ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode28
『言葉の向こう側』
― 少しずつ”特別”になっていく日常。―
Day:Sunday(共同生活28日目)
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Scene6
『夕食』
Sunday|07:30 PM
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夕焼けが少しずつ藍色へ変わる頃。
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四人を乗せた車が、
404 HOUSEへ戻ってきた。
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玄関のドアが開く。
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「ただいまです。」
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チアキの声に、
リビングから次々と返事が聞こえてくる。
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「おかえり。」
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「おかえり!」
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「買えた?」
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ユナとチェリンが真っ先に駆け寄る。
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「うん。」
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「欲しかったもの、全部買えたよ。」
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女子同士では、
自然なタメ口が当たり前になり始めていた。
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「いっぱい買ったね。」
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チェリンが袋を覗き込む。
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「国際線前だからね。」
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「準備するものが結構あるの。」
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「お疲れさま。」
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ユナが優しく笑う。
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その後ろから、
スングァンが大きな紙袋を掲げた。
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「見て!」
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「今日の戦利品!」
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「それ、お菓子しか入ってないじゃないですか(笑)。」
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チアキが思わず笑う。
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「みんなで食べる用!」
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「ちゃんと理由あるから!」
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「半分は自分用でしょ。」
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スニョンの一言に、
リビングが笑いに包まれる。
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夕食の準備が始まる。
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買ってきた荷物を片付けるチアキの横で、
ミンギュが買い物袋をキッチンまで運ぶ。
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「ありがとうございます。」
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「重かったでしょう?」
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「全然。」
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ミンギュは何気なく答える。
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「今日は運転もありがとうございました。」
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「こちらこそ。」
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「楽しかった。」
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短い会話。
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でも、
その言葉には飾りがなかった。
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しばらくして、
料理がテーブルに並ぶ。
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湯気の立つスープ。
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焼きたての料理。
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色鮮やかなサラダ。
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十一人が席に着く。
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「いただきます。」
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声が重なり、
夕食が始まった。
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「今日どうだった?」
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ジョンハンが尋ねる。
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「スングァンさんがお菓子売り場から動きませんでした。」
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チアキが笑いながら答える。
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「違うって!」
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「期間限定だったの!」
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「三十分いたよ。」
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スニョンが笑う。
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「そんなに?」
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ウォヌが驚くと、
スングァンは胸を張る。
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「吟味してたんです!」
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また笑い声が広がる。
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「でも。」
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チアキがふと口を開く。
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「皆さんと行けて、本当によかったです。」
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「一人だったら、必要なものだけ買って帰ってきてたと思います。」
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「今日は寄り道もできましたし。」
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「飛行機のキーホルダーも見つけられました。」
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「楽しかったです。」
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その言葉に、
ミンギュは静かに笑う。
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「また行こう。」
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「今度は目的なく。」
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チアキは頷いた。
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「はい。」
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その返事は、
まだ丁寧な敬語。
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けれど、
表情は以前よりずっと柔らかかった。
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食卓には、
笑い声が絶えない。
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誰かがおかわりを取り、
誰かが料理を勧める。
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「それ取って。」
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「はい、どうぞ。」
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そんな何気ないやり取りが、
今ではこの家の当たり前になっていた。
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窓の外では、
夏の夜風が木々を静かに揺らしている。
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賑やかな笑い声は、
404 HOUSEの灯りと一緒に、
穏やかな夜へ溶けていった。
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【STAFF NOTE】
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特別なイベントがなくても、
みんなで囲む食卓は自然と賑やかになる。
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「今日、楽しかった。」
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その一言を、
素直に口にできるようになったこと。
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それこそが、
共同生活で積み重ねてきた時間の証だった。
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次回 Scene7
『404 Diary』
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静かな夜。
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それぞれが今日一日を思い返しながら、
一枚のカードへ言葉を綴っていく。
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テーマは、
「最近、一番安心した瞬間」。
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