ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode14

『届かない名前』

― 伝えたい想いはある。でも、その名前だけはまだ書けない。 ―

Day:Sunday(共同生活14日目)



Scene1

『スタッフからの招待状』

Sunday|09:30 AM



日曜日の朝。

404 HOUSEには、焼きたてのトーストとコーヒーの香りが広がっていた。



「ソヨンさん、このスクランブルエッグ、すごくおいしいです。」



チアキが笑顔で言うと、ソヨンも嬉しそうに笑った。



「ありがとうございます。」

「チアキもサラダ作るの、もうすっかり慣れたね。」



「まだまだです。」



「でも楽しいです。」



ダイニングでは、それぞれが思い思いに朝食を楽しんでいる。



スニョンとスングァンは朝から賑やかだ。



「今日、何しようかな。」



「映画の続き観る?」



「いや、外出たい!」



そんな他愛ない会話に、自然と笑い声が重なる。



食事が終わり始めた頃。



コンコン。



リビングのドアがノックされた。



メンバー全員が顔を上げる。



ドアの前には、番組スタッフが一通の白い封筒を置き、静かに去っていく。



「来た。」



スンチョルが立ち上がり、封筒を手に取った。



「またミッション?」



チェリンが目を輝かせる。



「休日だから違うかも。」



ジョンハンが穏やかに微笑む。



スンチョルは封筒を開き、中のカードを読み上げる。



TODAY’S EVENT

『HAN RIVER PICNIC』



その文字が見えた瞬間、

リビングが一気に沸いた。



「えっ!漢江?」



「やったー!」



「ピクニック?」



「久しぶりの外だ!」



スングァンは思わず立ち上がり、ガッツポーズをする。



「こういうの待ってた!」



スニョンも笑いながらカードをのぞき込む。



「全員参加だって!」



チアキも思わず笑顔になる。



「漢江、楽しみです。」



ミンギュがその表情を見て微笑む。



「チアキは漢江行ったことある?」



「一度だけあります。」



「でも、こんなふうにピクニックをするのは初めてです。」



「じゃあ今日は韓国らしい休日を楽しもう。」



「はい。」



チアキは嬉しそうに頷いた。



ユナがカードの続きを読む。



「現地ではスタッフが昼食を用意しています。」



「チキン!」



「キンパ!」



「ラーメン!」



スングァンが読み上げるたびに歓声が上がる。



「最高じゃん!」



「今日はカロリー気にしない!」



スニョンの一言に、みんなが吹き出した。



ウォヌは静かにカードの最後へ目を向ける。



“今日は一日、仕事や恋愛を忘れて、仲間との時間を楽しんでください。”



「仲間、か。」



小さく呟く。



その言葉を聞いたジョンハンが穏やかに笑う。



「もう仲間って呼べるくらいには、一緒に過ごしてるね。」



共同生活14日目。



最初は緊張ばかりだった朝食の時間も、

今では誰かが笑えば、みんなが笑う。



誰かが立ち上がれば、

自然と手伝う人がいる。



そんな当たり前が、この家には少しずつ増えていた。



「じゃあ、一時間後に出発です!」



スタッフからアナウンスが流れる。



「はーい!」



メンバーたちは一斉に立ち上がる。



「何着て行こう。」



「写真いっぱい撮ろう!」



「今日は絶対晴れてよかった!」



二階へ駆け上がるチェリンとユナ。



「俺、サングラス取ってくる!」



スニョンも部屋へ走る。



リビングには、休日らしい賑やかな空気が広がっていた。



チアキも自室へ向かおうとした時、

ミンギュが隣に並ぶ。



「今日はいっぱい写真撮ろう。」



「はい。」



「みんなで思い出を残したいです。」



その言葉に、ミンギュは優しく笑った。



「うん。」



「きっと今日も、いい一日になる。」



二人は並んで階段を上がっていく。



その後ろ姿を、

スタッフカメラは静かに映していた。



【STAFF NOTE】

共同生活が始まって2週間。



2回目の全員参加イベント。



スタッフが楽しみにしていたのは、

イベントそのものではない。



「誰が誰の隣を自然に選ぶのか。」

「誰が誰を笑わせようとするのか。」

「誰が誰の写真を撮るのか。」



日常を離れた一日だからこそ、

普段は見えない距離感が映し出される。



そしてこの日。



まだ誰も知らない。



この何気ない休日が、

これからの関係を少しずつ変えていく一日になることを。



次回 Scene2

Sunday|11:00 AM

『HAN RIVER PICNIC』

青空の下、

11人で囲む昼食。

笑顔と笑い声に包まれた漢江で、

それぞれの「自然な距離」が少しずつ映し出されていく。




ノベルに戻る I Addict