【act.01 WZ】

MG「ヌナ!」

勢い良く練習室のドアを開けるミンギュに、鋭い視線を向けるsanctuaryのメンバー。

MH「ミンギュうるさい。」
IM(イリム)『どのヌナだよ!』

イリムの的確なツッコミに「もちろんなまえに決まってるじゃん!」と言えば、イリムとアヨンヌナが眉間に皺を寄せてミンギュを睨む。

そんな2人を気にすることもなく、ミンギュは練習室をキョロキョロと見渡す。しかし、なまえの姿は何処にも見当たらない。

HS「なまえは?何処行ったの?」
JH「なまえにお土産買ってきたのに!」
AY(アヨン)『お前らの頭の中はなまえしかないのか!てかうちらへのお土産は!?』
JH「クプスとシュアが買ってたよ。俺はなまえにだけ。」
AY『は!?何でだよ!ぶっ飛ばすぞ!』

約1ヶ月ぶりに会うと言うのに、相変わらず騒がしい。お前らには疲れと言うものがないのか。

SG「ジェウン!これ、僕とボノニとディノから!」
JW(ジェウン)『うわぁ!3人ともありがとう!アメリカはどうだった!?』
VN「凄い楽しかったよ!盛り上がったし。」
DN「ノリが全然違うんだよ!」

仲良く楽しように話してるマンネズ達の方が大人に見えるわ。

『ウジ氏は余裕ってやつですか?』

…は?

振り向けばスヨンヌナがニヤニヤしながら俺の背後に立ってる。

WZ「は?何言ってんの。」
SY(スヨン)『ウジだけなまえのこと探してないから?』

いや、探すも何もsanctuaryがここにいるってことは、あいつもそのうち来るだろうってだけで…。

WZ「そのうち来るだろ。」
SY『まあね。』
JS「スヨン、はい、これお土産。」

お土産交換のあと、気づけばお土産のお菓子を広げ、輪になって座ってるsanctuaryとメンバー達。
いや、今練習中じゃなかったのかよ。てかカムバ前なのにお菓子食って平気か?

後で怒られても知らないぞ。
俺の心配とは他所に、お土産のお菓子を広げてもはやピクニック状態。

戻ってきて早々、俺らも疲れてるはずなのに元気だよな…。

「え、なに、ピクニックかなんかしてる?」

また背後から声が聞こえる。
振り向かなくても分かる声。

WZ「遠足だな。」
「ふふ。おかえり、ジフナ。」

1ヶ月前より、少し痩せたなまえが俺の隣に立つ。

WZ「ただいまって、お前…痩せた?」
「うん、カムバあるしね。」
WZ「痩せすぎだろ、今何キロなの?」
「いや、ジフナ、女子に体重聞くなんて失礼だわ。」

誰が女子だよって言ったら、バシッと軽くどついて楽しそうに笑うから、俺もつられるように笑う。

顔色は悪くない、でもやっぱり痩せ過ぎだ。

WZ「あんま無理すんなよ、また倒れるぞ。」
「うん、ありがと。取り敢えずお菓子1個もらってくるか!ジフナも行こ!」

そう言って俺の手を握るなまえと、手を繋いだままピクニック中のメンバーの元に行く。

「わしにも1個くれ〜!」
WZ「どこのじいさんだよ。」
MG「ヌナ!!!」
「おー、ミンギー…って…苦しい!退いて!」

どんだけ反射神経いいんだよってくらい、なまえの声を聞いた途端ものすごい速さで立ち上がりなまえに抱き付くミンギュ。

MG「なまえヌナ!会いたかったよ!」
「あー、そうだね、それより私にもお菓子をくー…」
HS「なまえ!なまえ!これ!お前好きそうだと思って買ってきた!」
JH「なまえー、オッパもなまえにお土産あるんだよーってミンギュそろそろ退け。」

その後暫くはメンバーに揉みくちゃにされて、なまえがお菓子にありつけたのは、10分後だった。

「はぁ…、やっとお菓子タイムだよ。」
SC「お疲れ。」
「いや、助けてまじで。」
SC「ジフナに頼め!」
WZ「俺に振らないで。」

「久しぶりの糖分だー!」なんて幸せそうにしてるなまえを、幸せそうに、と言うかニヤニヤしながら見てる変態達。

AY『そう言えば代表からの話って何だったの?』
「あ、あぁ……うん、なんでもない。後で話す。」

変態達の視線を感じたのか、何とも言えない表情で苦笑いを浮かべるなまえ。

DK「え、何!?僕らには秘密なの!?」
MG「俺らの仲なのに!?」
WZ「いや、どんな仲だよ。」

俺の突っ込みにヒョンは黙っててなんてプリプリしてるミンギュ。

JS「なまえ、なんの話だったのかな?」

シュアヒョンの黒いオーラに怯えながら俺とスンチョリヒョンの後ろに隠れるなまえ。

「いや、別に大した話じゃないんでね…。」
JS「ふーん、で、何の話?」
SC「これはなまえが言うまで終わらないぞ。諦めろ。」

スンチョリヒョンの言葉に盛大なため息を吐くなまえ。

「絶対騒ぐから嫌なんだけど。」
MG「騒がないから!」
HS「絶対静かにするから!」
AY『あんたら2人が、1番煩いからね。』
HS「静かにするって!で!?何!?」

静まり返る練習室。
何なんだよ、この沈黙。

「ドラマのオファーがあったんだって。」
WZ「ふーん…って、え、お前に?スヨンヌナじゃなくて?」
「そう。私もオンニの間違いじゃないかと思ったんだけど、私にだってさ。」

へー、なまえにドラマのオファーか…。

IM『オンニ。どんな内容のドラマですか!?』
DK「イリム、怖いよ。」

なまえ強化ペンのイリムの問いかけに、頑張って大人しくしてるミンギュとホシも姿勢を正す。

「あー、アクション系?」
WZ「何で疑問系だよ。」
「まだ台本見てないから。」

まあ、今さっき聞かされたなら詳しい内容は知らないかもしれないけど…。
でもなまえのこの感じは、確実に隠し事をしてる。

JS「なまえちゃん?本当はどんな内容なのかな?」
「いや、だからまだ台本読んでな…」
JH「なまえ?」

この2人に捕まったらもう逃げ道はない。
残念だったな。

「あー!もう!日本人のスパイが韓国人と恋に落ちる内容だって!それ以外は知らん!」

はぁ?まじかよ。恋愛ドラマかよ…。




ノベルに戻る I Addict