ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode42

『言葉より近く』

― 言葉にしなくても伝わるものがある。―

Day:Sunday(共同生活42日目)



Scene4

📖『404 Diary』

Sunday|22:00 PM



404 HOUSE。



夜。



夕食を終えたリビング。



片付けも終わり、

家の中は少しずつ静かになっていく。



その時。



スマートフォンに、

スタッフから通知が届く。



📖 404 Diary



第9回テーマ。



『最近、一番安心した瞬間』



リビングの空気が少しだけ変わる。



誰も大きな声は出さない。



それぞれが、

静かに自分の部屋へ向かっていく。



ペンを持つ前に、

自然と誰かの顔が浮かんでいた。



ミンギュ



部屋の机。



白いDiaryを開く。



「安心した瞬間。」



その言葉を見つめたまま、

しばらく動かない。



思い浮かんだのは、

昨日でも、

一週間前でもない。



今日の夕方。



キッチン。



「これ切っとくね。」



そう自然に言ったチアキの声。



そのあと、

照れながら笑って、

「うん。やっと慣れた。」

と言った笑顔。



あの瞬間、

胸の奥がふっと軽くなった。



敬語が減ったことが嬉しかったのか。



心を開いてくれた気がしたのか。



自分でも、

理由はまだうまく説明できない。



ペンを持つ。



ゆっくり書く。



『自然に笑ってくれた時。』



それだけ。



でも、

その一文には、

今日一日の気持ちが全部詰まっていた。



チアキ



部屋。



ベッドの上に座る。



Diaryを開く。



今日一番安心した瞬間。



頭の中には、

いくつもの場面が浮かぶ。



「おかえり。」



「また迷子にならないでね。」



「今日は楽しもう。」



どれも、

自然に交わされた言葉。



少し考える。



そして、

ふっと笑う。



今日、

キッチンで交わした会話を思い出す。



「敬語、減ったね。」



「うん。やっと慣れた。」



あんなふうに、

肩の力を抜いて話せた自分に、

少し驚いていた。



この家では、

無理に頑張らなくてもいい。



そんな気持ちが、

少しずつ当たり前になってきた。



ペンを走らせる。



『そのままでいいって思えた時。』



書き終えたあと、

小さく息を吐く。



少しだけ、

胸が軽くなっていた。



ウォヌ



静かな部屋。



本を閉じ、

Diaryを開く。



安心した瞬間。



今日、

公園で過ごした時間を思い返す。



言葉は少なかった。



でも、

沈黙は苦しくなかった。



昔は、

静かな時間ほど距離を感じていた。



今は違う。



何も話さなくても、

隣にいられる人がいる。



それだけで、

十分だった。



ウォヌは静かに書く。



『何も話さなくても落ち着ける時間。』



スングァン



写真フォルダを見返している。



今日撮った写真。



笑っているみんな。



その中で、

一枚だけ指が止まる。



料理中、

笑っているチアキとミンギュ。



その空気が、

なんだか温かかった。



スングァンは笑いながら書く。



『みんなが笑ってる時。』



それぞれの部屋



スンチョル。



ジョンハン。



スニョン。



ソヨン。



ユナ。



チェリン。



ジウォン。



それぞれが、

違う言葉を書いていた。



でも。



共通していたものがある。



安心とは、

特別な出来事ではなかった。



誰かが笑ってくれたこと。



「おかえり」と言ってくれたこと。



隣に座っていたこと。



何気ない一日。



その中に、

一番大切な瞬間があった。



23:00 PM



Diaryを書き終える。



封筒へ入れる。



名前は書かない。



誰に届くかも分からない。



それでも、

誰かを思い浮かべながら書いた言葉は、

少しだけ、

昨日より長くなっていた。



【STAFF NOTE】

安心とは、

守られることだけではない。



「この人の前なら、

そのままの自分でいられる。」



そう思えた瞬間、

人との距離はまた少し近づいていく。



共同生活42日目。



11人はまだ、

その気持ちを恋とは呼ばない。



でも、

心は確かに、

誰かの存在に安心を見つけ始めていた。



次回 Scene5

『眠る前』

それぞれの部屋。



Diaryを書き終えたあと。



誰かが返事を読み返す。



送り主は分からない。



でも、

その言葉は確かに心に残っていた。




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