ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode30

『404 Choice』

―「気になる」は、まだ恋とは限らない。―

Day:Tuesday(共同生活30日目)



Scene7

『投票箱』

Tuesday|09:30 PM



404 HOUSE。



リビングには、

小さな木製の投票箱が置かれていた。



その横には、

封筒に入れられた11枚のカード。



別室で書き終えたメンバーたちが、

一人ずつ戻ってくる。



誰も、

自分が何を書いたのか話そうとはしない。



自然と交わされる笑顔。



でも、

どこか少しだけ照れくさそうだった。



スタッフが静かに声を掛ける。



「それでは、お一人ずつカードを投票箱へ入れてください。」



最初に立ち上がったのは、

スンチョル。



白い封筒を両手で持ち、

ゆっくりと投票箱へ入れる。



カタン。



小さな音が、

静かなリビングに響いた。



続いて、

ジョンハン。



ウォヌ。



ミンギュ。



スニョン。



スングァン。



ソヨン。



ユナ。



ジウォン。



チェリン。



そして最後に、

チアキ。



白い封筒を見つめ、

小さく息を吸う。



その一枚には、

今の自分の素直な気持ちを書いた。



誰にも見せない、

自分だけの答え。



ゆっくりと投票箱へ入れる。



カタン。



十一枚目の音が鳴った。



スタッフが投票箱を持ち上げる。



「これより404 Choiceの結果は、番組スタッフが責任を持って保管します。」



「結果は、現時点では誰にも公開されません。」



「共同生活終了日まで、秘密です。」



その言葉に、

メンバーたちは静かに頷く。



「終わったね。」



スニョンが小さく笑う。



「なんかテスト終わった気分。」



その一言に、

リビングから笑いがこぼれる。



「確かに。」



スングァンも笑いながら頷く。



「めちゃくちゃ悩んだ。」



「私もです。」



チアキが微笑む。



「答えは書いたのに、まだ少し不思議な気持ちです。」



ジョンハンは穏やかに笑う。



「それでいいんじゃない?」



「すぐに答えが分かるものばかりじゃないし。」



その言葉に、

何人かが静かに頷いた。



投票箱は、

スタッフの手によって静かに運ばれていく。



中にある十一枚のカード。



そこには、

誰にも知られていない十一通りの想いが眠っている。



まだ、

恋とは呼ばれない気持ち。



けれど、

確かに動き始めている心。



404 HOUSEの夜は、

いつもと変わらないようで、

少しだけ昨日とは違っていた。



【STAFF NOTE】



共同生活30日目。



初めて名前を書いた夜。



答えは、

まだ誰にも明かされない。



それでも一度書いた名前は、

心の中で少しだけ存在を大きくする。



この夜を境に、

11人の”気になる”は、

少しずつ新しい形へ変わり始める。



次回 Scene8【UNSEEN】

『秘密のまま』



404 Choiceを終えた夜。



スタッフインタビュー。



「今日は何を書きましたか?」



返ってくるのは、

笑顔と沈黙だけ。



秘密は、

まだ秘密のまま。




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