ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode10

『言葉にできない距離』

― 名前のない気持ちが、少しずつ形になる ―



Scene8

『Diaryが届く夜』

Wednesday|11:15 PM



404 HOUSE。



消灯前。



11人それぞれの部屋。



今日、

誰かへ送った言葉。



その言葉は、

もう相手の元へ届いている。



でも、

送り主はまだ知らない。



相手がどんな顔で読んだのか。



どんな気持ちになったのか。





チアキ

11:20 PM



机の上。



404 Diaryの返事を書くための準備ではなく、

今日届いた言葉を読み返していた。



自分が送った言葉。



そして、

相手から返ってくるであろう返事を待つ時間。





「不思議ですね。」



誰に言うでもなく呟く。



名前がなくても、

誰かの気持ちは伝わる。





ミンギュ



Diaryを閉じる。



今日のミッション。



チアキとの会話。



「たまには甘えてもいいと思います。」



自分が言った言葉を思い出す。



でも、

本当は自分にも必要な言葉だった。





【Interview】

ミンギュ

「Diaryって面白いですね。」



「直接言うより、少し勇気が出る気がします。」





「顔を見たら言えないこともあるので。」





スングァン



ベッドに座る。



今日、

チアキに言われたことを思い出す。



「明るくしなくても、一緒にいて楽しい人だと思います。」





その言葉。



何度も思い出してしまう。





「……。」



少し笑う。





【Interview】

スングァン

「嬉しかったです。」



「でも、少し恥ずかしかったです。」





「普段は笑わせる側なので。」



「自分がそういう言葉をもらうことに慣れていないのかもしれません。」





ジョンハン



机の前。



Diaryを見つめる。





人の相談を聞く仕事。



相手の気持ちを言葉にする仕事。



でも、

自分の気持ちを書くのは難しい。





何度もペンを止める。





ウォヌ



短い文章。



何度も読み返す。





「これで伝わるかな。」



小さく呟く。





言葉が少ない分。



一つ一つを大切にする。





女性メンバー



それぞれの部屋。



ユナは、

普段なら見せない弱さを少しだけ書く。



ジウォンは、

信頼について考える。



ソヨンは、

誰かに感謝される嬉しさを思い出す。



チェリンは、

本当の自分について考える。





【STAFF NOTE】

Wednesday|11:55 PM



404 Diary。



まだ、

「好き」という言葉はない。



告白でもない。





ただ、

今日感じたこと。



今日言えなかったこと。



今日知った相手の一面。





それを、

一枚の紙に残す。





人との距離は、

大きな出来事で縮まるとは限らない。





何気ない一言。



気付いてくれた瞬間。



覚えていてくれたこと。





そういう小さな積み重ねで、

少しずつ変わっていく。





そして翌日。



送り主の元へ、

返事が届く。



その返事を読んだ時、

また新しい感情が生まれる。



次回 Scene9

【UNSEEN】

Wednesday|深夜



放送では流れなかった時間。



いつもの明るい表情ではなく、

真剣な顔でDiaryを書くメンバーたち。



そしてスタッフだけが気付いた、

小さな変化。



「一番笑っている人ほど、

一番言えないことを抱えているのかもしれない。」




ノベルに戻る I Addict