ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode11

『秘密の扉』

― 知らなかった過去 ―



Scene4

『ウォヌの過去』

Thursday|08:45 PM



SECRET ROOM。



スングァンの話が終わった後。



少しだけ空気が柔らかくなった。



誰かの弱さを聞くことで、

自分の弱さも許されるような時間。





「次、僕が話します。」



静かな声。



全員が顔を上げる。



ウォヌだった。





いつも穏やか。



必要以上に前に出ない。



誰かの話を聞く側にいることが多い。



そんなウォヌが、

自分から話そうとしている。





「僕は……。」



少し間を置く。



「昔から、人との距離を取るタイプでした。」





みんな静かに聞く。





「人が嫌いだったわけじゃありません。」



「むしろ、人のことを気にしすぎる方でした。」





ウォヌは手元を見る。





「相手がどう思うか。」



「迷惑じゃないか。」



「今話しかけてもいいのか。」





「そういうことを考えすぎていました。」





ジョンハンが静かに頷く。



ウォヌらしいと思った。





「だから。」



「好きな人ができても……。」





少し沈黙。





「気持ちを伝える前に諦めていました。」





数人が少し驚いた表情を見せる。





普段、

感情をあまり表に出さないウォヌ。



恋愛でも、

自分から動くことを避けていた。





「相手が困ったら嫌だったんです。」





「僕が好きって言うことで。」



「相手に答えを求めることになる気がして。」





「迷惑をかけるくらいなら。」





「何も言わない方がいいと思っていました。」





静かな声。



でも、

その言葉の奥には長い時間があった。





チアキ



「でも……。」



チアキがゆっくり口を開く。





全員が見る。





「ウォヌさんは。」



「相手のことをすごく大切に考えていたんじゃないですか?」





ウォヌが少し驚く。





「自分の気持ちより、相手の気持ちを先に考えていたから。」





「もちろん、伝えることも大事だと思います。」



「でも。」



少し笑う。



「誰かを傷つけたくないって思えることも、優しさだと思います。」





ウォヌは少し目を伏せる。





「……ありがとうございます。」





短い言葉。



でも、

いつもより少し柔らかい。





ミンギュ



「でも、今は変わりたいと思っているんですよね?」





ウォヌは頷く。





「はい。」





「この家に来て。」



「少し思いました。」





「何も言わないままだと。」



「相手が自分を知る機会もなくなるんだなって。」







【Interview】

ウォヌ

「昔の僕は、傷つくことを避けていました。」



「でも、その代わり。」



「誰かと近づくことも避けていたと思います。」





「失敗しないことより。」



「誰かと向き合うことの方が大事なのかもしれないと思うようになりました。」





SECRET ROOM



スンチョルが静かに言う。



「ウォヌさん。」



「はい。」



「今、ちゃんと話してくれましたね。」





ウォヌは少し笑う。





「そうですね。」





「昔の自分なら、たぶん話していなかったと思います。」





その瞬間。



11人の中で、

また少し距離が変わった。





ウォヌは、

ただ静かな人ではない。





慎重で。



優しくて。



そして、

誰かを大切に思うからこそ、

一歩踏み出せなかった人。





【STAFF NOTE】

SECRET ROOM。



二人目に開いた扉は、

「言葉にしなかった人」の扉だった。





静かな人は、

何も考えていないわけではない。





言わない人は、

何も感じていないわけではない。





時には、

言葉にしない優しさの奥に、

一番強い想いが隠れている。





404 HOUSE。



11人は少しずつ、

相手の表面ではなく、

その人自身を知り始めていた。



次回 Scene5

『スンチョルの過去』



いつも誰かを守る側の人。



でも、

彼にも守れなかったものがあった。



「守るつもりだったけど、相手には一人にされたと思われた。」




ノベルに戻る I Addict