ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode12

『近づくほど、見えなくなるもの』

― 相手の”当たり前”を生きてみる ―

Friday

テーマ

人は、相手の生活を体験して初めて、本当の大変さや優しさに気づく。



Scene2

『新たなミッション』

Friday|06:30 PM



夕暮れ。



一人、また一人と404 HOUSEへ帰ってくる。



「おかえり。」



「ただいま。」



いつものように交わされる挨拶。



リビングには夕食前の穏やかな時間が流れていた。



チアキも制服姿のまま帰宅する。



「ただいま戻りました。」



「おかえり、チアキちゃん。」



ミンギュが自然に笑顔を向ける。



「今日もお疲れさまでした。」



「ありがとうございます。」



チアキも柔らかく笑い返した。



すると。



ダイニングテーブルの中央に置かれた一通の封筒に、

スニョンが気付く。



「あれ?」



「また封筒ありますよ!」



その声に、

全員が自然とリビングへ集まってくる。



スンチョルが封筒を手に取る。



「開けますね。」



中には、

いつものスタッフカード。



スンチョルが読み上げる。



SPECIAL MISSION

『相手の”当たり前”を、一日だけ自分が代わりにやってみてください。』



「おぉ……。」



思わず声が漏れる。



スンチョルは続きを読む。



MISSION RULE



・ペアはスタッフが決定します。



・仕事そのものではなく、

相手が普段何気なく続けている習慣や役割を体験してください。



・相手が普段どんなことを考え、

どんなことを大切にしているのかを知ることが目的です。



・一日の終わりに、

『新しく気づいたこと』を相手へ伝えてください。



読み終えると、

しばらく静けさが流れた。



そして最初に口を開いたのは、

スングァンだった。



「これ、絶対面白いやつじゃないですか!」



「でも大変そうでもありますね。」

とチェリン。



「誰の生活になるかで全然違いそう。」

ジウォンが腕を組む。



ウォヌが静かにカードを見つめる。



「“当たり前”って。」



「自分では気付かないことが多いですよね。」



ジョンハンが頷く。



「だからこそ、人にやってもらうと初めて見えることがあるのかもしれません。」



チアキもカードへ視線を落とす。



「誰かの日常を体験するって、不思議ですね。」



「でも……。」



少し考えてから続ける。



「その人が毎日続けていることを知ると、見え方が変わりそうです。」



「チアキちゃんらしい。」



ミンギュが思わず笑う。



「え?」



「もう”何をするか”じゃなくて、“何が見えるか”を考えてますよね。」



チアキは少し照れたように笑う。



「そうかもしれません。」



「でも、楽しみです。」



その言葉に、

ソヨンも優しく微笑んだ。



「私もです。」



「普段気付いていないことって、意外とたくさんありそうですよね。」



スタッフカードの最後には、

もう一文だけ添えられていた。



『相手の生活を知ることは、その人の優しさを知ることでもあります。』



誰もすぐには話さなかった。



その短い言葉を、

それぞれが静かに受け止めていた。



【STAFF NOTE】

共同生活12日目。



人は、

相手の優しさには気付きやすい。



けれど、

その優しさが毎日どんな積み重ねから生まれているのかは、

意外と知らない。



今回のミッションは、

“特別なこと”をする企画ではない。



相手にとって、

当たり前になっている日常を知る企画。



その一日が終わる頃。



11人はきっと、

昨日までとは少し違う目で、

互いを見るようになっている。



次回 Scene3

『ペア発表』

Friday|06:40 PM



運命のペアが発表される。



誰と一日を交換するのか。



その組み合わせが、

思いがけない気づきを生み出していく。




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