ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode35

『言えないままの気持ち』

― 楽しい時間の後に残る、小さな違和感。―

Day:Sunday(共同生活35日目)



Scene1

『遊園地の翌朝』

Sunday|Morning



404 HOUSE。



朝。



昨日の疲れが少し残る、

静かな日曜日。





リビングのテーブルには、

昨日撮った写真。



ロッテワールド。



制服姿。



笑顔。



11人で過ごした時間。





ミンギュがスマホを見ながら、

突然声を上げる。



「ちょっと待って。」





みんなが振り向く。





「この写真、絶対消して。」





画面には。





絶叫マシンで、

顔を思い切り歪めているミンギュ。





一瞬。



静かになる。





そして。





「……。」





「はははは(笑)」





リビングに笑い声が広がる。





スニョンが笑いながら言う。



「これは残すべき。」





「なんで!?」





「いい表情してる。」





「人生で一番必死な顔じゃん。」





チェリンもすぐに乗る。





「しかも、ちゃんと目が開いてるのがすごい。」





「褒めてないよね、それ。」





「褒めてる。」





スングァンが肩を震わせながら言う。





「俺なら絶対スクショしてる。」





「やめて。」





「もう保存した。」





「早いって!」





ミンギュは頭を抱える。





「俺、もっとかっこいい写真あるでしょ。」





「あるけど、これはこれで必要。」





「必要って何。」





「朝の元気が出る。」





「出ないよ!」





そのやり取りを見ながら、

チアキも自然に笑っていた。





「……でも、ちょっと面白いです。」





そう言うと、

スニョンがすぐに頷く。





「でしょ?」





チェリンも小さく笑う。





「チアキがそう言うなら、もう残すしかない。」





「なんでみんな味方なの。」





以前なら。





みんなが盛り上がっている時、

少し離れた場所で笑っていた。





でも今は。





その輪の中に、

自然にいる。





リビング





ミンギュが写真をスクロールする。





そして。





少し笑う。





「じゃあ、この写真も飾っていい?」





画面を見せる。





そこには。





絶叫しているスングァン。





そして。





お化け屋敷で驚いているチアキ。





「え……。」





チアキが目を丸くする。





「これですか?」





ミンギュが笑う。





「うん。」





「珍しいから。」





スングァンがすぐに反応する。





「いや、俺の顔の方が珍しいでしょ。」





「たしかに。」





チェリンが即答する。





「どっちも同じくらいすごい。」





「フォローになってない!」





チアキは少し恥ずかしそうに笑う。





「恥ずかしいです。」





「でも、かわいい。」





スニョンがさらっと言う。





「え?」





チアキが少し固まる。





スングァンがすかさず割り込む。





「今の、聞かなかったことにして。」





「なんでよ。」





また笑いが起こる。





ミンギュが写真を見比べながら言う。





「こっちは飾るなら、こっちかな。」





「どっちもやめて。」





「いや、こっちは本当にいい。」





「どこが。」





「二人とも、表情が正直すぎる。」





チェリンがくすっと笑う。





「相性がいいってことじゃない?」





「そういうまとめ方する?」





チアキは照れたように視線を落とす。





「……でも、思い出にはなります。」





その言葉に、

少しだけ空気がやわらぐ。





スングァンが小さくうなずく。





「それはそう。」





「じゃあ、保存で。」





「決定早い!」





その瞬間。





誰も気づかないほど小さな変化。





チアキが、

「楽しい」と思った時の笑顔。





それは最初の頃には、

あまり見られなかった表情だった。





【STAFF NOTE】



共同生活35日目。



楽しい時間の後に残るものは、

写真だけではない。





その時、

誰と笑っていたか。



誰の隣にいたか。



その記憶が、

少しずつ相手の存在を特別にしていく。





次回 Scene2

『休日の過ごし方』



それぞれの自由な日曜日。



一人の時間。



誰かと過ごす時間。



そして、

昨日の思い出が残した小さな変化。




ノベルに戻る I Addict