ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode6

『雨の日の404 HOUSE』

― 誰にも見せなかった弱さ ―



Scene1

『雨の朝』



共同生活6日目。

午前8時15分。



ザーッ——。



大粒の雨が404 HOUSEの大きな窓を叩いていた。

遠くで雷が鳴り、庭は白く煙るほどの雨。



予定されていた外ロケは中止。

朝一番にスタッフからアナウンスが入る。



「本日の撮影は、404 HOUSE内で行います。」



「外出の予定はありません。」



「やった!」

スニョンがソファへ倒れ込む。



「今日は完全オフ気分!」



「いや、カメラは回ってるからね。」

スングァンが笑う。



「それ、オフじゃない。」



リビングに笑いが広がる。



いつもより遅い朝



外出がないせいか、

いつもより起きてくる時間もばらばらだった。



午前8時30分



最初にリビングへ現れたのは、

スンチョル。



グレーのスウェットに黒いTシャツ。

髪もまだ軽く寝癖が残っている。



「おはよう。」



誰もいないリビングに小さく挨拶すると、

窓の外を見て苦笑した。



「これは無理だな。」



コーヒーメーカーのスイッチを入れ、

自然とゴミをまとめ始める。



誰も頼んでいない。

でも、

もうそれがスンチョルの朝のルーティンになっていた。



午前8時45分



パタパタと軽い足音。



「おはよー!」



スニョンが明るく現れる。



ゆるいパーカーにスウェットパンツ。

髪は寝癖のまま。



「わっ。」



「外すごい。」



窓へ駆け寄る。



「今日は踊れないなぁ。」



「家の中でも踊るだろ。」

スンチョルが笑う。



「バレた?」



二人で笑う。



午前9時



ジョンハンが静かにキッチンへ入る。



「おはよう。」



「よく眠れた?」



スンチョルへ自然に尋ねる。



「まあまあ。」



「スニョンは?」



「めっちゃ寝た!」



「それならよかった。」



ジョンハンは笑いながら、

人数分のマグカップを棚から出した。



誰かが起きたらすぐ使えるように。



そんな小さな気遣いも、

もう自然だった。



午前9時15分



ミンギュが眠そうに目をこすりながら現れる。



ネイビーのスウェット姿。



「おはよう。」



「今日は寝すぎた。」



「珍しい。」

ジョンハンが笑う。



「雨の日って起きられない。」



そう言いながら冷蔵庫を開ける。



「朝ごはん作る?」



「パンあるよ。」



「じゃあスクランブルエッグ作る。」



午前9時25分



「おはようございまーす。」



スングァンが大きく伸びをしながら登場。



「今日の寝癖選手権なら俺優勝。」



「いや、俺だ。」

スニョンが笑う。



「鏡見てきな。」



朝から笑いが絶えない。



女性メンバー



ソヨンは淡い水色の部屋着で、

眠そうに目をこすりながらリビングへ。



「いい匂い……。」



「朝ごはん?」



「もうすぐ。」

ミンギュがフライパンを振る。



チェリンはオーバーサイズの白いTシャツ姿で、

髪をラフなお団子にまとめている。



「今日メイクしなくていいの最高。」



「チェリンもそんなこと思うんだ。」

ユナが笑う。



「もちろん。」



「毎日は疲れるよ。」



ユナも今日はシンプルなルームウェア。

いつものきっちりした雰囲気とは違い、

どこか柔らかい印象だった。



午前9時40分



最後に、

チアキが部屋から出てくる。



柔らかなアイボリーのニットに、

ゆったりしたグレーのロングパンツ。



長いアッシュブラウンのくせ毛は、

今日はきれいにまとめず、

自然に下ろしたまま。

ゆるやかなウェーブが肩から背中に流れている。



その姿を見たチェリンが思わず声を上げる。



「チアキちゃん!」



「髪下ろしてるの初めて見た!」



チアキは少し照れながら笑う。



「あ……。」



「今日は仕事じゃないので。」



「めっちゃ雰囲気違う。」

スニョンが目を丸くする。



「なんか新鮮。」



ソヨンも優しく笑う。



「かわいい。」



チアキは少し恥ずかしそうに髪へ触れる。



「ありがとうございます。」



その様子を、

少し離れたキッチンからミンギュが見る。



「……。」



ほんの一瞬だけ、

目が止まる。



「ミンギュ?」



スングァンが肩をつつく。



「卵焦げる。」



「あっ。」



慌ててフライパンへ戻る。



誰も気付かなかった。



ただ一人。



ウォヌだけは、

その短い視線の動きを静かに見ていた。



朝食



焼きたてのトースト。

スクランブルエッグ。

サラダ。

フルーツ。



「いただきます。」



今日は誰が作ると決めたわけでもない。



自然に動き、

自然に手伝い、

自然に席へ着く。



共同生活が始まってまだ6日。



それでも、

この光景にはもう”ぎこちなさ”がなかった。



【STAFF NOTE】

雨は予定を変えた。



しかし、

その代わりに映し出したものがある。



飾らない寝癖。

部屋着。

眠そうな顔。

何気ない朝食。



そして、

仕事では見せない、

素の笑顔。



この日から404 HOUSEは、

“撮影される場所”ではなく、

少しずつ”帰ってくる場所”へ変わり始めていた。



午後になると、

退屈したスニョンが立ち上がる。



「ねぇ!」



「このままじゃ暇すぎる!」



その一言から、

雨の日だけの特別な一日が始まる。



Episode6 Scene2

『暇な午後』




ノベルに戻る I Addict