ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode13

『すれ違うタイミング』

― 一緒にいる時間が増えるほど、小さなすれ違いも生まれる。 ―

Day:Saturday(共同生活13日目)



Scene1

『少し遅い朝』

Saturday|09:00 AM



404 HOUSEに、

珍しく静かな朝が訪れていた。



平日なら、

誰かの目覚ましが鳴り、

仕事へ向かう準備で慌ただしくなる時間。



今日は土曜日。

休日。



誰も目覚ましをかけていない。



カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日が、

ゆっくりとリビングを照らしていた。



最初に姿を見せたのはウォヌ。

まだ少し眠そうな表情でキッチンへ向かい、

コーヒーを淹れ始める。



数分後、

ジョンハンがあくびをしながら現れた。



「おはよう。」



「おはよう。」



それだけの短いやり取り。



静かな空気が心地いい。



しばらくして、

スニョンが寝癖のままリビングへ飛び込んでくる。



「うわ、みんな起きるの早い!」



ウォヌが笑う。



「いや、スニョンが遅いだけ。」



「えぇ?」



そのやり取りに、

ジョンハンも思わず笑った。



続いてスングァンが姿を見せる。



「朝ごはん何ですか?」



「起きて最初にそれ?」



スニョンが笑いながら肩を叩く。



「だってお腹空いた!」



韓国人メンバー同士は、

すっかり自然なタメ口になっていた。



そこへ、

二階から足音が聞こえる。



「おはようございます。」



チアキだった。



白いオーバーサイズのTシャツに、

ゆったりとしたグレーのスウェットパンツ。

休日らしいラフな格好。



まだ少し眠そうに笑いながら、

リビングへ入ってくる。



「チアキちゃん、おはよう。」



ミンギュがソファから手を振る。



「おはようございます、ミンギュさん。」



「よく寝れました?」



「はい、久しぶりに目覚ましかけずに寝ました。」



その言葉に、

スングァンが笑う。



「CAさんって、やっぱり生活リズム大変ですよね。」



「そうですね。」



「休日は寝られる時に寝ちゃいます。」



チアキも笑った。



キッチンへ向かう途中、

ウォヌの淹れたコーヒーの香りに気付く。



「いい香りですね。」



ウォヌはマグカップを一つ手に取り、

チアキへ差し出した。



「ブラックですけど、大丈夫ですか?」



チアキは少し驚いたように目を丸くする。



「ありがとうございます。」



「でも、私ブラック飲めないんです。」



「あ……。」



ウォヌが少し困ったように笑う。



その様子を見たジョンハンが口を開く。



「牛乳あるよ。」



「半分入れたら飲みやすいんじゃない?」



「ありがとうございます。」



チアキは牛乳を少し加え、

一口飲む。



「美味しいです。」



ウォヌはどこか安心したように笑った。



その光景を、

少し離れたソファからミンギュが見ていた。



特に何かを思ったわけではない。



ただ、

チアキちゃんが笑っていると、

こちらまで少し嬉しくなる。



そんな感覚が、

いつの間にか当たり前になり始めていた。



やがて女性メンバーも起きてくる。



ユナは髪をまとめながら、

「おはよう。」と手を振る。



ジウォンはまだ眠そうに、

「コーヒー……。」と呟きながらキッチンへ。



ソヨンはエプロンをつけ、

「朝ごはん、何か作りますね。」と自然に冷蔵庫を開けた。



「ソヨンさん、お手伝いします。」



チアキがすぐに隣へ立つ。



「ありがとうございます。」



「じゃあサラダお願いしてもいいですか?」



「もちろんです。」



二人は並んで野菜を切り始める。



その姿を見たチェリンが笑う。



「二人とも、もう息ぴったりですね。」



「昨日のミッションのおかげかな。」



ソヨンが照れ笑いを浮かべる。



チアキも小さく笑って頷いた。



リビングでは、

スニョンとスングァンが朝から賑やかに話し、

スンチョルは新聞アプリを見ながらジョンハンとニュースについて話している。



それぞれ好きな場所で、

好きな時間を過ごす休日の朝。



誰かが話し、

誰かが笑い、

誰かが料理をする。



共同生活が始まって13日。



「知らない人たちとの共同生活」だった404 HOUSEは、

少しずつ、

**「帰ってきたくなる家」**へと変わり始めていた。



【STAFF NOTE】

共同生活を始めた頃、

チアキは韓国語を選びながら、

緊張した表情で話していた。



今も敬語は変わらない。



それでも、

笑顔で会話に入る回数は確実に増えている。



一方で韓国人メンバーは、

すっかり自然な距離感になっていた。



呼び方は変わらなくても、

表情や空気は少しずつ変わっていく。



その小さな変化こそ、

共同生活が育ててきた時間の証なのかもしれない。



次回 Scene2

Saturday|11:00 AM

『自由時間』

休日だからこそ、

一緒に過ごす人もいれば、

一人の時間を選ぶ人もいる。

そしてチアキは、

CAとして体力を維持するため、

ジムへ向かう――。




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