ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode10

『言葉にできない距離』

― 名前のない気持ちが、少しずつ形になる ―



Scene1

『404 HOUSEの朝』

Wednesday|08:00 AM

共同生活10日目



404 HOUSE。

朝。



いつもと同じように見える朝。



キッチン。

コーヒーを淹れる音。

食器を出す音。

階段を降りる足音。



でも、

少しだけ空気が違っていた。



10日前。

この家に集まった11人は、

お互いの名前すら知らなかった。



今は違う。



「おはようございます。」

「おはよう。」



自然に挨拶が出る。



昨日まで知らなかった相手の一面を知り、

少しだけ見方が変わった朝。



Kitchen

チアキが朝食の準備をしている。



そこへ、

ミンギュが入ってくる。



「チアキちゃん、おはよう。」



「おはようございます。」



「今日も早いですね。」



「習慣なので。」



ミンギュは少し笑う。



「昨日もフライトだったのに。」



「大丈夫です。」



いつもの言葉。



でも、

昨日の会話を思い出す。



“たまには大丈夫じゃないって言ってもいいと思います。”



ミンギュは少しだけ笑う。



「……また言いましたね。」



「え?」



「大丈夫って。」



チアキが少し驚く。



そして、

小さく笑う。



「癖みたいです。」



「ですよね。」



二人の間に、

小さな笑いが生まれる。



まだ特別な関係ではない。



でも、

昨日までならなかった会話だった。





Living Room

スングァンが入ってくる。



「おはようございます!」



いつもの明るい声。



「今日も元気ですね。」

ウォヌが言う。



「え?」



「昨日より。」



一瞬。

スングァンが止まる。



「……昨日、そんなに分かりました?」



ウォヌは少し考える。



「少し。」



「ウォヌさん、意外と見てますね。」



「見ています。」



「え、普通に認めるんですね。」



スングァンが笑う。



でも、

その表情は少し嬉しそうだった。



自分が明るい人としてだけではなく、

ちゃんと見られている気がした。





【Interview】

スングァン

「ウォヌさんって静かじゃないですか。」



「だから最初は、あまり僕のこと見てないのかなと思っていました。」



少し笑う。



「でも違いました。」



「静かな人って、意外と全部見ていますね。」





Dining Room

女性メンバーも朝食。



ユナはコーヒーを飲みながら仕事の確認。



ジウォンは予定表を見る。



チェリンは眠そうに髪をまとめる。



ソヨンは全員分のカップを自然に出している。



「ソヨンさん。」



チアキが声をかける。



「いつもありがとうございます。」



「え?」



「みんなが使いやすいようにしてくれているので。」



ソヨンは少し驚く。



「そんなところ見てたんですか?」



「はい。」



「チアキちゃんも、よく見ていますね。」





お互い、

似た部分に気付く。





08:50 AM

出発の時間。



玄関。



「行ってきます。」



「行ってらっしゃい。」



昨日までは、

ただの挨拶だった。



でも今は、

少しだけ違う。



今日も無事に帰ってきてほしい。



そんな小さな気持ちが混ざっている。



【STAFF NOTE】

共同生活10日目。

恋愛禁止というルールの中で、

11人が築いているもの。



それは、

まだ恋ではない。



でも、

誰かの小さな変化に気付くこと。

誰かの頑張りを知ること。

誰かの帰りを少し待つこと。



感情には、

名前がつく前の時間がある。



404 HOUSEでは、

その時間が少しずつ長くなっていた。



次回 Scene2

『それぞれの時間』

Wednesday|Daytime



誰かといる時間だけが、その人の全てではない。



一人の時。

友達といる時。

仕事をしていない時。



そこに見える、

本当の姿。




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