ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode13
『すれ違うタイミング』
― 一緒にいる時間が増えるほど、小さなすれ違いも生まれる。 ―
Day:Saturday(共同生活13日目)
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Scene7
【UNSEEN】
Saturday|11:40 PM
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放送では流れなかった映像。
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誰も意識していない、
ほんの数秒の出来事。
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しかし、
スタッフはその”視線”を見逃さなかった。
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@ Living Room|03:18 PM
夕方。
リビングでウォヌとスングァンがゲームをしている。
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「また負けた!」
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「スングァンさん、今のは焦りすぎです。」
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二人が笑い合う。
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その奥、
キッチンからチアキが料理を運んでくる。
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ウォヌはゲーム画面を見ながらも、
チアキが熱い鍋を運んでいることに気づき、
自然と立ち上がった。
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「持ちます。」
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「え、大丈夫ですよ。」
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「熱いので。」
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それだけ言って鍋を受け取る。
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ゲームは一時中断。
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ウォヌは何事もなかったように、
またコントローラーを手に取った。
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誰もその行動を気にしていない。
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でもスタッフは知っている。
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ウォヌは最近、
チアキが重いものを持つ場面で、
ほぼ毎回立ち上がっていることを。
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A Kitchen|06:52 PM
夕食の準備中。
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チアキが冷蔵庫を開ける。
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「あれ……。」
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ドレッシングが一番上の棚にあり、
少し手が届かない。
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その瞬間。
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「はい。」
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後ろからミンギュが自然に取って渡した。
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「ありがとうございます。」
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「どういたしまして。」
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会話はそれだけ。
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ミンギュはそのまま別の皿を運びに行く。
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あまりにも自然すぎて、
誰も気づかない。
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B Balcony|09:08 PM
ベランダ。
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チアキとミンギュ。
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二人は約12分間、
夜風に当たりながら話していた。
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スタッフが確認した映像では、
その12分間のうち、
約7分は沈黙だった。
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それでも二人とも、
何度も小さく笑っている。
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無理に会話を続けようとしない。
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沈黙を埋めようともしない。
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ただ同じ景色を見ていた。
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C Dining Room|09:25 PM
二人がリビングへ戻ったあと。
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映画が始まる。
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チアキはソファの端に座る。
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少し遅れてミンギュが部屋へ入る。
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空いている席はいくつかある。
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それでもミンギュは、
迷わずチアキの隣に座った。
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偶然かもしれない。
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本人も理由は説明できないだろう。
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けれど、
人は落ち着く場所を無意識に選ぶ。
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D Second Floor Hallway|10:47 PM
インタビューを終え、
それぞれ自室へ向かう時間。
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チアキが階段を上がる。
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その少し後ろを、
スンチョルが歩いていた。
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チアキが足を止め、
壁に飾られた写真を見つめる。
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共同生活初日に撮影した集合写真。
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「もう二週間近いんですね。」
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誰に向けた言葉でもない。
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その小さな独り言に、
後ろを歩いていたスンチョルが優しく答えた。
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「早いよな。」
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「最初は長く感じたのに。」
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チアキは振り返り、
少し笑う。
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「はい。」
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「毎日があっという間です。」
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それだけ話し、
二人はそれぞれの部屋へ戻っていった。
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【STAFF NOTE】
共同生活13日目。
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スタッフが視線の動きを集計すると、
少しずつ変化が現れ始めていた。
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ミンギュは、
リビングでチアキが席を立つと、
無意識にその方向へ目を向ける回数が増えている。
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ウォヌは、
チアキが困っている様子に誰より早く気づくことが多い。
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スンチョルは、
ユナが一人になる時間を気にかける場面が増えていた。
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そしてスングァンは、
疲れているメンバーがいないかを、
誰よりも先に見ている。
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まだ誰も、
自分の視線の変化には気づいていない。
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けれど、
恋は突然始まるものではない。
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「今日はいないな。」
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「今、何してるんだろう。」
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そんな小さな”気になる”が、
少しずつ積み重なっていく。
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共同生活はまだ13日目。
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それでも404 HOUSEでは、
それぞれの心の中に、
まだ名前のついていない感情が、
静かに育ち始めていた。
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― Episode13 END ―
次回予告
Episode14
『届かない名前』
Day:Sunday
二度目の404 Diaryの日。
今日もまた、
名前を書けない手紙に、
それぞれの本音が綴られていく。
そして休日の午後、
スタッフから届く突然のイベント。
笑顔の中で、
少しずつ心は揺れ始める――。
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