ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode11
『秘密の扉』
― 知らなかった過去 ―
Thursday
テーマ
人は、見えている部分だけでは分からない。
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Scene9
『前日の言葉』
Thursday|11:55 PM
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SECRET ROOMを終え、
404 HOUSEは静かな夜を迎えていた。
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リビングのテーブル。
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スタッフがいつの間にか、
11通の封筒を置いていく。
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白い封筒。
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表には何も書かれていない。
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404 Diary。
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水曜日に送ったDiaryへの返事。
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昨日、自分が言葉を届けた相手からの返事が、
送り主の元へ戻ってきた。
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相手は、
自分が送った相手だと分かっている。
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けれど、
その返事を読む瞬間は、
毎回少しだけ緊張する。
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チアキ
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自室。
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ドアを閉め、
ベッドに腰を下ろす。
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封筒を両手で包むように持ち、
ゆっくりと開いた。
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中には、
見慣れた便箋。
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昨日、自分が届けた言葉。
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その返事が綴られている。
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チアキは静かに読み進める。
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一度読み終える。
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もう一度、
最初から読み返す。
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そして、
ふっと口元が緩んだ。
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「……よかった。」
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その一言だけを小さく漏らし、
便箋を大切そうに封筒へ戻した。
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ミンギュ
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部屋の机。
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封筒を開ける前に、
少し深呼吸をする。
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「どんなふうに受け取ってくれたんだろう。」
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そんなことを考えながら、
便箋を開く。
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返事を読み終えたあと、
自然と笑みがこぼれる。
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「そう思ってくれてたんだ。」
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昨日伝えた言葉が、
ちゃんと届いていたことが嬉しかった。
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スングァン
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「来た!」
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封筒を見つけた瞬間、
思わず声が出る。
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「……いや、落ち着け。」
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自分で自分にツッコミを入れながら、
ベッドへ座る。
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返事を読み始める。
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数秒後。
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「ふふっ。」
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優しく笑う。
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誰にも見せない笑顔。
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「そういうふうに思ってくれてたんだ。」
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照れくさそうに頭を掻き、
封筒を枕元へ置いた。
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ウォヌ
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静かに便箋を開く。
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返事は長くない。
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けれど、
一つ一つの言葉を丁寧に読む。
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読み終えたあとも、
しばらく便箋を閉じなかった。
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「……ありがとう。」
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誰にも聞こえない声。
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その一言だけを残した。
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ソヨン
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返事を読みながら、
少し目を潤ませる。
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自分が伝えたかった気持ち。
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ちゃんと届いていた。
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それだけで十分だった。
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「嬉しいな……。」
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小さく笑い、
便箋を胸に抱えた。
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リビング
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ジョンハンが水を飲みに降りてくる。
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その少し後。
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スンチョルもキッチンへ。
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「まだ起きてたんですね。」
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「少し眠れなくて。」
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お互い、
手には白い封筒。
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目が合う。
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そして、
どちらからともなく笑った。
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「返事、届きました?」
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ジョンハンが聞く。
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「はい。」
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スンチョルも笑う。
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「ちゃんと届いていたみたいです。」
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それ以上、
誰に送ったのかは聞かない。
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404 Diaryには、
そんな暗黙のルールが生まれていた。
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【Interview】
ミンギュ
「返事を読むと。」
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「ちゃんと届いたんだなって安心します。」
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「名前がなくても。」
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「気持ちは届くんですね。」
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【Interview】
チアキ
「返事を読む時間が好きです。」
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「相手が私の言葉を読んで、
考えてくれた時間があったんだなって思えるので。」
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少し微笑む。
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「それだけで嬉しいです。」
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【STAFF NOTE】
404 Diary。
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そこには、
「好き」という言葉はない。
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恋人への手紙でもない。
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けれど。
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「ありがとう。」
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「気付いてくれて嬉しかった。」
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「あなたの言葉に救われました。」
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そんな一文が、
少しずつ心の距離を縮めていく。
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共同生活11日目。
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まだ誰も、
恋をしているとは口にしない。
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それでも。
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誰かから返事が届くことを、
少しだけ楽しみに待つ人が増えていた。
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その小さな期待は、
まだ名前のない感情。
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けれど、
確かに昨日より、
誰かが誰かを大切に思い始めている。
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Episode11 END
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次回予告
Episode12
『心の距離』
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共同生活12日目。
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スタッフから新たなミッションが届く。
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「相手の”当たり前”を、一日だけ自分が代わりにやってみてください。」
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普段は気付かない優しさ。
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誰かの役割。
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誰かの負担。
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その一日が、
11人の距離をさらに近づけていく。
Episode12へ続く。
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