【act.25 JN】

いつの間にか朝になってた。
リビングに行くと昨日散らかり放題だったリビングはすっかり綺麗なってた。

MG「ヒョン、おはよう。」
JN「おはよう、片付けはもしかしてミンギュが1人でしたの?」
MG「ううん、ウジヒョンとミョンホとスングァニとなまえヌナが手伝ってくれたよ。」

そんなに飲んだつもりは無かったけど、なまえのドラマを見てたら勝手にお酒が進んでたのかな。
寝ちゃってごめんねと伝えれば大丈夫と言いながら出掛ける準備をするミンギュ。

JN「どっか行くの?」
MG「俺だけ別の撮影入っちゃったから先に行くよ。後でね。ご飯食べるなら昨日の残り冷蔵庫にあるよ。」

ミンギュを玄関まで送ってからスマホを開く。
なまえのドラマは良かったと思う。なまえの演技も本当に良かった。

世間の反応はどうかな?
エゴサをすれば、思ったより好評価な意見もあるものの、やっぱり相手がBTSのテヒョンなだけになまえを批判するコメントもあった。

なまえは見てるのかな…。エゴサなんてして欲しくないけどきっとしちゃうよね。
カトクしてみよう…。

起きてる?なんてありきたりなカトクを送ってから、寝てると思ったのに意外にも早く既読が付いた。

なまえ

起きてるよー!




何してた?



なまえ

美味しいコーヒーいれてるよ!




僕もなまえのコーヒー飲みたいな!



なまえ

じゃあペダルするから待っててー!



本当は外のカフェにでも行きたいくらい良い天気だけど、デビューが決まってから、なまえは絶対に僕らと2人きりで外出しなくなった。

プロ意識があるのはいいけど、僕としては距離を置かれた気がして寂しく思う時がある。

ピコンっとスマホが鳴って、目をやると“なまえズコーヒーです!”と表示されてる。

まだみんなが寝てると思ってチャイムを鳴らさないなまえは本当に気が効く子だ。
玄関を開ければなまえがコーヒーと紙袋を持って立ってた。

JN「ありがとう、その紙袋は?」
「クロワッサンも焼いてたの!一緒に食べよ?」
JN「うん!仕事は何時から?」
「10時からだよ。」

なまえの淹れてくれたコーヒーを飲みながらリビングで寛ぐ。
みんなまだ寝てて静かだ。

JN「美味しい!」
「良かった!折角良い天気なのに仕事ってやだなぁ。」
JN「でもなまえ休みの日でも全然外出ないじゃん。」
「だってメンバー以外友達居ないんだもん。」

苦笑いを浮かべながらクロワッサンを頬張る。もぐもぐと食べるなまえの姿は、同じ歳なのに幼く見える。
言うと怒るから言わないけど。

JN「僕は?」
「ジュナも友達だよ!でもお出掛けは出来ないじゃん。」
JN「僕はしたいけどな。」
「カラットに怒られちゃうもん。」

ふふっと笑うなまえは、きっと起きてからそんなに経ってないのになんでこんなに可愛いのかと思う。
本当に妖精みたいだ。

「ジュナから見て昨日の演技はどうだった?」

不安そうに聞いてくるなまえに、エゴサしたなって直ぐに気付いた。

JN「良かったよ!あのMV撮影が苦手ななまえどこにいっちゃったの?って思ったくらい。」
「ほんと!?良かったー!ジュナに褒められたら自信ついた!残りの撮影も頑張らないと!」
JN「なまえが喜んでくれるなら毎日でも褒めるよ!」

なまえが笑ってくれるなら、なまえが幸せで居てくれるなら、毎日だって褒めるよ。

「ふふ!ありがとう!」

頭を撫でると少し照れたように笑うなまえが可愛過ぎてギュッと抱きしめた。
2人でコーヒーを飲みながらクロワッサンを食べてるとリビングのドアが開いた。

誰かと思いドアの方を見ると、ボサボサ頭のウォヌだった。ウォヌはのっそりと歩きながらなまえの隣に座って細い肩に寄り掛かってる。

「…うぉぬ重い…って起きてる?」
WN「ん、なまえ枕にしてここで寝る。」
「え、ちょっ…本当に寝ちゃったの?」

なまえの太ももに頭を置いて、細い腰に腕を回して寝てしまったウォヌに、ちょっとだけ驚いてる。
ウォヌがここまでなまえに甘えるのを初めて見たから。

でも、こんな状況他のメンバーが見たらうるさいんだろうな…。
僕もなまえにこれくらい甘えてみたいな。

案の定起きて来たハニヒョンにやんや言われて渋々起き上がるウォヌを見て、僕らは顔を見合わせて笑った。

「そろそろ皆んな起きそうだし、私も用意しないといけないから戻るね!」
JN「うん!仕事前なのにコーヒーとクロワッサンありがとう!」
「ふふ、またのご利用お待ちしてます!」

そう言って笑顔で玄関を出て行ったなまえ。
そんなこと言われたら、毎日利用したくなっちゃうよ。

JH「で、ジュナはなまえと2人で何してたの?」
JN「ん?秘密。」
JH「え?ジュナまでそんなこと言うの?」

秘密とは言ったけど、ただ話をしてただけ。2人で話す機会なんて最近滅多になかったから、ただ内緒にしたいなって思っただけ。

SG「ヌナ居たならウジヒョン起こして欲しかった!」

そこまで気が回らなかった…、ごめんね、スングァニ、頑張って。




ノベルに戻る I Addict