ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode34
『あの日の続きを』
― 大人になった今だから楽しめる、忘れられない一日。―
Day:Saturday(共同生活34日目)
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Scene2
『出発』
Saturday|10:00 AM
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404 HOUSE。
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玄関前。
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11人が揃っている。
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いつもなら、
それぞれ違う時間に出勤し、
違う場所へ向かう朝。
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でも今日は違う。
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全員が同じ場所へ向かう。
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「本当に全員で出掛けるの久しぶりじゃない?」
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スングァンが周りを見る。
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スニョンが頷く。
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「最近、誰かしら予定あったもんね。」
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仕事。
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レッスン。
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フライト。
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それぞれ違う生活をしている11人。
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だからこそ。
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全員揃って外へ出る日は、
少し特別だった。
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チアキはその輪の少し外側で、みんなの顔を見回した。
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こうして並ぶだけで、胸の奥がじんわりと温かくなる。
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忙しさに追われる毎日の中で、全員が同じ方向を向いて歩き出す瞬間は、思っていた以上に尊い。
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ただの外出のはずなのに、
今日はきっと、あとから何度も思い返す日になる。
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そんな予感がして、
チアキはそっと息をついた。
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移動中
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車内。
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制服姿の11人。
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普段とは違う雰囲気に、
最初は少し照れがあった。
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チアキも同じだった。
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鏡越しに見た自分の姿が、少しだけ昔の記憶を連れてくる。
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学生だった頃の空気。
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まだ何者でもなかった頃の、まっすぐで不器用な気持ち。
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その頃の自分と今の自分が、同じ制服の中で静かに重なっていくようで、胸の奥がくすぐったくなった。
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でも。
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数分後には、
いつものような会話が始まる。
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「この制服、意外と動きやすい。」
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スニョンが言う。
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「そこ重要?」
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チェリンが笑う。
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「遊ぶからね。」
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その言葉に、
全員が笑う。
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スングァンは窓の外を見る。
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「なんか修学旅行みたい。」
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「大人の修学旅行。」
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ジョンハンが付け加える。
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「年齢的には先生側じゃない?」
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スンチョルが笑う。
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車内に笑い声が広がる。
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チアキもつられて笑った。
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けれど、その笑いの奥で、少しだけ胸が熱くなる。
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こうして何気ないやり取りを交わせることが、どれほど幸せなことか。
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当たり前のように隣にいて、当たり前のように笑い合える今が、どれだけ奇跡に近いのか。
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そのことを考えると、ふいに目の奥が少しだけ熱くなった。
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到着
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見えてくる大きな入口。
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ロッテワールド
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「着いた!」
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スングァンが一番に声を上げる。
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全員の表情が自然に明るくなる。
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仕事で見せる顔でもない。
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カメラの前で作る表情でもない。
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ただ、
楽しみにしている人の顔。
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チアキはその表情を見て、胸の奥がふわりとほどけるのを感じた。
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この瞬間を一緒に迎えられたことが、嬉しかった。
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それだけで、今日という日がもう十分に特別だった。
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パーク入口
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チケットを受け取り、
中へ進む。
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周囲には、
制服姿の学生たち。
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チアキは少しだけ足を止める。
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懐かしい景色。
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制服。
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楽しそうな声。
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昨日、
一瞬だけ浮かんだ寂しさ。
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その理由はまだ誰にも話していない。
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でも。
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今日は違う。
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隣には、
404 HOUSEのメンバーがいる。
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その事実だけで、胸の中にあった小さな影が少しずつ薄れていく。
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寂しさが消えたわけじゃない。
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けれど、それを上書きしてくれるほどの温かさが、今ここにはあった。
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「チアキ。」
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ミンギュの声。
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振り向く。
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「写真撮ろう。」
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チアキは笑う。
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「はい。」
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カメラに向かって、
自然な笑顔を見せる。
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その笑顔は、作ったものではなかった。
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胸の奥に残っていた揺れも、少しだけ切なさも、全部抱えたまま、それでも今を楽しもうとする気持ちが、そのまま表情になった。
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その姿を、
少し離れた場所から見ていたジョンハンが微笑む。
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最初の日。
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11人はまだ、
ただ同じ家に集められた人たちだった。
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今は。
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一緒に思い出を作りたいと思える相手。
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チアキはその言葉を、心の中でそっとなぞる。
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あの日から積み重ねてきた時間が、今日という一日をこんなにも愛おしくしている。
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ただ楽しいだけじゃない。
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少しの寂しさも、照れも、嬉しさも、全部が混ざり合って、忘れられない記憶になっていく。
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そう思うと、胸がいっぱいになった。
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【STAFF NOTE】
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共同生活34日目。
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同じ場所へ向かう。
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同じ景色を見る。
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同じ瞬間に笑う。
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当たり前のようで、
最初には想像できなかった時間。
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今日は、
404 HOUSEが「家」ではなく、
「思い出の場所」になる一日。
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チアキにとっても、この日はただの外出ではない。
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ふとした寂しさを、誰かの笑顔がやさしく包み込んでくれる日。
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過ぎてしまえば何気ない一日でも、きっと何度でも思い返したくなる。
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そんな、心に残る思い出の日。
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次回 Scene3
『遊園地の時間@』
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絶叫マシン。
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お化け屋敷。
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普段は見えない意外な一面。
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そして、
チアキの知られざる弱点を、
ウォヌだけが知ることになる。
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