【act.05 MG】
なまえへの誹謗中傷は、収まるどころか日に日に増していってる。
ついにはインスタのコメント欄も閉鎖する事態になった。
それでもテレビに映るなまえは、幸せそうにキラキラと微笑んでて、それが余計に辛かった。
WN「…痩せたな。」
MG「え?俺?」
WN「いや違う、なまえ。」
俺だけじゃない、皆んななまえのことを心配してる。
事務所の外の壁にも張り紙がされて以来、この宿舎の警備も厳重になった。
なまえが元気無いって思うと、俺も元気がなくなる。
JH「どうせ食ってないんだろうな…。」
DK「食べたくても食べれないんじゃないかな…。」
昔にも同じことがあった。
デビュー当時、アンチが酷くて、特に日本人であるなまえへのアンチは凄くて、食べれなくなって、寝れなくなった。
今もたまに寝れない時があることも俺らは知ってる。
JS「連絡取ってないの?」
ジスヒョンが俺の隣に腰を下ろしながら聞いてくる。
MG「取ってるよ!でも大丈夫、元気だよしか言ってくれない…。」
なまえの悪い癖だと思う。
本当は全然大丈夫じゃないのに、「大丈夫だよ、元気だよ!」って微笑むんだ。
あまりにも綺麗に微笑むから、俺らはいつもそこから強く言えなくて、だから結局なまえはいつも1人で戦ってるんだ。
SC「ジフナ、どこ行くんだ?」
WZ「なまえのとこ。」
…え?だって今日歌番組の収録じゃ…。
HS「ジフナが行くなら俺も行こ!」
SG「僕もいきたい!」
いや、まって、俺だって行きたい!
SC「みんなで行ったら迷惑だろ。」
DN「ヒョンはヌナ達に会いたくないの?」
ディノの問いかけにそうじゃないけどって、困ったように頭をかくスンチョルヒョン。
VN「こんな時にみんなで押し掛けたら、なまえヌナがまた何言われるか分かんないよ?」
ボノニの言う通りでもある。
今俺ら全員で行けば、火に油を注ぐようなものだ。
MH「もうめんどくさいからクユズが行けば?」
…え、ミョンホヤ、俺は?
クユズだったら俺行けないじゃん!裏切り者!!!
HS「お、それいいじゃん!な?」
WN「俺はいいけど…。」
ウォヌヒョンが俺を気遣うように見る。
あー、ウォヌヒョン、神!まじ神!
MG「クユズプラスミンギュで行こ!」
WZ「自分でミンギュって言うなよ。」
MG「いいの!」
それから部屋着だった俺らは急いで支度をする。
MG「ヒョン。」
WN「ん?」
MG「ありがとう。」
おうっと素っ気なく返された。
でもまじで感謝してるんだよ!
もしウォヌヒョンがあそこで俺を見てくれなかったら、完全にお留守番組だったじゃん!
まじ感謝。
MG「行ってくるね!」
SC「気を付けてな!」
JH「ちゃんとミンギュにリード付けといてね。」
WZ「了解。」
いや、俺犬じゃ無いからね。
皆んなに見送られて、撮影してる現場に向かう。
WZ「一応スヨンヌナに行くって連絡しといて。」
HS「え、俺が?」
WZ「お前が。」
HS「何で!?まあ、スヨンヌナならいいか。」
俺とホシヒョンはアヨンヌナとイリムに特に酷い扱いされてるもんな…。
何か差し入れ持ってくかって話になって、なまえの好きなカフェのケーキとコーヒーを買って行った。
楽屋に入れば、なまえはアヨンヌナに抱きつくようにして寝てた。
可愛い…。
HS「なまえ寝てるの!?やべ、超可愛い!写メ写メ!」
『ちょっ、うるさいって!今なまえ寝てるんだから静かにしてよ!』
MG「ヌナ退いて、それ俺の役目。」
WZ「いや、違うだろ。」
そんなやり取りをしてたらなまえがゆっくりと目を開けた。
俺を見て少し寝ぼけたように「ミンギュ?」って言うなまえが可愛くて、今すぐ抱き締めたくなって、無理矢理ソファーに座ってアヨンヌナからなまえを脱却。
…なまえ、めっちゃ痩せた。
もともとなまえは細い。でも、さらに細くなってる気がする。
まだメイクもしてないなまえをよく見れば、クマも凄くて、やっぱり寝れてないんだと思った。
それはウジヒョンも思ったようで、少し険しい表情で食べてるか尋ねたけど、なまえはやっぱり食べてるよって微笑んだ。
そんなバレバレの嘘つかなくていいのに…。
俺らってそんなに信用ない?
なまえを黙って見つめてると、袖から点滴の跡がチラリと見えた。
点滴打つまで追い詰められてるのに…。
俺はもっとなまえに頼ってほしいって思ってるのに。
また1人で抱え込まないでよ…。
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