ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode7

『404 HOUSE、初めての休日』

― 家の外で見える、新しい一面 ―



Sunday

共同生活 7日目



Scene6

『帰り道』



午後4時18分。

休日を満喫した11人を乗せた大型バンが、404 HOUSEへ向けて走り出す。

朝とは違い、車内はとても静かだった。

たくさん歩き、たくさん笑い、心地よい疲れが全員を包んでいる。



「今日は歩いたなぁ……。」

スニョンがシートに体を預ける。



「歩数見て。」

スングァンがスマホを見せる。



「一万六千歩。」



「嘘。」



「本当!」



「だから足痛いのか。」

スンチョルが笑う。



「明日は筋肉痛だね。」

ジョンハンが穏やかに言う。



「スニョンだけ元気そう。」

チェリンが苦笑する。



「まだ走れる。」



「やめて。」

全員が笑った。



しばらくは今日撮った写真を見せ合っていたが、

次第に会話も少なくなっていく。



窓の外には、夕暮れのソウル。

オレンジ色の光が車内へ差し込む。



車内

朝と同じ席。

偶然隣になった、

チアキとミンギュ。



チアキはスマホで今日撮った写真を眺めていた。



花畑。

ソヨンの笑顔。

スニョンが走る後ろ姿。

全員で撮った集合写真。



そして、

自分が写っている写真。



「……。」



思わず小さく微笑む。



(ちゃんと写ってる。)



今までなら、

誰かを撮るだけで終わっていた休日。



今日は違った。



写真の中には、

自分もいた。



そのままスマホを胸に抱え、

窓へ寄りかかる。



疲れが一気に押し寄せる。



ゆっくりと瞼が閉じていった。



数分後。



車が緩やかなカーブを曲がる。



コトン……



眠ったチアキの頭が、

窓ガラスの方へ傾く。



「……。」



ミンギュが横を見る。



(当たりそう。)



声を掛けようとして、

やめた。



せっかく気持ちよさそうに眠っている。

起こしたくなかった。



ミンギュは足元に置いていた

小さなネックピローを静かに手に取る。



できるだけ音を立てないように。



ゆっくりと、

チアキと窓の間へ挟んだ。



次のカーブ。



チアキの頭は、

柔らかいクッションへそっと預けられる。



窓にぶつかることはなかった。



「……。」



ミンギュは何事もなかったように、

前を向く。



その一部始終を、

通路側の固定カメラが静かに映していた。



数列前。



ウォヌは窓に映る景色を眺めていた。



ふと、

ガラス越しに後方が映る。



ミンギュの小さな動き。



眠るチアキ。



ウォヌは一瞬だけ視線を向ける。



何も言わない。



ただ、

少しだけ目を細めた。



一時間後



車内はさらに静かになっていた。



ソヨンも眠り、

チェリンは音楽を聴きながらうとうとしている。



スングァンは完全に寝息を立て、

スニョンも珍しく静かだった。



ジョンハンはその様子を見渡し、

小さく笑う。



「みんな、本当に疲れたんだね。」



スンチョルも後ろを振り返る。



「休日らしい休日だったな。」



「うん。」

ジョンハンは頷く。



「家の中では見えない表情がたくさん見られた。」



「そうだな。」



その会話を聞きながら、

ウォヌは窓の外へ目を向ける。



今日という一日を思い返していた。



花畑で笑うチアキ。



カメラを構える姿。



全員で囲んだランチ。



そして、

今日初めて見た、

心から安心したような笑顔。



(少し、変わった。)



そう思った。



それはチアキだけではない。



この家にいる全員が、

少しずつ変わり始めている。



午後5時41分

404 HOUSEが見えてくる。



「着いたよ。」

スタッフの声に、

眠っていたメンバーが少しずつ目を覚ます。



「もう?」

スングァンが寝ぼけた声を出す。



「早かった。」



チアキもゆっくり目を開ける。



「……あ。」



窓にもたれていたはずの頭が、

柔らかいネックピローに支えられていることに気付く。



「?」



不思議そうに周りを見る。



「どうした?」

ソヨンが尋ねる。



「いえ……。」



「何でもないです。」



誰が置いてくれたのか。



分からなかった。



ミンギュは何も言わず、

先に車を降りる。



「荷物持つよ。」



「ありがとうございます。」



チアキも笑顔で続く。



ネックピローは、

静かに元の席へ戻されていた。



その理由を知っているのは、

車内の固定カメラと、

ミンギュ本人だけ。



そして、

後方の窓ガラス越しにその瞬間を見ていたウォヌだけだった。



【STAFF NOTE】

Sunday|共同生活7日目

ミンギュはチアキを起こさなかった。

代わりに、眠りを邪魔しない方法を選んだ。

それは大きな出来事ではない。

本人も「当たり前のことをしただけ」と答えるだろう。

しかし、恋愛リアリティ番組では、こうした”無意識の気遣い”こそが、後から見返した時に意味を持つことがある。

この日、チアキは最後まで、その優しさに気付かなかった。



Episode7 Scene7

【Interview】

休日を終えた参加者たち。

「普通の休日」が、それぞれの心に残したものを語り始める。




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