【act.21 MG】

たぶんメンバー皆んな思ってる。
今日のなまえはヤバすぎると。

ホシヒョンなんてあからさまに谷間しか見てないし。

だからエスコート役に俺が選ばれた時は嬉しかった。今までは身長差があり過ぎてレカペのエスコート役に選ばれたことは無かったから。

可愛くて、綺麗で、セクシーで、本当に独り占めしたくなる。
誰にも見せたくない気持ちもあるけど、こんなに可愛いなまえはこんなに俺に懐いてるんだよって自慢したい気持ちもある。

あんまりにも可愛くて意地悪したくなった。

MG「今キスしたら、甘いかな?」

そう耳元で囁けば、耳まで真っ赤になるから可愛くて仕方ない。
こんな顔されたら、そりゃキスくらいしたくなる。

俺だって今すぐ真っ赤な唇に噛み付きたい。
だけど、ミョンホもいるしマネヌナもいるから、さすがに我慢して、首筋にキスを落とせば、また真っ赤になった。

飴の舐め合いっこはするのに、こんなんで照れるなまえは本当に可愛すぎる。
エゴサすれば、カラットちゃん達も俺となまえの絡みに喜んでくれてる。

JH「ヤーミンギュ!お前やり過ぎ!」
MG「何が?」
JH「レカペでなまえとくっつき過ぎだろ!」

楽屋に戻るや否やジョンハニヒョンがヤーヤー言って来た。

MG「ファンサービスだよ!ほら、カラットちゃんも喜んでるでしょ?」

エゴサしてた画面を見せれば、ジョンハニヒョンは「でもやり過ぎ!」と拗ねた。

ヒョンごめんね。俺ももう我慢してらんないよ。
今までみたいになまえヌナ!って無邪気に抱き着くだけの関係じゃもう耐えられない。

ウォヌヒョンがなまえにキスをしたって聞いて正直焦ってる。
なまえは純粋だから、きっとウォヌヒョンにキスされた事でいっぱいウォヌヒョンのこと考えたと思う。

今も考えてるかもしれない。
だから今度は俺でいっぱいにするんだ。

SC「カラットに需要あるけど、皆んなが皆んな、肯定してるわけじゃないんだから、程々にしとけよ。」

分かってるよ。でも、なまえは俺のだってアピールしないと。ヒョン達にも。

MN『そろそろ始まるから移動するぞ。エスコート役はそのまま席までsanctuaryのエスコート頼むな。』

楽屋を出てアーティスト用入り口で待ってると、新人だと言うヨジャドルが挨拶して来た。

『私達SEVENTEEN先輩の大ファンなんです!』

キラキラのアイドルらしい衣装に身を包んだヨジャドルの皆さんは、興奮気味に話しかけて来る。

私は誰のペンだとか、何とか言って。
そんなヨジャドルさんに負けじと、他のヨジャドルさんも寄って来て、いつぞやのアユクデを思い出した。

『私、ミンギュオッパのペンです!』
MG「本当?ありがとう!」

なまえまだかな。てか遅くない?

IM『ミンギュ!』
MG「何?」
IM『なまえオンニとはぐれちゃったから探して!』
MG「いや、なにはぐれてんの!?」
IM『手繋いでたのに離れちゃったの!』

なまえは人が多いとよくボーっとする。人に酔うみたい。
だから年末年始のアーティストが、集まる歌番組や授賞式の時はいつもはぐれないようになまえと手を繋いでおく。

それなのに気付いたらはぐれてたらしい。

こんな時身長が高いと便利だと思う。
小さいなまえも今日はブーツのおかけで170くらいあるから、いつもより簡単に見つかった。

あー、ナムジャグルに囲まれてんじゃん。あれはNCTか。まったく…。

『私、ミンギュオッパと会いー…』
MG「ちょっとごめんね。」

俺のファンだと言ったヨジャドルの言葉を遮り、なまえの元へ向かう。
楽しそうに話すなまえの声が聞こえる。
どうやら日本語で話してるみたいだ。

そう言えば前にNCTに日本人いるから話してみたいって言ってたっけ。まあジョンハニヒョンにダメだって言われて拗ねてたけど。

俺に気付かず日本語で楽しそうに話してるなまえに無性に腹が立って後ろから抱き締める。
NCTは驚いてるけど、なまえは全然驚いてない。

それどころか俺の腕を更にギュッと握る。

「ミンギュあったかい!」

言われてみればなまえの体はかなり冷たい。

MG「寒かったの?」
「うん!見て、唇青くない?」

コテンと頭を倒して、唇を突き出すなまえ。
いや、何それキスしてってねだってるみたいじゃん!

MG「リップ塗ってるから分かんないよ。」
「そっか!」

あははと楽しそうに笑ってるなまえにバカだなって言いながら、ジャケットのボタンを開けてなまえを中に入れる。

「あーあったかい。あ!ミンギュ!ユウタオッパも日本人なんだよ!ミモサぶりの日本人!」
MG「そうなんだ。“初めまして、SEVENTEENのミンギュです。”」

日本語で挨拶すれば、なまえもユウタさんも嬉しそうに微笑む。

YT(ユウタ)『“初めまして!NCTのユウタです!うわ、ミンギュさんめっちゃイケメンやし、なまえと居るとほんま恋人みたいやな!”』
「“ミンギュだけじゃなくて、セブチはみんな距離感バカなんだよ。”」
YT『“いやいや、なまえも普通にしてるあたり、同じやん!いやーでもホンマイケメンやな。美男美女カップルやわ!”』
「“ミンギュが聞いたら喜ぶよ!”」

俺を見て微笑むなまえ、何を言ってるか分かんなくて首を傾げると、ユウタさんが韓国語で言い直してくれた。

ユウタさんめっちゃいい人じゃん!

『そろそろ入場します!』

スタッフさんの声が響く。

「戻らないと怒られる!」
MG「そうだね。行く?」
YT『あ、ミンギュさん!後でなまえとカトク交換してもいいですか?』
「なんでミンギュに聞くの?」
YT『恋人だから?』
「や!違うから!」

ミンギュからも否定して!って言いながらも、ちょっと赤くなってるなまえが可愛い。
そんな反応されたら、期待しちゃうじゃん。

MG「ユウタヒョンならいいですよ!なまえヌナと仲良くしてあげて下さい!」
YT『ありがとう!ミンギュさんとも交換したいです!』
MG「もちろん!後で行きますね!行こ!」
『“またねー!”』
YT『“おー!あんまちょろちょろしたらあかんでー!”』

やっぱり日本人同士だと嬉しいんだろうな。

MG「なまえ。」
「ん?」
MG「抱きしめた時なんで俺だって分かったの?声も出してなかったのに。」

俺のジャケットの中にまだ入ったままのなまえに聞く。
抱き締めた時声を出してもないのに、なまえは俺だってすぐ気付いてた。

「んー、何でだろ。抱きしめられた瞬間、あ、ミンギュだって思ったんだよね。」

何それ、なんかそれめっちゃ嬉しい…。
なまえに抱き着く人はいっぱいいるのに、俺だって気付いてくれたなんて。

AY『なまえ!』
「オンニー!」
IM『間に合って良かった!ってミンギュ離れろ!』
HS「そうだぞ!なまえから離れろ!」
JH「なまえはこっち来なさーい!」

そう言ってなまえの手を引っ張るホシヒョンとジョンハニヒョン。
イリムは俺をふっ飛ばそうとしてる。

「待って待っー…無理!寒い!」
MG「お。」
JH「…なまえ!」
HS「イヤー!」

俺のジャケットから出た瞬間、寒すぎて俺に抱き着いてきたなまえを抱き締める。

JH「寒いなら俺の方においで。」
MG「ヒョン、ジェウンのエスコートしないと。」
JH「…ジェウナ、オッパを慰めて。」
JW『え、いやです。』
JS「ㅋㅋㅋ」

ジェウン、冷たい…ㅋㅋㅋ
なまえが寒がりで良かった。

「ミンギュ暑くない?」
MG「大丈夫、ギリギリまでここに居ていいよ。」
「うん。」

やばい、俺今日世界一幸せだ…。




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