ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode31
『昨日と同じ、今日じゃない』
― 一度意識した気持ちは、元には戻れない。―
Day:Wednesday(共同生活31日目)
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Scene5
『404 Diary』
Wednesday|10:00 PM
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夜の404 HOUSE。
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リビングの照明が少しだけ落とされる。
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テーブルの中央には、
いつもの木箱。
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404 Diary
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スタッフから封筒が届く。
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「第8回404 Diaryを始めます。」
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「今回のテーマは――」
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『あなたと話してみたいこと』
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その一文を見て、
何人かが小さく息をつく。
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話してみたいこと。
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答えは一つではない。
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聞いてみたいこと。
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伝えたいこと。
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まだ言葉になっていない気持ち。
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それぞれが静かに自分の部屋へ向かった。
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Chiaki’s Room
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チアキは机に向かい、
白い便箋を見つめる。
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ペンを持つ。
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すぐには書けない。
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「話してみたいこと……。」
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小さく呟く。
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今日、
ジョンハンと過ごした穏やかな時間。
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みんなと笑い合う毎日。
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404 HOUSEで過ごした一か月。
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たくさんの出来事が頭をよぎる。
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少し考えたあと、
静かにペンを動かし始めた。
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Mingyu’s Room
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ミンギュも、
便箋を前に腕を組んでいた。
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「意外と難しいな。」
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思わず苦笑する。
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聞きたいことはある。
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でも、
本当に聞きたいことほど、
簡単には書けなかった。
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何度か書いては消し、
ようやく一文を書き終える。
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Jeonghan’s Room
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ジョンハンは、
今日のインタビューを思い返していた。
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数年間、
誰にも話さなかったこと。
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今日、
初めて言葉にした。
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少しだけ心が軽くなった気がする。
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便箋を見つめながら、
静かにペンを走らせる。
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その表情は、
昨日より少しだけ柔らかかった。
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Living Room
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時間が過ぎ、
一人ずつ木箱へ手紙を入れていく。
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カタン。
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小さな音が、
静かな夜に響く。
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十一通。
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誰が誰へ書いたのか、
誰にも分からない。
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それでも、
今までより少しだけ、
返事を書く時間は長くなっていた。
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言葉を選ぶ時間が増えたのは、
相手を知ったから。
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そして、
知れば知るほど、
聞いてみたいことが増えていくからだった。
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【STAFF NOTE】
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共同生活31日目。
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最初の頃は、
何を書けばいいか分からなかったDiary。
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今では、
一枚の手紙に収まりきらないほど、
相手に聞きたいことが増えている。
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知りたいと思う気持ちは、
信頼の始まり。
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そして時には、
恋より先に生まれる感情でもある。
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次回 Scene6【UNSEEN】
『変わったかもしれない』
Wednesday|11:30 PM
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スタッフがジョンハンに尋ねる。
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「ジョンハンさん、少し変わりました?」
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少し考えたあと、
ジョンハンは静かに笑った。
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「……変わったかもしれないですね。」
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