ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode10
『言葉にできない距離』
― 名前のない気持ちが、少しずつ形になる ―
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Scene9
【UNSEEN】
『笑顔の奥にあるもの』
Wednesday|11:50 PM
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放送では流れなかった夜。
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404 HOUSE。
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全員が自室に戻った後。
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静かな家。
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でも、
カメラはまだ回っている。
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スタッフだけが知る、
11人の本当の表情。
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UNSEEN @
スングァン
11:55 PM
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リビング。
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一人で水を飲みに来たスングァン。
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昼間なら、
誰かに話しかける。
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何か面白いことを言う。
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いつものスングァン。
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でも、
誰もいないリビングでは違った。
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ソファに座る。
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少しだけ疲れた顔。
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スマホを見る。
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今日撮った写真。
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11人で食卓を囲んだ写真。
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「……。」
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小さく笑う。
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最初は、
知らない人たちだった。
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でも今は、
帰ってくる場所に感じる。
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その時。
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ミンギュがリビングに来る。
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「まだ寝てなかったんですか?」
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「ミンギュさんこそ。」
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二人で笑う。
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「今日、楽しかったですね。」
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ミンギュが言う。
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「はい。」
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スングァンは少し考える。
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「なんか……。」
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「この家、思ったよりいいですね。」
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ミンギュは頷く。
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「分かります。」
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短い会話。
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でも、
二人とも同じことを感じていた。
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【STAFF NOTE】
明るい人ほど、
周りがいる時は笑顔を作る。
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でも、
一人になった瞬間。
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その人が本当に大切にしているものが見える。
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UNSEEN A
チアキ
Thursday|12:10 AM
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自室。
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Diaryを書き終えたチアキ。
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ベッドに座る。
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今日一日を振り返る。
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ミッション。
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スングァンとの会話。
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みんなとの食事。
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10日前。
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韓国に来たばかりのような気持ちだった。
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知らない人。
知らない場所。
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でも今は。
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「ただいま」
と言える場所になっている。
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チアキは少し笑う。
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「慣れるの、早いな……。」
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でも、
恋愛に関してだけは。
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まだ少し距離がある。
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過去の記憶。
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裏切られた経験。
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誰かを信じる怖さ。
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その扉は、
まだ完全には開いていない。
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【STAFF NOTE】
チアキはまだ、
誰かを恋愛対象として見ていない。
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でも、
彼女の周りには、
少しずつ変化が起きている。
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彼女自身は知らない。
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誰かが、
彼女の「自然体」に安心していること。
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誰かが、
彼女の小さな優しさを覚えていること。
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UNSEEN B
ミンギュ
Thursday|12:20 AM
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部屋。
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ベッドに座り、
今日のDiaryを見返す。
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「完璧じゃなくてもいい。」
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その言葉を書き直す。
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ミンギュは、
周りから見れば何でもできる人。
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仕事。
人付き合い。
笑顔。
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でも、
404 HOUSEでは少し違う。
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失敗しても。
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疲れていても。
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そのままでいられる時間がある。
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そして、
そのきっかけになった人。
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チアキ。
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まだ、
それが恋だとは思っていない。
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ただ。
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「一緒にいると楽だな。」
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そう感じている。
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【STAFF NOTE】
共同生活10日目。
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一番笑っている人ほど、
一番言えないことを抱えているのかもしれない。
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スングァン。
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ミンギュ。
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チアキ。
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そして、
404 HOUSEの全員。
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それぞれが、
少しずつ本当の自分を見せ始めている。
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恋は、
突然始まるものではない。
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「この人なら話してもいい。」
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「この人には気付いてほしい。」
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その小さな信頼の先に、
いつか名前のある感情が生まれる。
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Episode10 END
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次回予告
Episode11
『秘密の扉』
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404 HOUSEで、
初めて過去について話す夜。
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誰にも話していなかった経験。
誰にも見せなかった弱さ。
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「あなたが今まで言えなかったことを、
一つだけ話してください。」
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11人の秘密の扉が、
少しずつ開いていく。
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