ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode1

『404 HOUSEへようこそ』



Scene2

『11人の初対面』



午後4時。

ROOM 404のリビング。

11人分の荷物が並び始める。

まだ少し距離のある空気。

誰もが笑顔で話している。

でも、その笑顔の奥には同じ気持ちがあった。

――どんな人たちなんだろう。



大きな窓から差し込む夕方の光。

チアキは窓際の席に座りながら、周囲を見ていた。

アッシュブラウンのロングヘアは、普段仕事でしているような完璧なまとめ髪ではなく、自然に肩へ流れている。

少しだけ癖のある髪が柔らかく揺れる。

CAとして働いている時は、毎日髪をきっちりまとめる。
後れ毛一本まで整えることに慣れている。

けれど、今日は違った。
初めて会う人たちの前で、仕事の自分ではなく、ただのチアキとして座っていた。

SC「じゃあ、全員揃ったことですし、改めて順番に自己紹介しましょうか。」

スンチョルが声をかけると、いいですね、と声が上がり、自然と全員の視線がスンチョルに集まる。

スンチョルが最初に立ち上がる。

SC「こんにちは。チェ・スンチョルです。」

落ち着いた声。

SC「32歳で、芸能事務所でA&Rプロデューサーをしています。普段はアーティストの制作や管理をしています。」

女性陣から小さな頷きと、すごい!との声が上がる。

責任ある仕事をしていることがしっかりと伝わる。

SC「この3ヶ月、みなさんと楽しく過ごせたら嬉しいです!」

短いけれど、安心感のある自己紹介だった。
自然と拍手が起こった。



【Interview ー スンチョル】

「最初に来たので、自然とまとめ役みたいになりましたね。」

少し笑う。

「でも、まだ全員のことを何も知らないので、色々判断するのは早いと思っています。」



スンチョルが座ると、自然と立ち上がったのはユン・ジョンハン。

JH「ユン・ジョンハン、31歳です。心理カウンセラーをしています。人の話を聞く仕事です。」

その言葉にスングァンがすぐ反応する。

SG「じゃあ、この家で一番心を読める人ですね?」

笑いが起こる。
ジョンハンは少し困ったように笑った。

JH「さすがにそんな能力はないです。ただ……、人の話を聞くのは好きです。」

チアキはその言葉を聞いて、小さく頷いた。

“話を聞くのが好き”

それは、簡単そうで、実はとても難しいことだと、チアキ自身も仕事で何度も感じていた。

ジョンハンが座ると、ピョコンと元気よく立ち上がったのはクォン・スニョン。

HS「クォン・スニョンです!30歳です!自分はプロダンサーで、振付師もしています!」

細い目をさらに細めて微笑むスニョン。

HS「体を動かす仕事なので、たぶんこの家で一番うるさいと思います!なので……、先に謝っておきます!すみません!」

勢い良く頭を下げるスニョンに全員が笑う。
一瞬で空気が柔らかくなった。



【Interview ー スニョン】

「やっぱり緊張してるのか、みんな静かだったので、僕が話した方がいいかなと思いました!」

そう言って目が無くなるくらい微笑むスニョン。

「……まあ、本当は普通に僕が話したかっただけですけどね!」

その言葉にスタッフも笑った。



スニョンが座ると、少し気怠そうに立ち上がったのはチョン・ウォヌ。

WN「チョン・ウォヌです。スニョンさんと同じ30です。仕事は、小説家、脚本家をしています。」

少し短い自己紹介。
女性陣は少し興味深そうにウォヌを見る。

CL「普段、物語を書くんですか?」

チェリンが聞く。

WN「はい。」
CL「恋愛も?」

一瞬。ウォヌは少し考える。
しかしすぐに答えた。

WN「……はい、書きます。」

それ以上は何も言わなかった。



【Interview ー ウォヌ】

「実は数が多い場所は得意ではありません。」

ウォヌの言葉に、「そんな感じはします。」とスタッフが言う。

「でも、人を見ることは好きです。言葉より、その人が何をしているかを見る方が分かることもあるので。」

深い言葉だなとスタッフは思った。



次に立ったのはキム・ミンギュ。

MG「初めまして!キム・ミンギュです!外資系企業でマーケティングの仕事をしています!」

元気よく、爽やかで明るい笑顔は、自然と人を惹きつける魅力がある。

MG「仕事では海外の人と関わることが多いので、チアキさんとは少し話しやすいかもしれませんね!」

突然名前を出され、チアキは少し驚いて笑った。
しかし直ぐにミンギュを見て

「ふふっ、よろしくお願いします。」

と、声をかけた。

MG「こちらこそ!お願いします!」

嬉しそうに微笑み挨拶を交わしたミンギュとチアキだった。



【Interview ー ミンギュ】

「日本人の参加者がいるとは聞いていました。入ってきた時とかも緊張してたから、少しでも緊張が解けたらいいなと思って名前を出しました。」

「でも、意外と普通に会話してくれて、とっても自然でした。」

そう言って爽やかに微笑んだ。



ミンギュが座ると同時に立ち上がったのは、ブ・スングァン。

SG「28歳、ブ・スングァンです!ラジオDJと番組MCをしています!ブミリー知ってますか?」

スングァンの問いかけにスニョンが

HS「知ってます!え!?ブミリーのスングァンさんですか!?」

と、興奮気味に聞く。
スングァンは嬉しそうに微笑む。
みんなはスングァンの声を知っているようだったが、日本人のチアキだけは分かっていなかった。

SG「たぶん皆さん、僕のこともうるさいと思う瞬間が来ると思います!でも3ヶ月間よろしくお願いします!」

また笑いが起きる。



男性6人の自己紹介が終わる。
次は女性陣。



キム・ユナがスッと立ち上がる。

YN「キム・ユナ、28歳です。自分で美容ブランドを経営しています。」

堂々とした姿勢が、経営者の風格を感じさせた。

YN「私は努力することが好きです。よろしくお願いします。」



次に立ち上がったのはパク・ソヨン。

SY「獣医師として、動物病院で働いています。パク・ソヨンです。歳は27歳です。」

柔らかな笑顔。

SY「動物といる時間が一番幸せです。よろしく。」



次に元気よく立ち上がったのは、イ・チェリン。

CL「イ・チェリンでーす!この中ではたぶん、マンネの24歳です!私はインフルエンサーとして、ファッションや美容についてsnsで発信しています!美容とファッションならなんでも聞いてくださーい!」

華やかで明るい雰囲気の彼女に、また空気が和んだ。



次にスッと立ち上がったのは、ナム・ジウォン。

JW「ナム・ジウォン、30です。法律関係の仕事をしています。」

落ち着いた声と知的な雰囲気。

SG「弁護士さんですか?」
JW「はい。よろしくお願いします。」

彼女の落ち着いた知的な雰囲気は、どこか大人の女性の余裕が感じられた。



最後にゆっくり立ち上がったのはチアキ。

全員の視線がチアキに集まり、彼女は少し姿勢を正した。

自然に髪を耳へかける。
その仕草が、仕事で身についた丁寧さを感じさせた。

「こんにちは。」

ゆっくりとした韓国語で話し始める。

「山内 チアキです。26歳です。日本から来ました。」

少しだけ緊張した笑顔。

「仕事は、国際線の客室乗務員をしています。韓国語はまだ勉強中なので、間違えることもあると思います。でも、3ヶ月間皆さんと楽しく生活できるように、頑張ります。よろしくお願いします。」

そう言って丁寧に頭を下げる。

SY「さっきスングァンさんも言ってたけど韓国語上手ですよ!」

ソヨンがすぐ言った。
ソヨンに続くようにスングァンも、僕より上手ですから自信持って下さい!と声をかける。

「ふふっ、ありがとうございます。」

チアキは嬉しそうに笑った。

HS「チアキさんは日本のどこに住んでいるんですか?」

「今は千葉です。空港に近いので。」

SG「ディズニーランドがある場所ですね!」
「そうです。詳しいですね!でも休みの日は、静かな場所に行くのが好きです。」
HS「え!?意外です!」
「よく言われます。」

短い会話。ただ、それだけ。

この時点で、誰かが特別に惹かれたわけではない。



ミンギュは、

話しやすい人

と思った。



ジョンハンは、

周囲をよく見ている人

と思った。



ウォヌは、

質問されたことより、相手の反応を見ている人

と思った。



スンチョルは、

緊張しているのに周りを気遣える人

と思った。



スニョンは、

照れたように笑う人

と思った。



スングァンは、

会話を広げてくれる人

と思った。



誰も恋ではない。
まだ。



【Interview ー チアキ】

「最初は本当に緊張していました。」

「みんな韓国の方で、私だけ日本人だったので…。」

少しだけ微笑み俯く。

「でも、皆さん優しく話しかけてくれたので、安心しました。」

その言葉にスタッフも安心する。

ST「誰か印象に残った人はいましたか?」

スタッフの問いには少し考える。

「んー、……全員です。まだ誰か一人というよ、これからこの11人で一緒に生活するんだな、という印象です。」

その答えを聞いて、スタッフはメモを取った。



【STAFF NOTE】

初日のチアキの印象。

「優しい」

「礼儀正しい」

「話しやすい」

多くのスタッフが同じ言葉を書いた。

しかし、この時点ではまだ誰も気付いていなかった。

彼女の魅力は、会話の中ではなく、誰も見ていない瞬間に現れることを…。



夜。

11人は初めて同じテーブルを囲む。

最初の共同夕食。

そして、初めてそれぞれの本当の性格が見え始める。




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