【act.20 なまえ】

MN『そろそろ行くよ!』

マネオンニに呼ばれてペディンを羽織って楽屋を出る。
駐車場に行けばセブチが勢揃いしてて、なんかホストクラブに来たみたいって毎回の思って笑ってしまう。

行ったことはないんだけど。
でもホストクラブに行ってこんなイケメンが勢揃いしてたら、絶対通い詰めるよね。

5代の車に私たちが1人ずつと、エスコート役のメンバーが乗り込む。それからマネオッパが同じ車に乗る人を割り振る。

私が車に乗り込むと、すぐにミンギュも乗り込んできた。
同じ車にミョンホも乗り込んできた。

「わー!ミョンホヤー!」
MH「はは!喜んでくれてるの?」
「もちろん!」
MG「俺は?」
「飴泥棒!」

返したじゃん!って言うけど、ミンギュが食べた分小さくなって返ってきたんだからね。

MG「そんなこと言っていいんだ?せっかく楽屋から持ってきてあげたのに。」

そう言ってポケットからいちごミルク味のチュッパチャップスを取り出すミンギュ。

「ミンギュヤー!」
MG「何?もうあげないよ。」

袋を開けてパクッと口に頬張るミンギュ。

「意地悪…。」
MG「食べたいの?」
「うん!」
MG「口紅取れるよ?」
「大丈夫!これ取れないもん!」

ほらと口紅が落ちないことを証明する。
それでもミンギュは飴をくれる様子はない。

「ミョンホヤ、後でチュッパチャップス買おう。」
MH「はは!いいよ!俺が買ってあげるよ。」
「本当!?ありがとー!」

前の席に座ってるミョンホと話してたら、急に肩を掴まれてペディンが肩からするりと落ちる。

「あ、ペディン落ちちゃったじゃん。」
MG「あーん。」
「ん?くれないんでしょ?」
MG「やるから、今日は俺から離れないで。」

何なんだ一体。
今日はハニオッパにもいつもより怒られたし、ミンギュも離れないでって。

んー、まあ、いいけど…。

MG「約束。」
「約束。」
MG「ん。はい。」

ミンギュの口から私の口に飴が移動してくる。
甘いいちごミルクが口いっぱいに広がって美味しい。

MH「2人凄いことしてるの気付いてる?」

ミョンホが呆れたように振り向く。

「凄いこと?」
MG「飴の舐め合いっこ。」
MH「カップルでもなかなかしないよ。」

…え。
確かにそうか…。何も考えてなかった…。
なんか急に恥ずかしくなってきた…。

MG「なまえ。」
「ん?」

急に耳元に顔を近付けくるミンギュ。

MG「今キスしたら、甘いかな?」
「……は?ちょっ、何言って…バカ!」

私の反応に悪戯に笑ってるミンギュ。
なんか…ムカつく…。

MH「それ俺以外の人の前でやらない方がいいよ。俺でもギリだからね。」
MG「はい。」

ミョンホの言ってる意味が良く分からないけど、まあこんな事人前でなんてやれないよね。

MN『そろそろ着くからね!』
「飴まだ食べてない!」
MG「噛んで。」
「まだ無理。オンニ、飴舐めたままでいい?」
MN『いや、ダメよ。前代未聞よ。』

捨てるの勿体無いけど、さすがに噛み砕くには大きいしなー。

MG「もう1個あるからそれ捨てな。」
「勿体無いじゃん。ミンギュ食べる?」
MG「じゃあ食べる。」

ミンギュの口に飴を戻せばゴリっと大きな音がした。

「顎大丈夫?」
MG「うん。ほら、小さくなったよ。」

そう言って少し小さくなった飴を戻された。
何だろ、餌付けされてる?

無事飴を食べ終えたとほぼ同時に会場に到着した。
前の車からスンチョリオッパとスヨンオンニが降りてレッドカーペットを歩く。

「あの2人ってお似合いだよね。」
MG「俺らの方がお似合いじゃない?」
「普段私チビだもん。ミンギュは背の高い人が好きなんでしょ。」
MG「え。」

そう言えば前に座ってるミョンホが笑いだす。

「ミョンホヤ!笑い過ぎ!」
MH「なまえは可愛いなって思って。」

どうせ私はチビで童顔ですよーだ。
次々と車から降りてポーズをとる皆んな。

整形しようかな、マジで。

MN『次だから準備してね。』

ペディンを脱ぐとミンギュがチョーカーを直してくれる。

車のドアが開いてミョンホが降りると、黄色い歓声と眩しいくらいのフラッシュが光る。

MG「なまえ。」
「ん?」
MG「なまえは俺にとって特別だから、身長なんて関係ないよ。」

そう言うとチュッと首筋にキスをして先に車を降りたミンギュ。

ねえ、最近みんなどうしたの?
私にどうしろって言うの…。

MN『なまえ、降りて。』
「あ、うん。」

ミンギュがそっと手を出してて、その手を握って車から降りれば、歓声とフラッシュの嵐。
本当に大スターになった気分。

「…え。」
MG「ファンサービス。」

予定ではミンギュと腕を組んで、レッドカーペットで撮影して、全体撮影だった。
だけどミンギュは私の腰に腕を回して体を引き寄せる。

まあファンが喜ぶならいいんだけど…。
あんまり、過度な接触は避けたいな。

全体撮影を終えまた車で会場へ戻る。

戻る時はsanctuaryと一緒。

IM『戻ったらキムミンギュぶっ飛ばす。』
SY『まあ盛り上がったからいいじゃない?』
IM『だめだよ!なまえオンニが今まで必死に気を付けてたのに!』

まあね…。
私は日本人ってだけで他のメンバーより風当たりが強いからね。

JW『でもカラットちゃんには好評みたい!』

早速エゴサをしてたジェウンが、コメントを読み上げる。

“ミンイブ来た!”
“ミンギュ念願のイブとのレカペ良かったね!”
“美男美女過ぎて画面割れるかと思った”
“sanctuaryとセブチと絡みまじ好き過ぎて吐きそう”
“ね、これ奥で見てるセブチの顔ㅋㅋㅋ表情管理して!”
“年末に幸せをありがとう!”

…え、なにその祝いムード。

AY『セイントのコメント面白いぞ!』

“ミンギュ、うちのイブをエロい目で見ないで”
“くそ!悔しいけどミンイブお似合い過ぎる”
“今日ほどミンギュになりたいと思ったことはないよ”
“ビジュ最高かよ!!!”

まあ、喜んでもらえてるなら良かったよ。

IM『どうかミンギュがエゴサしてませんように。調子に乗るから。』
AY『ははは!それには同意する!』

私個人のエゴサはするけど、セブチとのエゴサはしない。
怖いじゃん、何書かれてるか。

でも、良かった。

『なまえ、リップちょっと直すから来て!』
「はーい!」




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