ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode4

『距離の測り方』



Scene5

【UNSEEN】

『共同生活4日目』



※この映像は放送本編では使用されなかった。

固定カメラとスタッフカメラだけが記録していた、共同生活4日目の一幕。



UNSEEN @

午後3時18分 キッチン



自由時間のあと。



チアキは一人で冷蔵庫を開けていた。



「牛乳……あと少しだ。」



小さく呟く。



その声を聞いたミンギュが、

リビングから顔を出した。



「なくなりそうですか?」



「うん。」



「明日の朝には足りないかも。」



ミンギュはスマートフォンを取り出し、

買い物リストに追加する。



「牛乳。」



「あとパンも。」



チアキが覗き込む。



「ありがとうございます。」



「いえ。」



「コーヒー淹れる人としては死活問題なので。」



二人は笑う。



ほんの30秒ほどの会話。



その後、

それぞれ別の部屋へ向かった。



特別な出来事ではない。



それでも編集スタッフは、

この映像にチェックマークを付けた。





UNSEEN A

午後4時07分 リビング



ウォヌが、

チアキへ貸した本を読んでいる姿を見つける。



チアキは夢中でページをめくっていた。



ウォヌは声を掛けない。



そのまま、

静かに通り過ぎる。



数歩進んでから、

ほんの少しだけ口元が緩んだ。



固定カメラでなければ、

気付けないくらい小さな笑顔だった。





UNSEEN B

午後5時42分 庭



スニョンがストレッチをしている。



スングァンがその横で真似をする。



「痛い!」



「体硬すぎ!」



二人が騒いでいると、

チアキが庭へ出てくる。



「大丈夫ですか?」



「全然大丈夫じゃない!」



スングァンの大げさな反応に、

三人で笑い合う。



その笑い声を聞き、

ソヨンとチェリンも庭へ。



気付けば、

庭には7人集まっていた。



誰かが誰かを呼んだわけではない。



笑い声が、

人を集めていた。





UNSEEN C

午後11時51分 ダイニング



ほとんどのメンバーが寝静まった頃。



スンチョルが、

ダイニングテーブルを拭いていた。



そこへチアキが水を飲みに来る。



「あっ……」



「すみません。」



「私やります。」



スンチョルは首を振る。



「もう終わります。」



「でも……。」



「チアキさん。」



穏やかな声。



「最近、人より先に動こうとしすぎです。」



チアキは少し驚く。



「そうですか?」



「はい。」



「助けてもらう日があってもいいと思います。」



数秒。



チアキは静かに笑った。



「……練習します。」



「難しいですけど。」



「少しずつ。」



「少しずつで十分です。」



その会話は、

放送には使われなかった。



【Interview】

スンチョル。



「チアキさんは。」



「頼るのが苦手な人だと思います。」



「だから。」



「この家では。」



「誰かに頼っても大丈夫だと思ってもらえたらいいですね。」





【STAFF NOTE(スタッフ日誌)】

共同生活4日目。



まだ恋ではない。



しかし、

スタッフ全員が共通して感じ始めたことがある。



それは、

「この人と話すと落ち着く」

という感情。



チアキは、

ウォヌといる時は静かな時間を楽しみ、

ミンギュとは自然に笑い、

ジョンハンとは安心して話し、

スンチョルとは肩の力を抜いて会話ができる。



一方で男性メンバーも、

それぞれ違う理由でチアキとの時間を心地よく感じ始めていた。



もちろん、

それは恋愛感情とは違う。



共同生活の中で育つ信頼。



安心感。



そして、

「また話したい」

という、ごく自然な気持ち。



恋は、

突然始まるものではない。



何気ない会話。

何気ない笑顔。

何気ない沈黙。



その積み重ねが、

いつか名前の付く感情へ変わっていく。



スタッフはまだ知らない。



この数日後、

番組初の”ペアミッション”が、

11人の距離を大きく動かすことになる。



【視聴者コメント(放送後SNS)】

「この番組、本当に恋愛を急がないから全員の人柄が好きになる。」

「スンチョルの『助けてもらう日があってもいい』が大人すぎる。」

「ウォヌ、笑ってる時間が少し増えた気がする。」

「ミンギュとチアキは自然体すぎて、見ていて安心する。」

「ジョンハンは相手の心を開かせる天才だけど、自分のことは話さないのが気になる。」

「まだ”推しカップル”じゃなくて、“推し関係性”を見つける番組になってるのが好き。」



Episode4 完

共同生活は、少しずつ「参加者同士」から「一緒に暮らす仲間」へと変わり始めた。




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