ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode13

『すれ違うタイミング』

― 一緒にいる時間が増えるほど、小さなすれ違いも生まれる。 ―

Day:Saturday(共同生活13日目)



Scene4

『みんなで夕食』

Saturday|06:30 PM



「いただきます。」



11人の声が重なる。



404 HOUSEで迎える土曜日の夜。



今日は全員が家にいる。



大きなダイニングテーブルには、

ソヨンとチアキが中心になって作った料理が並んでいた。



韓国風プルコギ。



野菜たっぷりのサラダ。



スープに、キムチ、ナムル。



「美味しそう!」



チェリンが嬉しそうに声を上げる。



「チアキちゃん、このサラダ盛り付けすごくきれい。」



「ありがとうございます。」



チアキは少し照れながら笑った。



「ソヨンさんに教えていただきました。」



「いやいや。」



ソヨンが首を横に振る。



「チアキちゃん、覚えるのが早いんです。」



「包丁も丁寧だし。」



「私も助かりました。」



「ありがとうございます。」



チアキはいつものように笑顔で頭を下げた。



「いただきます!」



スニョンが勢いよく箸を伸ばす。



一口食べると、

目を大きく見開いた。



「うまっ!」



「これ誰が味付けしたの?」



「チアキちゃんです。」



ソヨンが答える。



「え、本当に?」



スニョンは驚いてチアキを見る。



「めっちゃ美味しい!」



「ありがとうございます。」



「でもソヨンさんに味見していただきました。」



「いや、ほとんどチアキちゃんですよ。」



二人のやり取りに、

食卓から笑いが起こる。



その頃、

スングァンは夢中でプルコギを食べていた。



「幸せ……。」



「スングァン、それ今日三回目。」



スニョンが笑う。



「いや、本当に美味しいんだって!」



「毎日これでもいい!」



「それは困ります。」



ソヨンが苦笑すると、

また笑いが広がった。



食事が進むにつれ、

韓国人メンバー同士の会話は自然とタメ口になっていく。



「それでさ。」



「いや、それ違うって。」



「ほんと?」



テンポの速い韓国語が飛び交う。



チアキはその様子を見ながら、

楽しそうに笑っていた。



分からない単語もある。



でも、

みんなが楽しそうにしている空気は伝わる。



ジョンハンがその様子に気付き、

さりげなくチアキへ話を振る。



「チアキちゃん。」



「はい?」



「今日はカフェで何してたの?」



「あ、英語の勉強です。」



「休みの日も?」



ウォヌが少し驚いたように尋ねる。



「はい。」



「仕事で使いますし、好きなので。」



「すごいな。」



ミンギュが素直に感心する。



「僕、休みの日は絶対勉強しない。」



「私も毎週じゃないですよ。」



チアキが笑う。



「今日は気分転換も兼ねてです。」



「気分転換で勉強?」



スングァンが思わず吹き出す。



「それは優等生すぎる!」



チアキは少し困ったように笑う。



「でも、好きなことなので。」



「なんかチアキちゃんらしいね。」



ミンギュがぽつりと言う。



「え?」



「コツコツ続けるところ。」



「昨日も思ったけど。」



「努力してることを、努力って言わないよね。」



チアキは少し照れたように視線を落とした。



「好きだから続けられるだけです。」



その言葉を聞いたスンチョルが頷く。



「好きなことを続けられるのも才能だよ。」



「本当に。」



ジョンハンも微笑んだ。



食事が終わりに近づいた頃、

スニョンが急に声を上げる。



「そうだ!」



「明日も休みだし、夜みんなで映画でも観ない?」



「いいね!」



チェリンが賛成する。



「ホラー以外なら!」



「えー、ホラーがいい!」



スングァンが不満そうな声を出す。



「絶対やだ。」



ユナが即答する。



「じゃあ多数決!」



「また始まった。」



スンチョルが笑う。



賑やかなやり取りは、

しばらく続いた。



食器を片付けながら、

チアキはその光景を眺める。



まだ敬語は変わらない。



みんなの輪の中で、

韓国語を聞き取るのに必死になる瞬間もある。



それでも。



ここにいる時間は、

もう”緊張する時間”ではなくなっていた。



「チアキちゃん。」



ミンギュが皿を持って隣に立つ。



「これ運ぶね。」



「ありがとうございます。」



「どういたしまして。」



二人は自然に食器を運ぶ。



その様子を見たソヨンが、

ふっと優しく微笑んだ。



【STAFF NOTE】

共同生活を始めて13日。



食卓には、

以前より多くの笑顔が増えていた。



誰かが料理を作れば、

誰かが自然に運び、

誰かが片付ける。



役割を決めなくても、

自然に助け合うようになっている。



そしてもう一つ。



スタッフが気づいた小さな変化。



ミンギュは、

チアキが食器を持つと、

自然と隣に立つようになっていた。



特別なことではない。



本人も気づいていないほど、

自然な行動。



けれど、

こうした”無意識”こそ、

人の気持ちを一番素直に映し出すのかもしれない。



次回 Scene5

Saturday|09:00 PM

『ベランダ』

食後。

少し涼しくなった夜風。



偶然、

ベランダで二人きりになったチアキとミンギュ。



会話は短い。



それでも、

沈黙は不思議と心地よかった。




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