ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode13

『すれ違うタイミング』

― 一緒にいる時間が増えるほど、小さなすれ違いも生まれる。 ―

Day:Saturday(共同生活13日目)



Scene2

『自由時間』

Saturday|11:00 AM



朝食を終えた404 HOUSE。



今日は完全オフ。

仕事もミッションもない、久しぶりの休日だ。



スタッフから伝えられたルールは一つだけ。



「今日は自由に過ごしてください。」



リビングには、それぞれ支度を始めるメンバーたちの姿があった。



「俺、ジム行ってくる。」



最初に声を上げたのはスニョン。



「せっかく休みだし、体動かしたい。」



「僕も行こうかな。」



ミンギュが笑いながら立ち上がる。



「スニョンさん、一人じゃ絶対追い込むじゃないですか。」



「バレた?」



二人のやり取りにリビングが笑いに包まれる。



その時、チアキも小さく手を挙げた。



「あの……私もご一緒してもいいですか?」



ミンギュが少し驚いた表情を見せる。



「チアキちゃんも?」



「はい。」



「CAって立ち仕事ですし、体力も必要なので……。」



「休みの日はジムに行くことが多いんです。」



スニョンは嬉しそうに笑った。



「いいじゃん!」



「じゃあ一緒に行こう!」



「よろしくお願いします。」



チアキは笑顔で頭を下げた。



その様子を見ていたウォヌが静かに微笑む。



「運動組ですね。」



ジョンハンも頷く。



「じゃあ僕たちはカフェでも行く?」



「いいですね。」



スンチョルもスマートフォンをしまいながら立ち上がる。



「最近ゆっくり話せてなかったし。」



「じゃあ三人で行こう。」





一方、女性陣。



ユナはノートパソコンを開きながら言う。



「午後から少し仕事する。」



「新しい企画の締め切りが近くて。」



ジウォンも頷く。



「私も一緒。」



「ショールームを見に行きたいから、そのあと合流しない?」



「いいよ。」



チェリンが笑う。



「じゃあ私は二人について行って、買い物しようかな。」



「ソヨンさんは?」



ソヨンは少し考えてから答えた。



「私はスーパーに寄って帰ります。」



「せっかくみんな揃う土曜日ですし。」



「今日は少し豪華な夕飯にしたいなって。」



「ソヨンさんらしい。」



ユナが優しく笑った。





午前十一時半。



チアキ、ミンギュ、スニョンの三人は近くのジムへ到着した。



「じゃあ、一時間後に入口で!」



「了解!」



館内へ入ると、

自然とそれぞれ別々にトレーニングを始める。



チアキはまずランニングマシンへ。



一定のペースで走り続ける。



フォームは安定していて、

呼吸も乱れない。



その後は体幹トレーニング。



スクワット。



ラットプルダウン。



最後はストレッチまで丁寧に行う。



少し離れた場所でトレーニングしていたミンギュが、

思わず目を止めた。



(すごい……。)



普段の柔らかい雰囲気とは違う。



黙々と自分を追い込む姿は、

どこか凛として見えた。



一方チアキも、

鏡越しにミンギュの姿が目に入る。



高重量を軽々と持ち上げる姿。



フォームも綺麗で、

周囲への気配りも忘れない。



使い終わった器具を整え、

近くの人へ自然に「どうぞ。」と譲る。



(仕事の時だけじゃなくて……。)



(普段からこういう人なんだ。)



チアキは小さく微笑んだ。



ジムを出る頃には、

三人とも心地よい汗を流していた。



「お疲れさまでした!」



チアキがタオルで汗を拭きながら笑う。



「チアキちゃん、本格的だったね。」



ミンギュが感心したように言う。



「学生の頃から運動は好きなんです。」



「体力が落ちると仕事にも影響するので。」



「なるほど。」



スニョンが頷く。



「ダンスも体力勝負だから分かる。」



するとチアキが時計を見る。



「あの、私はこのあと近くのカフェに寄ってから帰ります。」



「英語の勉強を少ししたくて。」



「休日なのに勉強?」



スニョンが驚く。



チアキは少し照れたように笑った。



「勉強というより……。」



「英語は使わないと忘れちゃうので。」



ミンギュはその言葉に少し感心したように頷く。



「努力家なんだね。」



チアキは首を横に振る。



「好きだから続けられるだけです。」



三人はジムの前で別れた。



「じゃあ、また家で!」



「はい、お気をつけて。」



チアキは一人、

静かなカフェへ向かう。



窓際の席に座り、

カフェラテを一杯。



バッグから英語の本とノートを取り出す。



イヤホンから流れる英語音声。



真剣な表情でメモを取るチアキ。



店内には静かな音楽が流れている。



ふと窓の外を見ると、

休日を楽しむ人々の姿。



チアキは小さく息をつき、

またページをめくった。



404 HOUSEで過ごす時間も大切。



でも、

こうして一人で自分を整える時間も、

チアキにとっては欠かせない”当たり前”だった。



【STAFF NOTE】

休日の過ごし方には、

その人らしさが表れる。



チアキは休みの日でも、

身体を鍛え、

語学を学ぶことをやめなかった。



一方ミンギュは、

そんなチアキの努力を、

本人が思っている以上に見ていた。



誰かを知るということは、

特別な出来事を共有することではない。



何気ない休日の過ごし方を知ることもまた、

その人を理解する大切な時間なのかもしれない。



次回 Scene3

Saturday|03:00 PM

『ちょっとしたすれ違い』

同じ家で暮らしていても、

会いたい時に会えるとは限らない。



少しずつ増えていく”気になる人”だからこそ、

そのすれ違いは、

ほんの少しだけ心に残る。




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