【act.22 WZ】

出演するアーティストの集合写真を撮ったあと、楽屋に戻るアーティストと会場に残るアーティストに別れる。

俺らとsanctuaryの出番はまだ先だから、会場に残る。
一応グループ毎に座るのが基本だけど、年末ってことでアーティスト同士の交流の場にもなってるから自由に移動は出来る。

だから、アユクデ同様アイドルの合コンの場だなんて言われてるらしい。
だからこそ、俺らとsanctuaryは固まってることが多い。

sanctuaryとなら変な噂もたたないし、炎上もしない。
それにsanctuaryに近付いてくるナムジャグルを牽制できる。

「わー!イッジ可愛い!」
JW『オンニ動き過ぎ!』

ジェウンと腕を組み盛り上がってるなまえ。
さっきまでずっとミンギュが隣にいたけど、今はBTSのところに行ったからなまえの隣に座った。

WZ「お前、あんまり激しく動くなよ。」
「だって可愛いんだもん!あーオンニって呼んで欲しいなー!」
WZ「はいはい。」

なまえの膝から滑り落ちブランケットを拾って掛け直す。

「ありがとう!クシュン!」
WZ「寒いか?」
「寒い!見て鳥肌!」

ミンギュのジャケットを着てても寒いようで、鳥肌が立ってる。

DK「ジェウンは寒くないの?」
JW『寒いけどオンニ程ではないよ!』
SY『なまえの適温は狭いからね!』

確かに、暑いのも寒いのもだめだもんな。

「だめ、寒すぎる。そっちで立って踊ってていいかな?」
SY『セイントは喜んでくれると思うけど…。』
IM『その服で踊るのはダメだよオンニ。』
SG「全男がなまえヌナのペンになるから。」
「どう言うことㅋㅋㅋ」

スングァニの言葉に呑気に笑ってるけど、あながち間違ってはない気がする。

CT(カラット)『ウジオッパ!なまえオンニ温めてあげてー!』

俺らの近くに座ってたカラットがそう言えば、俺より先にジョンハニヒョンやホシが「え!?」っと反応する。

HS「俺は?」
CT『ホシオッパはオンニの胸しか見てないからだめ!』
「あはは!バレてる!」
HS「ヤー仕方ないだろ?」

じゃあ俺なら良いよね?となまえとジェウンの間に座ろうとしてるジョンハニヒョンより先に、なまえの肩を抱き寄せれば会場から悲鳴が上がる。

JH「ジフナ、ヒョンに譲りなさい。」
WZ「俺も寒いから無理。」
「ジフナも寒い?じゃあ一緒に入ろ!」

膝にかかってるブランケットを俺にもかけてくれるなまえに、また悲鳴が上がる。

JH「なまえー!オッパも寒いー!」
「ちょっ、重いって!」

ジョンハニヒョンがなまえに倒れ込むから、なまえは俺の方に倒れ込む。

WZ「ちょっ、1番重いの俺なんだけど…。」
「えへへ。」

えへへじゃないわ。
それでもあったいと抱きついて来るから、そのまま抱きしめてた。

WZ「あ、そう言えば来年リリースするアルバムの曲作ってるんだけど、お前も時間ある時来て。コラボの曲は2人で作りたい。」
「うん!ジフナは毎日いる?」
WZ「俺はほぼ居るかな。宿舎に迎えに行ってやるぞ。」
「本当!?じゃあ一緒に行こ!カトクして!」
WZ「おう。」

撮影がない時は暫く宇宙工場に入り浸りだな…。
まあ、なまえが来るならそれも悪くないんだけど。

その後ミンギュが戻って来て、ワーワーうるさいから隣を譲ってやれば、嬉しそうになまえの肩を抱き寄せる。

今日のミンギュはいつにも増してなまえにくっついてるな。

JS「ジフナはあれ見て何にも思わないの?」
WZ「あれって?」
JS「なまえとミンギュとか、なまえとハニとか。」

このヒョンは何が言いたいんだろう。
シュアヒョンはたまにこの質問を俺にしてくる。

JS「俺のなまえなのにー!とかならないの?」
WZ「え?いや、別に…。」

確かになまえが他のメンバーとくっ付いてるのを見ると嫌と言うか、何とも言えない気持ちにはなる。

だけど、俺から行かなくてもなまえから「ジフナー!」って来てくれるのが嬉しいから、俺からあんまりくっ付いたりはしない。

JS「あんまり余裕ぶってると、盗られちゃうよ。」
WZ「…は?」
JS「多分、ウジが思ってるよりライバルは多いんじゃないかなって思ってさ。」

ライバル?
いや、ライバルも何も俺は別になまえとどうこうなりたいなんて…

MG「ヌナ、まつ毛付いてる。」
「とって。」
MG「ヤー!取ってあげるから動かないでよ!」
SC「仕方ない、これなまえの好きな歌だから!」
WN「痛っ!おま、暴れ過ぎだから!」
「ははは!ごめんって!」
SG「ヒョン!今のうちにまつ毛!」
「化粧は取らないでね!オンニに怒られる!」
MG「じゃあ動くな!」

ミンギュの手がそーっとなまえの顔に近付く。
その瞬間反射的にギュッと目を閉じるなまえは、キスを待ってるかのようで、ドキッと鼓動が大きくなる。

きっと、皆んな同じ気持ちだ。

「ミンギュ、取れた?」
MG「え、あ、ごめん、まだ。」
「早くしてー!体がリズムを刻みたがってるから!」
DN「じゃあヌナの代わりに先に刻んどくね!」
JN「僕も!」
WN「俺も。」
DK「ヒョンまで動いたらダメじゃん!」

なまえを掴んでたウォヌも揺れ出して、結局曲が終わるまでなまえのまつ毛は取れなかった。

『sanctuaryはそろそろ準備します!』
SY『はーい!』

なまえ達が歌用の衣装に着替えに行く。
俺らは出番がもう少し後だからここからなまえ達のステージが見れる。

いつもは裏のモニターでしか見れないからちょっと新鮮な気分だ。

「ミンギュジャケットありがとね!ジフナー!」

ミンギュにジャケットを返し、ブランケットを持ったまま俺の元に来るなまえ。

「寒いから掛けといてね!」
WZ「おう。頑張ってこい。」
「うん!行って来まーす!」
HS「sanctuaryファイテーン!」

ほら、なまえはやっぱり俺に駆け寄って来るんだ。

自分のブランケットを俺に掛けると、メンバーに手を振って、それからセイント達に手を振って会場から出て行った。

SG「ヌナ達どんな衣装かな?」
HS「俺さっきよりセクシーだったら鼻血出ると思う。」
VN「恥ずかしいからやめてね。」
MH「先にティッシュ詰めとく?」
DN「それがいいと思う。」

お前ら!って笑ってるけど、みんな内心ドキドキしてるんだろうな、俺だってしてる。

JS「ヤバい、僕まで緊張して来た。」
WZ「たぶん皆んなしてる。」

セイントすらソワソワしてるから、思わず笑ってしまった。




ノベルに戻る I Addict