ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode31

『昨日と同じ、今日じゃない』

― 一度意識した気持ちは、元には戻れない。―

Day:Wednesday(共同生活31日目)



Scene1

『404 Choiceの翌朝』

Wednesday|08:00 AM



共同生活31日目。



404 HOUSEの朝。



キッチンからは味噌汁の香り。

トースターが軽快な音を立て、

コーヒーメーカーから湯気が立ち上る。



いつもと変わらない朝。



「おはようございます。」



「おはよう。」



自然に交わされる挨拶。



昨日までと同じ景色。



同じテーブル。



同じメンバー。



それでも、

昨日とは少しだけ違っていた。



昨夜、

全員が404 Choiceで、

“今、一番気になる人”の名前を書いた。



結果は誰にも分からない。



だからこそ、

誰もが少しだけ相手を意識してしまう。



Dining Room



チアキはエプロン姿で、

朝食をテーブルへ運んでいく。



「今日はパンとご飯、どちらもあります。」



「好きな方をどうぞ。」



「ありがとう。」



スンチョルが笑顔で答える。



ミンギュは席に座りながら、

自然とチアキの手元を見る。



「今日も早かったんだ。」



「はい。」



チアキは微笑む。



「今日はお休みなので、少しだけ余裕がありました。」



「休みなのに早起き?」



スングァンが驚いたように聞く。



「もう習慣ですね。」



その答えに、

みんなが笑う。



Living Room



ジョンハンはコーヒーを淹れながら、

リビングを眺めていた。



チアキがみんなのお皿を並べ、

誰かのお茶が少なくなれば静かに注ぎ足す。



その姿は、

一か月前と何も変わらない。



……はずだった。



昨日、

一度名前を書いてしまったからだろうか。



何気ない仕草が、

昨日までより少しだけ目に留まる。



ジョンハンは自分でも気づかないうちに、

その様子を見つめていた。



Dining Room



「いただきます。」



十一人の声が重なる。



穏やかな朝食。



スニョンがテレビを見ながら笑う。



「今日も暑そうだね。」



「午後は雨らしいですよ。」



ユナがスマートフォンを見ながら答える。



「洗濯物、早めですね。」



「了解。」



チェリンが立ち上がる。



そんな何気ない会話が続く。



その中で、

ミンギュはふとチアキを見る。



視線が合う。



チアキはいつも通り、

にこっと笑った。



「どうしました?」



「あ、いや。」



ミンギュは少し照れたように首を振る。



「何でもない。」



そのやり取りを見ていたスングァンが、

パンをかじりながら笑う。



「最近みんな、『何でもない』って言う回数増えてない?」



「確かに。」



スニョンも笑う。



「気になることでもあるの?」



その一言に、

数人が思わず顔を見合わせる。



「ないない。」



ミンギュがすぐに否定すると、

リビングに笑い声が広がった。



誰も、

昨日書いた名前のことには触れない。



触れないからこそ、

少しだけ意識してしまう。



404 HOUSEの朝は、

昨日までと同じように始まった。



けれど、

それぞれの心の中では、

小さな変化が静かに動き始めていた。



【STAFF NOTE】



共同生活31日目。



404 Choiceの結果は、

まだ誰にも知らされない。



それでも、

一度名前を書いたことで、

何気ない視線や会話に、

少しだけ意味が生まれる。



昨日と同じ朝。



でも、

昨日と同じ気持ちではいられなかった。



次回 Scene2

『偶然の休日』

Wednesday|10:30 AM



今日は、

チアキとジョンハンの休日が重なった。



リビングでコーヒーを飲みながら、

ジョンハンが何気なく口を開く。



「昼、カフェでも行く?」



その一言から、

二人の穏やかな休日が始まる。




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