ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode34

『あの日の続きを』

― 大人になった今だから楽しめる、忘れられない一日。―

Day:Saturday(共同生活34日目)



Scene3

『遊園地の時間@』

Saturday|Afternoon



ロッテワールド。

久しぶりの遊園地。

普段は仕事、練習、フライトと、それぞれ違う日常を過ごしている11人。

今日は、ただ遊ぶためだけの時間だった。



絶叫マシン



「最初はこれでしょ!」

スニョンが指を差す。

「いや、最初から?」

スングァンが少し後ずさる。

「まだ心の準備が……。」

「準備してたら一日終わるよ。」

スニョンが笑う。

「大丈夫ですよ。」

チアキも笑った。

「怖くないです。」

その言葉に、全員が少し驚く。

ミンギュが聞く。

「チアキ、絶叫系平気なの?」

「はい。昔から好きでした。」

迷いなく答えるチアキに、スングァンが目を丸くする。

「え、ほんとに?」

「見た目とのギャップがすごい。」

ミンギュも苦笑した。

「じゃあ先頭はチアキで。」

スニョンが当然のように言う。

「なんでですか。」

チアキが笑う。

「一番頼もしいから。」

「それ、褒めてます?」

「もちろん。」

結果、一番楽しそうにしていたのはチアキだった。

降りたあとも、笑顔のまま言う。

「もう一回乗れる。」

「今の、風が気持ちよかったです。」

「……本当に平気なんだ。」

スングァンが感心する。

「むしろ、ちょっと物足りないくらいです。」

チアキがさらっと言う。

「強い。」

ミンギュが小さく拍手した。



ミンギュの番



「次、あれ行こう。」

スニョンがまた指を差す。

「……俺はいい。」

ミンギュが即答する。

「え?」

「絶叫系、苦手。」

あまりにもあっさりした告白に、みんなが止まる。

「ミンギュが?」

スングァンが目を丸くする。

「意外。」

チアキも笑う。

「乗れないんですか?」

「乗れるけど、好きではない。」

「さっきのチアキみたいに平気な顔はできない。」

「今の、かなり正直ですね。」

チアキがくすっと笑う。

「正直に言っただけ。」

ミンギュは少しむくれる。

「でも、逃げるのはなしです。」

スニョンが肩を組む。

「誰が逃げるって?」

「今の顔、完全に逃げる顔だった。」

スングァンがすかさず突っ込む。

「うるさい。」

ミンギュは苦笑しながらも、結局みんなに押されて乗ることになった。

そして。

「うわああああ!」

ミンギュの叫び声が響く。

「声、大きい!」

スングァンが笑いながら耳を押さえる。

「ちょっと、今の聞こえた?」

チアキも笑う。

「聞こえました。」

「ミンギュさん、すごく素直でした。」

「言うな。」

ミンギュは髪を押さえながら顔をしかめる。

「もう一回って言ったの誰だよ。」

「俺じゃない。」

スニョンが即答する。

「俺も聞いた。」

チアキも笑う。

「ミンギュさん、声大きいです。」

「だから言うなって。」

ミンギュは苦笑する。

「でも、ちょっと面白かったです。」

チアキが悪気なく言う。

「……最悪だ。」

ミンギュが肩を落とす。

その会話に、全員が笑った。

普段の姿からは分からない、新しい一面だった。



お化け屋敷



次に向かったのは、お化け屋敷。

入口を見たチアキは、さっきまでの余裕を少し失っていた。

ウォヌが気づく。

「チアキ。」

「大丈夫?」

チアキはすぐに笑う。

「大丈夫です。」

でも、声は少しだけ小さい。

スニョンが笑う。

「さっき絶叫乗ってた人とは思えない。」

「それはそれ、これはこれです。」

チアキは苦笑する。

「絶叫は平気なんですけど……。」

少し間を置いて、続ける。

「お化けは苦手です。」

その言葉に、みんなが驚く。

「え?」

ミンギュが笑う。

「意外。」

「急にかわいいところ出てきた。」

スングァンがにやりとする。

チアキも笑う。

「よく言われます。」

「じゃあ、今日はその“苦手”を克服する日ですね。」

スニョンが楽しそうに言う。

「克服しなくていいです。」

チアキが即答する。

「そこは無理しなくていい。」

ウォヌが静かに言った。

その一言に、チアキは少しだけ目を丸くする。



ペア決め



スタッフからルールの説明が入る。

「2人組、4組。」

「3人組、1組。」

それぞれ組み合わせを決めていく。

「じゃあ、俺はスングァンと。」

ミンギュが先に言う。

「え、なんで俺固定?」

スングァンがすぐに反応する。

「相性よさそうだから。」

「それ、雑じゃない?」

「雑なくらいがちょうどいい。」

スニョンが笑う。

そして、チアキの相手はウォヌになった。

「よろしくお願いします。」

チアキが言う。

ウォヌは頷く。

「うん。」

「静かな組み合わせだね。」

スングァンが小声で言う。

「逆に怖い。」

ミンギュがぼそっと返す。

「怖いって言わないでください。」

チアキが笑う。

ウォヌも少しだけ口元を緩めた。

静かな二人だったが、不思議と安心できる空気があった。



お化け屋敷内



暗い通路。

突然の音。

「うわっ!」

チアキの声が少し大きめに響き、足がぴたりと止まる。

ウォヌが横を見る。

「……。」

「今の、かなり大きかった。」

チアキは少し恥ずかしそうに笑う。

「……はい。」

「怖いです。」

正直な言葉だった。

ウォヌは少し笑う。

「やっぱり。」

「さっきまで平気そうだったのに。」

「急に止まるから、ちょっと面白い。」

チアキが見る。

「え?」

「いつも何でも大丈夫そうだから。」

「こういう顔もするんだって。」

チアキは少し照れる。

「私、そんな強そうに見えますか?」

ウォヌは少し考えてから答える。

「うん。」

「でも。」

「怖いって言える方が自然だと思う。」

その言葉に、チアキは少し黙る。

いつも、大丈夫と言うことが多かった。

頼られる側でいることが多かった。

でもここでは、苦手なことを言ってもいい。

そう思える瞬間だった。

「……じゃあ、少しだけ頼ってもいいですか。」

チアキが小さく言う。

ウォヌは頷く。

「うん。」

「前、歩く。」

「ありがとうございます。」

チアキがほっと息をつく。

「あと、何かあったら言って。」

「はい。」

「すぐ言います。」

そのやり取りは短い。

でも、チアキの表情は少しやわらいでいた。



お化け屋敷出口



「疲れました……。」

チアキが小さく笑う。

ウォヌも笑う。

「でも、楽しかった。」

「はい。」

「怖かったけど、楽しかったです。」

「それ、かなり大事。」

ウォヌが静かに言う。

少し離れた場所から、ミンギュたちがその様子を見る。

「チアキ、あんな顔するんだ。」

スングァンが笑う。

「新発見。」

「ウォヌといると、ちょっと安心してる感じする。」

スニョンが腕を組む。

「わかる。」

ミンギュが頷く。

今日知ったのは、怖がる姿だけではない。

完璧じゃない一面を見せられること。

それも、距離が近づいた証だった。



【STAFF NOTE】



共同生活34日目。

人は、意外な一面を見た時、相手をもっと近く感じる。

強い人にも、苦手なものがある。

明るい人にも、不安になる瞬間がある。

その隙間を知ることが、本当の距離を作っていく。



次回 Scene4

『遊園地の時間A』



午後。

それぞれのグループに分かれて自由行動。

同じ場所にいても、過ごす相手によって、違う思い出が生まれていく。




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