:30 AM
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昼が近づき、
窓から差し込む陽射しは朝よりも少し強くなっていた。
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開けた窓からは、
夏の始まりを感じさせる風が部屋を通り抜ける。
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今日は全員が休日。
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「何をするか」も、
「誰と過ごすか」も自由。
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だからこそ、
それぞれが自然と居心地のいい場所へ集まっていく。
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Living Room
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スンチョルは、
飲み終えたマグカップを片付けながらジウォンへ声を掛ける。
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「少し散歩しない?」
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ジウォンは窓の外を見て、
穏やかに笑った。
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「いいね。」
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二人は帽子を手に取り、
ゆっくりと玄関へ向かう。
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「行ってきます。」
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「行ってらっしゃい。」
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自然に交わされる声。
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家を出た二人は、
住宅街をゆっくり歩き始めた。
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仕事の話。
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最近よく見る夢の話。
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道端に咲く花を見つけて立ち止まる時間。
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急ぐ理由のない休日が、
二人の歩幅を自然と揃えていた。
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Balcony
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ジョンハンはコーヒーを二つ淹れ、
ベランダへ出る。
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「ユナさん。」
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「一緒に飲みませんか?」
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「いいよ。」
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風に揺れる洗濯物。
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遠くから聞こえる子どもたちの笑い声。
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二人は景色を眺めながら、
静かな時間を楽しんでいた。
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「こういう何もしない時間って、大事だね。」
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ユナが呟く。
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ジョンハンはカップを口元へ運びながら頷いた。
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「忙しい毎日だからこそね。」
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言葉は少なくても、
沈黙が心地よかった。
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Theater Room
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ウォヌとソヨンは、
リビング横のプロジェクターで映画を観始めていた。
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照明を少し落とし、
ソファへ並んで座る。
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映画が始まると、
二人とも自然と言葉が少なくなる。
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物語に入り込み、
同じ場面で笑い、
同じ場面で息をのむ。
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エンドロールが流れ始める頃、
ソヨンが小さく呟く。
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「いい映画だった。」
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ウォヌも静かに笑う。
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「またおすすめがあったら教えるね。」
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「楽しみにしてる。」
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穏やかな約束が、
静かに交わされた。
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Dining Room
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スニョン、
スングァン、
チェリンの三人は、
ボードゲームを広げていた。
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「そこ違う!」
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「違わないって!」
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「絶対ずるした!」
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開始五分で、
リビングは大騒ぎになる。
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チェリンが笑いながらカードを並べる。
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「二人とも本気すぎる(笑)。」
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「勝負だから!」
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スニョンとスングァンが同時に答え、
三人は声を上げて笑った。
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その笑い声に、
映画を観終えたウォヌとソヨンも思わず笑顔になる。
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Dining Table
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チアキは、
ノートとスマートフォンをテーブルに広げていた。
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来週から始まる国際線勤務。
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フライトスケジュールを確認しながら、
必要な物を一つずつ書き出していく。
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ネックピロー。
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スキンケア用品。
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常備薬。
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機内で使う文房具。
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細かな必需品を確認していると、
ミンギュが飲み物を持って隣へ座った。
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「何見てるの?」
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「来週の国際線です。」
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チアキはメモを見せながら笑う。
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「足りない物がある気がして。」
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「今日買いに行く予定なんです。」
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ミンギュはメモを眺め、
感心したように頷く。
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「すごい細かい。」
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「忘れると困るので。」
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「慣れてても準備は毎回ちゃんとするんだ。」
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チアキは小さく笑った。
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「慣れたからこそ、ですね。」
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その言葉に、
ミンギュは静かに頷く。
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毎日見ているチアキ。
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それでも、
まだ知らない一面がある。
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そんなことを、
ふと思った。
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休日の404 HOUSE。
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それぞれ違う時間を過ごしていても、
誰かの笑い声が聞こえる。
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誰かがお茶を淹れる音がする。
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誰かが「行ってきます」と言う。
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その一つひとつが、
この家の日常になっていた。
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【STAFF NOTE】
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休日は、
相手の”素”が一番見える時間。
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誰と過ごしたいと思うのか。
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誰といると落ち着くのか。
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まだ本人たちも、
その理由には気づいていない。
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けれど、
自然に選んだその時間は、
少しずつ心の距離を映し始めていた。
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次回 Scene3
『自然に出た言葉』
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昼食の準備。
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並んで立つキッチン。
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何気ない会話の中で、
チアキの口から、
思わずいつもとは違う言葉がこぼれる。
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