ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode29

『離れて気づくもの』

― 人は、いなくなってからではなく、残していったものを見て気づく。―

Day:Monday(共同生活29日目)



Scene6

『Interview』

Monday|09:30 PM



インタビュールーム。



柔らかな照明だけが、

静かな空間を照らしている。



共同生活29日目。



スタッフから、

今日のテーマが書かれたカードが手渡される。



「最近、一番自然に思い出す人。」



「名前は言わなくて大丈夫です。」



その一言に、

メンバーたちは小さく頷いた。



スンチョル Interview



「自然に思い出す人、ですか。」



少し考え、

穏やかに笑う。



「たぶん、一番よく顔を合わせる人ですね。」



「『もう帰ってるかな』とか。」



「『今日は仕事どうだったかな』とか。」



「意識してるわけじゃないんです。」



「でも、共同生活をしていると。」



「その人の日常が、自分の日常にもなってるんですよね。」



ジョンハン Interview



「面白いですよね。」



「今日、一人いないだけなのに。」



「家の空気が少し違う。」



窓の外へ視線を向け、

静かに続ける。



「その人がいた場所を見ると。」



「無意識に思い出します。」



「それって、もう大切な存在なんでしょうね。」



ウォヌ Interview



「思い出すというより。」



「気づく。」



少し言葉を選びながら話す。



「椅子とか。」



「本とか。」



「置いてある物を見て。」



「そういえば。」



「……って思う。」



照れたように笑う。



「それくらい自然です。」



スニョン Interview



「俺、結構分かりやすいタイプだから。」



笑いながら肩をすくめる。



「今日これ話したいなって思った瞬間に。」



「あ、いないんだ。」



「ってなった。」



「帰ってきたら話そう。」



「そう思える相手がいるって。」



「いいことですよね。」



スングァン Interview



「笑ってくれる人かな。」



少し照れながら笑う。



「自分が話した時に。」



「ちゃんと笑ってくれる人。」



「今日はいないから。」



「なんか調子出なかった(笑)。」



スタッフも思わず笑う。



「でも。」



「明日帰ってくるから。」



「またいっぱい話します。」



ユナ Interview



「一緒にキッチンへ立つことが多い人。」



「今日は隣が少し広く感じました。」



「でも。」



柔らかく微笑む。



「その人が残してくれた料理を食べながら。」



「帰ってきたら何作ろうかなって考えてました。」



ソヨン Interview



「誰かが無理してないかな。」



「そう考える相手がいます。」



「前は。」



「自分のことばかりだったんです。」



「でも今は。」



「自然と相手のことも考えるようになりました。」



ジウォン Interview



「共同生活って不思議ですよね。」



「毎日顔を合わせるだけで。」



「相手の生活が。」



「少しずつ自分の一部になる。」



「そんな感覚があります。」



チェリン Interview



「今日はその人がいないのに。」



「何回も名前を呼びそうになりました。」



笑いながら首を振る。



「癖って怖いですね。」



「でも。」



「それだけ安心できる存在になってたんだと思います。」



ミンギュ Interview



カードを見つめたまま、

しばらく何も話さない。



スタッフも、

急かさず待つ。



やがて、

小さく息を吐いた。



「今日。」



「家に帰って。」



「当たり前にいると思って。」



「リビングを見たんです。」



少しだけ笑う。



「……いなかった。」



その一言だけで、

十分だった。



「それで。」



「今日フライトだったって思い出して。」



照れ隠しのように視線を逸らす。



「なんか。」



「静かでした。」



それ以上は語らない。



けれど、

その短い言葉の中に、

今日一日の気持ちが詰まっていた。



【STAFF NOTE】



共同生活29日目。



「最近、一番自然に思い出す人。」



名前を聞かなくても、

答えは表情に表れる。



何気なく思い浮かぶ人。



帰宅すると探してしまう人。



笑った時、

最初に話したくなる人。



その存在は、

まだ誰も「恋」とは呼ばない。



けれど、

日常の中で確かに大きくなり始めていた。



次回 Scene7【UNSEEN】

『ホテルの夜』

Monday|11:50 PM



海外での勤務を終えたチアキ。



ホテルの窓から夜景を眺めながら、

ふと404 HOUSEのグループチャットを開く。



離れて初めて気づく、

「帰りたい場所」がそこにあった。




ノベルに戻る I Addict