ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode41

『近づきすぎた距離』

― 一緒にいることが当たり前になるほど、気持ちは隠しにくくなる。―

Day:Saturday(共同生活41日目)



Scene4

『思い出の一枚』

Saturday|17:30 PM



404 HOUSE。



夕方。



それぞれのグループが、

笑顔とたくさんの写真を持って帰ってきた。



玄関には、

「ただいま。」



「おかえり!」



という声が何度も重なる。



疲れているはずなのに、

みんなの表情はどこか明るかった。



写真を見返す前から、

今日の時間がそれぞれの中で少し特別なものになっているのが伝わってくる。



Living Room



テーブルの上には、

スマホが並ぶ。



スングァンがテレビに接続する。



「よし!」



「上映会スタート!」



拍手が起こる。



「音、ちゃんと出る?」



ユナがソファから身を乗り出す。



「出る出る。」



スングァンがリモコンを掲げる。



「今日は俺が司会だから。」



「え、勝手に決めたの?」



チェリンが笑う。



「異議あり。」



「じゃあ共同司会で。」



スングァンが即答すると、

リビングにまた笑いが広がる。



「まずはAグループ!」



テレビいっぱいに、

南山タワーから見たソウルの景色が映る。



夕暮れの街。



展望台で笑う三人。



チェリンが笑う。



「景色すごかった!」



ユナも頷く。



「風は強かったけどね。」



「髪、何回も持っていかれた。」



「でも、その分気持ちよかった。」



チェリンがそう言うと、

ユナも「たしかに」と笑う。



「写真撮るとき、みんなで同じ方向向くの難しくなかった?」



ソヨンが画面を見ながら尋ねる。



チェリンがすぐに答える。



「難しかった!」



「スングァンがずっと動くから。」



「え、俺のせい?」



スングァンが声を上げる。



「だって一番盛り上げてたの俺だし。」



「盛り上げるのと、写真をぶらさないのは別。」



ユナの冷静な一言に、

また笑いが起こる。



写真の中の笑顔を見ていると、

ただ景色を見に行っただけじゃなく、

一緒に同じ空気を感じた時間だったのだと分かる。



次の写真。



スングァンの変顔。



一瞬、

リビングが静かになる。



そして。



「何その顔!」



「ひどい(笑)」



「これ保存!」



笑い声が一斉に広がる。



スングァンは抗議する。



「待って!」



「その写真消して!」



チェリンは首を振る。



「無理。」



「永久保存(笑)」



ユナもスマホを構える真似をして、

「家宝にしよう」と追い打ちをかける。



「ちょっと待って、今の流れで俺だけ損してない?」



スングァンが両手を広げる。



「いや、かなり得してるよ。」



チェリンが笑いながら言う。



「みんなの記憶に残るんだから。」



「それは嫌だ!」



スングァンは両手で顔を覆いながら、

「もう見ないで!」と叫ぶ。



それでも、

誰も本気では止めない。



そのやり取りさえ、

どこか温かかった。



笑われることすら、

もう気を許している証みたいで、

写真の一枚一枚が、三人の距離を少しずつ近づけていた。



Cグループ



画面が切り替わる。



古本屋。



ギャラリー。



静かな街並み。



ジョンハンが笑う。



「写真少ない。」



ウォヌも少し笑う。



「景色見てたから。」



「でも、ちゃんと撮ってるじゃん。」



ジウォンがそう言って、

一枚ずつ丁寧にめくるように写真を映す。



本棚の前で、

三人が自然に笑っている写真。



「これ好き。」



ソヨンが小さく呟く。



「なんか空気が伝わる。」



「この写真、誰が撮ったの?」



チェリンが尋ねると、

ジョンハンが少し得意そうに胸を張る。



「俺。」



「意外と上手いじゃん。」



スングァンが感心したように言う。



ジョンハンが肩をすくめる。



「被写体がいいから。」



「はいはい。」



ウォヌが苦笑しながら受け流す。



ジョンハンが少し照れたように笑う。



「静かだったけど、居心地よかった。」



ウォヌも頷く。



「話さなくても平気だった。」



「それ、かなり大事だよね。」



ジウォンが微笑む。



「そういう時間って、いいよね。」



その一言に、

二人も静かに頷いた。



写真を見ているうちに、

言葉が少なくても通じ合える関係になっていたことが、

改めて胸に残る。





Dグループ



市場。



食べ物。



屋台。



そして。



口いっぱいにホットクを頬張るスニョン。



「ちょっと!」



スニョンが笑う。



「いつ撮ったの!」



ソヨンが笑いながら答える。



「気づいてなかった?」



「完全に油断してたね。」



ジウォンも肩を揺らして笑う。



「しかも、めっちゃ幸せそうな顔してる。」



「それは否定できない。」



スニョンが口を押さえながら、

「せめて食べ終わってから撮ってよ」とぼやく。



「でも、あの瞬間が一番おいしそうだった。」



ソヨンがさらっと言う。



「そうそう、食べる前に“ちょっと待って”って言ったのに、もう食べてたし。」



「だって熱かったんだもん。」



スニョンの言い訳に、

また笑いが広がる。



それでも、

写真の中の自分を見て、

最後には一緒に笑ってしまう。



食べ物の写真なのに、

そこに映っているのは、

もう遠慮のない空気と、

自然に混ざり合う三人の関係だった。





Bグループ



最後はソンス。



カフェ。



街並み。



三人で歩く後ろ姿。



「おしゃれ。」



ユナが思わず声を漏らす。



チアキが少し照れながら笑う。



「街が本当に素敵だった。」



「それに、歩いてるだけで絵になる。」



ユナがそう言うと、

スンチョルが「言いすぎ」と笑う。



「いや、ほんとに。」



ミンギュが画面を覗き込みながら言う。



「この後ろ姿、雑誌みたい。」



「それは褒めすぎ。」



チアキが笑う。



写真が切り替わる。



ショーケースの前で、

真剣にケーキを選ぶチアキ。



腕を組み、

眉を寄せ、

本気で悩んでいる。



「これ何分悩んでた?」



スンチョルが笑う。



「五分以上。」



「もっとかも。」



ミンギュも笑う。



「店員さんも一緒に待ってくれてた(笑)」



「そんなに?」



チアキが目を丸くする。



「だって決められなかったんだもん。」



「結局、最後は“全部おいしそう”って言ってたよね。」



スンチョルが思い出したように言う。



「言った。」



チアキが素直にうなずく。



自然に出たタメ口。



一瞬だけ、

自分でも気づく。



「あ……。」



少し照れたように笑う。



「決められなかったんです。」



言い直す。



ミンギュは何も言わず、

小さく笑うだけだった。



スンチョルも自然に頷く。



「でも、あの迷い方はちょっと可愛かった。」



「ちょっとだけね。」



ユナがすぐに乗る。



そのまま話は続いていく。



誰ももう、

その変化を特別には扱わなかった。



それが、

今の404 HOUSEだった。



写真の中で交わされる何気ないやり取りが、

もう「気を遣う関係」ではなく、

自然に隣にいられる関係へ変わっていることを静かに教えてくれる。



次の写真。



テラス席。



三人でケーキを分け合っている。



「ひと口ちょうだい。」



「じゃあ、そっちも。」



そんなやり取りまで聞こえてきそうな一枚に、

ジョンハンが目を細める。



「この写真いいね。」



「自然。」



ウォヌも頷く。



「みんな普通に笑ってる。」



チアキも画面を見ながら、

「こういうの、あとで見返したくなる」と小さく言う。



その言葉に、

誰もが少しだけ黙る。



写真はただの記録じゃない。



今日の空気も、

隣にいる安心感も、

少しずつ深まっていく関係も、

全部そこに残っている気がした。





集合写真



最後に映ったのは、

各グループが撮った一枚ずつ。



そして、

スタッフが撮影していた、

出発前の11人の集合写真。



笑顔。



自然な距離。



肩が触れるくらい近くに立つ人。



誰も、

最初の頃のぎこちなさは残っていない。



スングァンが静かに言う。



「最初の写真と全然違うね。」



チェリンも頷く。



「本当に。」



「距離が近い。」



スニョンが笑う。



「誰も緊張してない。」



チアキも写真を見る。



41日前。



あの日は、

誰の隣に立てばいいのかも分からなかった。



でも今は。



隣に誰がいても、

自然に笑える。



そのことが、

少しだけ嬉しかった。



ミンギュも、

画面の中の11人を見る。



誰かを見ようとしていたはずなのに、

気づけば、

11人全員が写る写真を見て笑っていた。



この時間そのものが、

大切な思い出になっている。



写真を通して、

ただ一緒に過ごしただけではなく、

互いの表情や癖や距離感まで知っていったことが分かる。



気づかないうちに、

11人の関係は少しずつ深く、やわらかくなっていた。



そう思えた。



【STAFF NOTE】

一枚の写真には、

その瞬間の空気まで映る。



どれだけ笑ったか。



どれだけ安心していたか。



言葉では残らない時間も、

写真は静かに覚えている。



41日目。



11人が残した思い出は、

写真以上に、

それぞれの心の中へ刻まれていた。



そしてその写真は、

ただの記録ではなく、

11人が少しずつ本当の意味で近づいていった証にもなっていた。



次回 Scene5

『夜のリビング』

写真を見終えた夜。



最初の日を振り返りながら、

今だから言える本音が、

少しずつこぼれていく。




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