RE:MEMORY
Episode4
「それぞれの居場所」
Day4 : Thursday
Morning
Scene2
「朝食問題」
【BGM】
朝のRE:MEMORY HOUSE。食器の触れ合う音と、あちこちで起こる笑い声。少しずつ、家が目を覚ましていく。
【ナレーション】
「共同生活4日目。」
「同じ家で迎える平日の朝にも、少しずつ慣れてきた。」
「楽しいだけじゃ見えなかった違いが、少しずつ顔を出しはじめる。」
【字幕】
「同じ朝食。」
「違う習慣。」
AM 9:00
ダイニング
10人がテーブルを囲む。そこにはミンギュが用意した朝食が並んでいた。
温かい料理。スープ。卵料理。パン。フルーツ。
スングァン:
「え、朝からこれ全部作ったんですか?」
ミンギュ:
「うん。昨日、みんな疲れてたし。」
スニョン:
「うわ、最高。」
迷いなく、次々と手が伸びる。
【字幕】
「朝から幸せを作る男」
食卓の会話
最初は静かだった食卓も、時間が経つにつれて少しずつ熱を帯びていく。
スニョン:
「昨日のカフェ、また行きたい。」
スングァン:
「わかる。でも次は別のとこも行ってみたくない?」
スニョン:
「それもいいね。」
韓国語の会話が自然に弾み、笑い声と軽いツッコミが飛び交う。テンポの速いやり取りに、空気がどんどん和らいでいく。
【カメラ】
チアキ。笑いながら耳を傾けている。
チアキ視点
聞き取れる言葉と、聞き取れない言葉が、波みたいに交互に流れていく。
意味がつかめるところだけを必死に拾って、残りは笑い声の温度でなんとなく受け取る。
なんとなく流れは分かる。けれど、細かい冗談までは追いつかない。
テーブルの真ん中にいるのに、自分だけ少し外側に立っているような感覚がある。
スングァン:
「だから昨日、本当にやばかったんですよ。」
周りが笑う。
チアキも、ひと呼吸遅れて笑う。
笑えたことにほっとするのに、同時に、今の笑い方で合っていたのか少し不安になる。
【字幕】
「笑顔の少し後ろ」
ミンギュ
向かい側に座るミンギュは、その様子を静かに見ていた。
昨日の外出でも感じた、あの小さな違和感。
「笑ってるけど。」
「ちょっと間がある。」
そんな気配を、彼は見逃さなかった。
ミンギュ:
「チアキさん。」
チアキ:
「はい?」
ミンギュ:
「今の、分かりました?」
少し驚いたように、チアキが目を瞬く。
チアキ:
「あ……」
一瞬迷って、それでも笑って答える。
チアキ:
「少しだけです。」
ミンギュ:
「やっぱり。」
笑う。
チアキ:
「分かりました?」
ミンギュ:
「なんとなく。」
「笑うの、ちょっと遅かったから。」
チアキは、少し驚いた顔をした。
Interview
ミンギュ
スタッフ:
「チアキさんの変化に気づきましたか?」
ミンギュ:
「昨日も少し思ったんですけど。」
「チアキさんって、分からなくても合わせようとするんですよね。」
「楽しそうではあるんですけど……。」
「笑っているのに、少しだけ遠慮が見えるというか。」
「たぶん、本当はもっと輪の中に入りたいんじゃないかなって。」
【字幕】
「気づき始めた小さな違和感」
朝食文化の違い
テヨンが時計を見る。
テヨン:
「そろそろ予定、確認したほうがいいかも。」
ユナ:
「たしかに。韓国の朝って、思ったより早いですよね。」
チアキ:
「日本だと、朝ごはん急いで済ませる人も多いので、新鮮です。」
ジョシュア:
「国によって全然違いますよね。」
英語が混じると、チアキの中で少しだけ言葉がつかみやすくなる。拾える単語が増えるだけで、会話の流れの中に半歩近づけた気がして、肩の力がわずかに抜けた。
【字幕】
「英語が混じると、少しだけ近づける」
チアキ Interview
スタッフ:
「朝食の時間はどうでしたか?」
チアキ:
「楽しかったです。」
「ただ……。」
少し考えてから、笑う。
「韓国語って、みんなで話すと本当に速いですね。」
「聞こえているのに、意味になる前に次の言葉が来る感じで。」
「一対一なら大丈夫なんですけど。」
「10人で盛り上がると、まだ追いつけなくて。」
「笑うタイミングも、少し遅れちゃうんです。」
「でも、もっと自然に話せるようになりたいです。」
【字幕】
「近づきたい気持ち」
食後
チアキが食器を片付け始める。
ミンギュ:
「置いといて大丈夫ですよ。」
チアキ:
「でも、みんな食べ終わったので。」
ミンギュ:
「ほんと、いつも動きますね。」
チアキ:
「そうですか?」
本人には、それが特別なことだという自覚はない。
ただ、手を動かしている間だけは、少しだけ居場所がはっきりする気がした。
【字幕】
「自分では当たり前のこと」
「誰かには特別に見えること」
Scene2 END
次回――
Scene3
「初めての家事分担変更」
10人が暮らすための新しいルール。
そして、それぞれの役割が決まっていく。
→
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