ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode32
『知らなかった横顔』
― 笑顔の裏側にある、本当の自分。―
Day:Thursday(共同生活32日目)
Scene4
『帰ってきた場所』
Thursday|06:30 PM
夕方の404 HOUSEには、仕事を終えたメンバーが一人、また一人と帰宅してきた。
「ただいま。」
「おかえり。」
リビングには、いつもの賑やかな空気が戻っていた。
スンチョルはネクタイを緩めながらソファへ腰掛ける。スングァンは今日の収録であった出来事を話し始め、スニョンが笑いながらツッコミを入れる。ジョンハンとウォヌは、その様子を穏やかに見守っていた。
その頃、キッチンではユナとジウォンが夕食の準備をしている。そこへ、在宅勤務を終えたチェリンがやって来た。
「何か手伝う?」
「じゃあ、お皿お願い。」
「了解。」
チェリンは笑顔で頷く。けれど、その笑顔を見たユナは、ふと手を止めた。
「……チェリン。」
「ん?」
「今日、何かあった?」
チェリンは少し驚いたように目を瞬かせる。
「どうして?」
今度はジウォンが笑う。
「なんとなく。」
「いつもと笑い方が違う気がする。」
チェリンは少し照れたように笑い、手にしていた皿をゆっくり置いた。少しだけ沈黙が流れ、やがて小さく息を吐く。
「実は今日ね。」
「スタッフさんと話してきたの。」
二人は静かに耳を傾ける。
「今まで誰にも話してなかったことを。」
「……秘密?」
ユナが優しく尋ねると、チェリンはゆっくり頷いた。
「私、SNSではすごく華やかに見せてるけど。」
「本当は、自分の容姿にずっとコンプレックスがあるの。」
その一言に、二人は驚きながらも何も言わない。チェリンは少しずつ話し始める。
「写真も、動画も。」
「明るく見えるように、綺麗に見えるように、ずっと気をつけてきた。」
「でも、本当は鏡を見るのも苦手で。」
「人と並ぶと、どうしても自分だけ足りない気がしてしまうの。」
静かな声。でも、もう無理に笑ってはいなかった。
ユナがそっと口を開く。
「……話してくれてありがとう。」
ジウォンも優しく頷く。
「一人で抱えてたんだね。」
チェリンは少し目を潤ませながら笑う。
「うん。」
「でも、ここなら話せる気がした。」
「みんなと暮らしてたら。」
「隠さなくてもいいのかなって思えて。」
ユナはチェリンの肩を軽く叩く。
「これからは、一人で抱え込まないで。」
「私たちもいるから。」
ジウォンも笑顔で続ける。
「そうそう。」
「ROOM404って、そういう家でしょ。」
その言葉に、チェリンは小さく笑った。
「……ありがとう。」
笑顔のまま、一粒だけ涙がこぼれる。
けれどその涙は、今日初めて、安心して流せた涙だった。
少し離れたリビングからは、スングァンたちの笑い声が聞こえてくる。そのいつもの賑やかさが、チェリンには以前よりもずっと温かく感じられた。
【STAFF NOTE】
共同生活32日目。
秘密を打ち明けることは、勇気がいる。
でも、受け止めてくれる人がいると知った時、その秘密は、もう”一人だけのもの”ではなくなる。
404 HOUSEは、今日もまた一つ、誰かの「帰ってこられる場所」になった。
次回 Scene5
『ただいま』
Thursday|09:10 PM
午後勤務を終えたチアキが帰宅する。
玄関で待っていたミンギュが、自然に荷物を受け取る。
「お疲れさまです。」
「ありが……」
思わずこぼれた言葉に、二人は同時に笑ってしまう。
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