ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode31
『昨日と同じ、今日じゃない』
― 一度意識した気持ちは、元には戻れない。―
Day:Wednesday(共同生活31日目)
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Scene2
『偶然の休日』
Wednesday|10:30 AM
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朝の慌ただしい時間が終わり、
仕事へ向かったメンバーたちを見送る。
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「行ってきます。」
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「行ってらっしゃい。」
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玄関には、
いつもの挨拶が響く。
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ミンギュがネクタイを整えながら、
振り返る。
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「チアキ、今日は休みだったよね?」
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「はい。」
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「ゆっくり休んで。」
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「ありがとうございます。」
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チアキは微笑み、
軽く手を振る。
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スンチョルも鞄を肩に掛ける。
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「ジョンハン、今日は家?」
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「うん。休み。」
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「じゃあ、家のことよろしく。」
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「任せて。」
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笑いながら答えるジョンハン。
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玄関のドアが閉まり、
家の中は急に静かになった。
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リビングには、
ジョンハンとチアキの二人だけ。
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ジョンハンはコーヒーを二杯淹れ、
そのうち一つをチアキの前へ置く。
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「どうぞ。」
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「ありがとうございます。」
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チアキはマグカップを両手で包み、
ふっと息をつく。
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窓から差し込む柔らかな日差し。
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テレビもついていない、
静かな午前。
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しばらく、
二人とも何も話さなかった。
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けれど、
その沈黙は不思議と居心地が悪くない。
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ジョンハンがカップを置き、
何気ない口調で言う。
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「昼、カフェでも行く?」
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チアキは少し目を丸くする。
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「二人ですか?」
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「うん。」
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ジョンハンは自然に頷く。
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「他のみんな仕事だし。」
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「せっかく休みが重なったから。」
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チアキは少し考える。
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休日に男性と二人で出掛けることに、
少しだけ戸惑う。
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けれど、
相手がジョンハンだからだろうか。
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変な緊張はなかった。
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「……じゃあ。」
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少し笑って、
頷く。
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「お願いします。」
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ジョンハンも穏やかに笑う。
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「近くに静かな店があるんだ。」
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「コーヒーも美味しいよ。」
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「楽しみです。」
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チアキの表情が、
少しだけ柔らかくなる。
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二人は出掛ける時間を決めると、
それぞれ部屋へ戻って支度を始めた。
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恋人ではない。
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特別な約束でもない。
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ただ、
休日が重なったから。
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ただ、
一緒にいると気を遣わないから。
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そんな自然な理由が、
二人の距離を少しずつ近づけていた。
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【STAFF NOTE】
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共同生活31日目。
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「一緒に出掛ける?」
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その一言に、
特別な意味はない。
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けれど、
相手を自然に誘えることも、
共同生活が育てた信頼の形。
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恋になる前の関係には、
こんな穏やかな時間が流れている。
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次回 Scene3
『静かなカフェ』
Wednesday|01:00 PM
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住宅街の小さなカフェ。
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仕事の話。
旅行の話。
休日の過ごし方。
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会話がなくても、
沈黙は気まずくなかった。
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その心地よさに、
二人は少しずつ気づき始める。
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