Episode8

『それぞれの日常』

Scene6

『夜ごはん』

Monday|08:35 PM

404 HOUSE。

11人全員が揃う夜は、まだ少ない。

仕事の時間。

帰宅時間。

それぞれの生活リズム。

8日目の今は、

「みんなで食べる」

というより、

「帰ってきた人が、その時いる人と食べる」

そんな自然な形になっていた。



Kitchen

冷蔵庫を開ける音。

食器を出す音。

チアキがキッチンに立っていた。

仕事帰りのままではなく、部屋着に着替えた姿。

簡単な夕食を準備している。

そこへ、

「手伝う。」

声をかけたのはミンギュだった。

「大丈夫だよ。」

「でも、二人分じゃないでしょ?」

ミンギュが冷蔵庫を見る。

「……野菜切る。」

「じゃあお願い。」

自然な役割分担。

まだお互いを深く知らない。

でも、

一緒に暮らす中で、

少しずつ相手の動きが分かるようになっていた。



テーブルに並ぶ料理。

「いただきます。」

二人だけの食事。

静かな時間。

でも気まずさはなかった。



「仕事、大変だった?」

チアキが聞く。

ミンギュは少し驚いた顔をする。

「分かる?」

「顔が少し疲れてる。」

「……そんなに出てた?」

「少しだけ。」

ミンギュは笑う。

「チアキって、よく見てるよね。」

「そうかな?」

「うん。」

少し間。

「でも、嫌じゃない。」



【Interview】

ミンギュ

「最初は、チアキさんは静かな人だと思っていました。」

「でも、一緒にいると……。」

少し考える。

「気付くところが多い人だなって思います。」

「自分が疲れていることも、たぶん本人より先に気付いている。」



Living Room

別の場所では、

ウォヌとジョンハンが夕食を食べていた。

二人とも静かなタイプ。

会話が多いわけではない。

でも、

沈黙が苦痛ではない組み合わせだった。



「今日、仕事どうでした?」

ジョンハンが聞く。

「普通。」

「普通って一番難しい答えですね。」

ウォヌは少し笑う。

「ジョンハンさんは?」

「僕も普通です。」

「……同じですね。」

短い会話。

でも、

二人の間には少しずつ安心できる空気ができていた。



【Interview】

ウォヌ

「ジョンハンさんとは、静かな時間が苦じゃないです。」

「何か話さなきゃと思わなくてもいい感じがします。」



Dining Room

女性メンバーは、別のテーブルを囲んでいた。

ユナ。

ジウォン。

ソヨン。

チェリン。

仕事終わりの4人。

話題は恋愛ではなく、

今日あった出来事。

仕事の愚痴。

韓国での生活。

そして404 HOUSEについて。



「最初より慣れた?」

チェリンが聞く。

「まだ緊張する。」

ジウォンが答える。

「でも……思ったより普通。」

ユナが笑う。

「普通って大事じゃない?」

ソヨンが言う。

「最初は全員、良く見せようとしてた気がする。」

少し静かになる。

「今は疲れてる姿も見えるから。」



チアキの話になる。

「チアキってすごいよね。」

チェリンが言う。

「何が?」

「海外で働いてるのに、全然強そうに見せないところ。」

ソヨンが頷く。

「優しい人だよね。」



【Interview】

チェリン

「チアキさんは、最初ちょっと距離がある人なのかなって思いました。」

「でも違いました。」

「自分から目立とうとはしないけど、誰かが困っている時には必ずいる感じ。」



09:40 PM

少しずつ食事が終わる。

食器を洗う人。

お茶を飲む人。

部屋へ戻る人。

それぞれ違う夜。



8日目。

まだ誰も、

「特別な相手」

なんて言葉は使わない。

でも、

誰と食べるか。

誰の隣に座るか。

誰の帰宅を少し待っているか。

小さな選択には、

少しずつ気持ちが表れ始めていた。



STAFF NOTE

共同生活8日目。

恋愛感情と呼ぶには、まだ早い。

しかし、

「この人とは話しやすい」

「この人がいると安心する」

という感覚は、

すでに生まれ始めている。

人を好きになる前には、

必ず誰かを知りたいと思う瞬間がある。

404 HOUSEでは、

その最初の変化が始まっていた。



次回 Scene7

『404 Diaryの返事』

夜22:00。

匿名の言葉が、再び誰かへ届く。

送り主は知られない。

でも、

返事を読む瞬間だけ。

誰かの存在が少し近く感じる。




ノベルに戻る I Addict