ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode5

『最初のミッション』

― 恋愛禁止なのに、一番近い距離 ―



Scene3

『買い出し』



午後3時10分。

5組はそれぞれ別のスーパーへ向かった。

スタッフから渡された予算は5万ウォン。

制限時間は90分。



チアキ × ミンギュ



近所の大型スーパー。



自動ドアが開く。



「じゃあ、まずは好きな食べ物聞いていい?」

ミンギュが買い物かごを持ちながら笑う。



「はい。」



「チアキちゃんは何が好き?」



チアキは少し考える。



「和食が好きです。」



「特に、お母さんが作ってくれた肉じゃがとか。」



「あと、クリームパスタも好きです。」



「へぇ。」



「和食って毎日食べたくなる?」



「なります。」

チアキは笑う。



「長く海外にいると、お味噌汁が恋しくなります。」



「分かる気がする。」



ミンギュは野菜売り場で立ち止まる。



「じゃあ今日は?」



「パスタにする?」



「それとも韓国料理?」



「ミンギュさんは何が好きですか?」



「俺?」



「うん……。」

少し考えて笑う。



「実はクリーム系好き。」



「え、本当ですか?」



「男って辛いもの好きそうって言われるけど。」



「クリームパスタとかグラタンとか大好き。」



チアキが嬉しそうに笑う。



「じゃあ、クリームパスタにしましょう。」



「決まり。」



二人は自然と歩き出す。



「相手を3つ知る」



ミンギュがスタッフカードを見せる。



「そういえば。」



「3つ知らないといけないんだった。」



「そうでした。」

チアキも笑う。



「じゃあ一つ目。」



「子どもの頃の夢は?」



「客室乗務員です。」



即答だった。



「昔から?」



「はい。」



「飛行機を見るのが好きで。」



「制服にも憧れてました。」



「夢、叶えたんだ。」



「はい。」



チアキは少し照れながら笑う。



「大変ですけど。」



「好きな仕事です。」



ミンギュは静かに頷いた。



「いいな。」



「そういうふうに言える仕事って。」





今度はチアキが聞く。



「ミンギュさんは?」



「子どもの頃の夢。」



「サッカー選手。」



「えっ?」



「本当ですか?」



「うん。」



「でも高校で諦めた。」



「そうだったんですね。」



「今でも観るのは好き。」



「だから運動好きなんですね。」



「たぶんね。」





調味料コーナー



「チアキちゃん。」



「はい?」



「飛行機の仕事って。」



「怖くなったことない?」



チアキは少しだけ考える。



「あります。」



「でも。」



「怖いからこそ、安全を守る仕事なんだと思っています。」



ミンギュは感心したように笑う。



「かっこいいな。」



チアキは首を振る。



「全然です。」



「私、一人じゃ何もできないので。」



「チームだから。」



その言葉を、

ミンギュは少しだけ覚えていた。





スンチョル × ジウォン



スーパーの精肉コーナー。



「段取り決めよう。」

ジウォンがメモを開く。



「前菜、メイン、スープ。」



「役割分担する?」



「そうだな。」

スンチョルも自然に合わせる。



二人とも仕事柄なのか、

話し合いがとても早い。



「仕事でもこんな感じ?」

ジウォンが笑う。



「部下にはもっと細かく言う。」



「私も。」



二人は顔を見合わせて笑った。





ジョンハン × ユナ



果物売り場。



「休日って休める?」

ジョンハンが尋ねる。



ユナは苦笑する。



「半分くらい仕事かな。」



「ブランド立ち上げた時は?」



「寝る時間も惜しかった。」



「後悔したことある?」



少しだけ間が空く。



「ない。」



「でも。」



「一人で頑張りすぎたなって思う時はある。」



ジョンハンは、

何も評価せず、静かに聞いていた。





ウォヌ × ソヨン



乾麺コーナー。



「パスタ、好きですか?」

ソヨンが聞く。



「好きです。」

ウォヌが答える。



「でも作るのは得意じゃない。」



「じゃあ私が教えます。」



「お願いします。」



その後、

二人は無言で商品を選ぶ。



沈黙。



それでも、

どちらも急いで話題を探さなかった。





スニョン × チェリン



「これ美味しそう!」



「ちょっと!」

チェリンが笑う。



「デザートばっかり見ないで!」



「だって料理の後は甘いもの!」



「まず料理!」



二人の声が売り場中に響く。



店員まで笑ってしまう。





【Interview】

チアキ



「スーパーって。」



「その人らしさが出ますね。」



「ミンギュさんは迷わないんです。」



「これがいいって、すぐ決められる。」



「見ていて安心しました。」





【Interview】

ミンギュ



「チアキちゃん。」



「買い物してても、人のことばっかり気にするんですよ。」



「『これ食べられますか?』とか。」



「『苦手じゃないですか?』とか。」



少し笑う。



「自分が食べたいものより。」



「相手が喜ぶものを考えてる。」



「そういうところなんだろうな。」



【STAFF NOTE】

買い出しは、

料理の準備ではない。



相手の育った家。

好きだった味。

夢。

何気ない口癖。



普段なら聞かない話を、

買い物かごを片手に自然と話していた。



その中でも、

チアキとミンギュはまだお互いに遠慮が残っている。



だからこそ、

このあとキッチンで交わされる会話は、

二人の距離をほんの少しだけ近づけることになる。



Episode5 Scene4

『キッチンで二人きり』




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