【act.04 なまえ】

カムバックの活動も残すところ今日で終わり。
正直今回のカムバはしんどかった。

何がしんどいって体力よりも精神的にきてる。
それは勿論ドラマのせい。
アンチも誹謗中傷も増え続けるし、何なら事務所の壁にも降板しろって張り紙が毎日貼られている。

宿舎の警備も厳重になった。
私のせいで皆んなに迷惑をかけている。

私1人になら耐えるけど、事務所はメンバー達には迷惑をかけないで欲しい。

それでもsaint達とカラットちゃんが沢山応援してくれて1位も獲れたし、売り上げも順調だった。
どうしても感謝をしたくて、ずっと上げてなかったインスタを上げた。

今私たちのインスタのコメント欄はマネオッパの提案で閉鎖してる。
だから反応は分からないけど、感謝の気持ちが少しでも伝わるといいな。

カムバが終わったら、2週間後からはドラマの撮影に入る。
正直出来るなら降板したいくらいだ…。

リハを終え、用意するにはまだ少し早くてパーカーを羽織ってソファーにうずくまる。
少しだけ眠りたいなって思った。

最近全然寝れてない。

ウトウトしてると、私の隣に誰かが座った。
顔を上げるとアヨンオンニが優しい笑みを浮かべてた。

AY『まだ時間あるし、オンニが守っててあげるから寝なー。』
「アヨンオンニ…、ありがとう…。」

私を抱き締めるようにして一定のリズムで背中をポンポンしてくれるから、いつの間にか眠っていた。

『ちょっ、うるさいって!今なまえ寝てるんだから静かにしてよ!』
「ヌナ退いて、それ俺の役目。」
「いや、違うだろ。」

何だか騒がしくてゆっくりと目を開ける。
目の前にはミンギュ。…え、ミンギュ?

「…ミンギュ?」
MG「うん!ミンギュだよー!なまえヌナのミンギュだよー!」

…え?何でミンギュがいるの?
ここスタジオじゃなかった…?

AY『ほら!ミンギュがうるさいから起きただろ!』

いや、どっちかと言うとオンニの声で起きたんだけど…。

ゆっくり体を起こすと、狭いソファーに無理矢理座り込んでくるミンギュ。

そんなミンギュに苦笑いを浮かべてる、クユズの皆さん。

「え、何でいんの?」
HS「は!?おま、その言い方ないだろ!お前に元気になってもらうために、クユズで来てやったのに!」
JN「そうだよー!なまえが疲れてると思ったから応援に来たのに!」

そう言いながらもジュニは呑気に楽屋のお菓子を食べてる。
いや、あんたお菓子食べにきたみたいになってんじゃん。

てか、クユズって…。
私の隣にべったり張り付いてる大型犬は?

そんな意味も込めてミンギュに視線を移す。

WN「ミンギュはどこ行くのって勝手に着いてきた。」
MG「だってクユズでコソコソしてるから、怪しいと思ったんだもん!やっぱり着いてきて正解じゃん!」

勝ち誇った表情を浮かべるミンギュに、呆れたようなジフナとウォヌ。
ホシとジュナはもうすっかり私よりお菓子に夢中だ。

WZ「お前ちゃんと飯食ってるか?また痩せただろ。」
「食べてるよ、ね?」

お願いだから黙っててと言うように、何かを言いかけたイリムを見る。

IM『オンニ…。』
AY『でも今日でカムバの活動も終わりだし、ぱーっと打ち上げでもやらなきゃな!』
HS「お!さすがアヨンヌナ!いいじゃん!明後日とか俺ら休みだけど?」

ここ最近、寝れてもないし、食べれてもいない。
実を言うとここに来る前に点滴を打ってから来てる。

AY『うちらも休みじゃなかった?』
SY『休みだよ!』
HS「お!じゃあ決まりだな!」
MN『あんまりはめはずなよ!』

宴だー!なんて騒いでるアヨンオンニ、イリム、ホシにマネオッパが釘を刺すようにそう言った。

MG「………。」

その後、クユズプラスミンギュは人の楽屋で寛いだあと、収録を見て私たちよりひと足先に帰って行った。

珍しくミンギュが終始大人しかったな…。
どうしたんだろう…。

JW『オンニは私の自慢のオンニです。』

収録後着替えが終わって、車に向かう途中、急にジェウンが私の腕に絡みついてそんな事を言ってきた。

急にどうしたんだろうって思ったけど、素直に嬉しかった。

「ありがとう!ジェウンも私の自慢の妹だよ!」

そう言えば嬉しそうに微笑んだ。




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