【act.23 SY】

楽屋に戻り歌唱用の衣装とヘアにチェンジする。

私は白のクロップドTシャツにレザーのプリーツスカート。
アヨンはチェックのクロップドベアトップにレザーのパンツ。
イリムは白タンクトップに革ジャンにレザーのショートパンツ。
ジェウンはチェックシャツワンピ。
なまえはレザービスチェにタイトレザースカート。

アヨン以外全員ガーターベルト。
また、セブチが騒ぎそうな衣装だわ…。

ヘアも巻いてたりアップにしてた髪を全員ストレートにする。
この早技はいつ見ても驚かされる。

IM『なまえオンニ、また谷間だね。ホシオッパが鼻血出すかもね。』
「え、鼻血?取り敢えずスタイリストオンニに苦情言う?」
『やめてよー!マネからもオッケーもらってるし!ほら、アヨンも谷間よ?』

アヨンはセクシーってよりかっこいいよね。
なまえも話してる時は可愛いんだけど、歌う時になると色気が…。

MN『そろそろ移動するよ!』

マネオンニと楽屋を出る。
楽屋を出れば一気に冷えるから、皆んなペディンを着てるけど、なまえは14センチのブーツから5センチのブーツに変わったから、ペディンが歩いてるみたい。

舞台裏に移動して、私たちの出番を待ってるとさっきセブチと話してた子達がコラボステージを終えて降りて来た。

『お疲れ様です!』

リーダーらしき子が私たちに頭を下げるから、私たちも挨拶をする。
さっきスンチョルから聞いたのは、この子達リーダー以外皆んなセブチのファンだと言うこと。

特にミンギュとハニとホシペンの子は俺らに会いたくてアイドルになったらしいと、さっきステージを見てる途中に言われた。

「お疲れ様でした!」
『……。』
「……え。」

だからなのか、何人かは私たちを見ることもせずただ頭を下げただけだし、その中の1人に関してはあからさまになまえを睨んで去って行った。

「あれ、私嫌われてる?」
IM『なんだあの新人感じ悪っ!オンニ、あんな奴らのことなんて気にしなくていいからね!』
JW『オンニが綺麗だから嫉妬してるだけだよ!』
「いや、それはないと思うけど…。」

確かにあそこまであからさまな反応するとはちょっとびっくりだわ。

AY『最近の新人ってやべーな。』
SY『それだけ好きなんじゃない?』
AY『それとこれは別だろ。スンチョルに言う?』

んー、今のことを伝えた所で何か変わるわけじゃないしな。
ミンギュとかハニになまえに近付くなって言っても無理な話だし…。

SY『取り敢えずいいんじゃない?実害がある訳じゃないし、様子見ようよ。』
AY『そうだね。変な動きしたら容赦しない。うちのメンバー傷付けるやつは許さんよ!』

アヨンとイリムがいるだけでsanctuaryは頼もしいよ。

SY『アヨンと同じグループで良かった。』
AY『あはは!何だよそれ!』

そんな話をしてたら、私たちの前のグループの歌唱が終わりに近づいて来てる。

「おー!ユウタオッパかっこいい!さっきは面白い関西人だったのに!」
IM『え、オンニNCTと知り合いなの?』

それは私も初耳だけど。

「さっき知り合った!同じ日本人だから意気投合しちゃって!」
JW『そっか!ユウタさんも日本人だったね!』

なるほど、それなら安易にダメとは言えないな。

SY『熱愛報道だけは気をつけるように!』
「あはは!ないない!ユウタオッパは本当にお兄ちゃん!って感じだから!」

まあ、向こうはどう思ってるか分かんないけどね。

MN『そろそろ、準備して!』

ペディンを脱ぎマイクとイヤモニを装着する。

「お!終わった!ユウタオッパー!“お疲れ様!さっきとは別人でかっこよかったよ!”」
YT『“おー!なまえやん!って失礼な!またセクシーやな!ミンギュくんに怒られるで?”』
「“苦情はスタイリストオンニへって言っておくね!”」
YT『“せやな!頑張って来てな!急いで見て来る!”』
「“あはは!こけないようにね!行って来ます!”」

ハイタッチをして私たちの元に戻って来たなまえ。あの感じだとなまえの言う通り本当にお兄さんって感じっぽいな。

SY『いいお兄ちゃん出来て良かったね!』
「うん!ミンギュとも仲良くなったんだよ!」

ミンギュとも?じゃあ問題ないか。
まあ、ハニはうるさそうだけど。

『sanctuaryの皆さん、お願いします。』
SY『はい!』

ステージに1人ずつ上がってスポットライトが当たる。
その度に歓声と悲鳴がおこる。

最後にステージに上がって来たなまえにスポットライトが当たった。

その瞬間会場中が悲鳴に包まれる。
そんな中でも分かるセブチの絶叫、ねぇあんたらちょっといい加減にして。

一瞬後ろを見たなまえが笑い堪えてんじゃん!

今年の初めに出した激しいロック調のダンス曲、続けてセブチからの説教を受けたセクシーな曲。

【참을 수 없는 당신에 대한 마음,
이제 누구에게도 방해하지 않을 거야,
아무도 안 봤으니까,
저기, 빨리 여기서 키스해줘】

だめだ、セブチ見たら笑っちゃう。
何ちゅう顔してんのよ!

今にも蕩けそうな顔してるセブチは後で説教だな。
そう心に決めながら何とか歌い終えステージを降りた。

「…オンニ、私セブチぶっ飛ばそうかと思う。危うく笑いそうになった。」
IM『私も。アイドルの表情じゃなかったよね。』
AY『あんなんで一緒にコンサートとか出来んのかよ!まじで死ぬんじゃね?』
SY『そうだね。慣れてもらわなきゃ。』
JW『やばい、オンニ達が団結した!』

衣装のまま会場に戻ると、待ってましたとばかりにセブチが席を空けるから堂々と座ってやった。

SC「sanctuary良かったよ!」
JS「うん!会場中盛り上がってた!」
SY『ありがとう!でも、あんたの弟達の表情管理気を付けてね。危うく笑いそうになったよ!』

そう言って怒ればスンチョルは呑気に笑いながら謝ってきた。
いや、笑い事じゃないってば…。

JH「なまえ!なんでまたこんなに露出して!」
HS「俺まじで鼻血でそう。」
AY『やめろ変態!』

君たちアイドルなんだから、もう少しシュッとして欲しいわ…。

WZ「なまえ、ブランケットサンキューな。」
「ジフナ!ありがとう!ステージどうだった?」
WZ「良かったよ、かっこよかった!俺ら準備するからこれ着とけ。」

ジフニがなまえに自分のジャケットを着せる。
何だかんだやっぱりジフニもなまえが好きなんだよな…。

「へへ、ありがとう!頑張って来てー…ってミンギュ?どうしたの?」

いつものようになまえにバックハグするミンギュに悲鳴が上がる。

MG「いつものサイズに戻ったから可愛くて。」
「ちっちゃくて悪かったな!早く行ってこーい!」
MG「ちゃんと見ててね!」
「踊っとくね!」
MH「なまえ、それはやめてね?」

ミョンホに釘刺されてたけど、なまえとイリムとアヨンは楽しそうにセブチと一緒に踊ってた。

メンバー達もそんななまえ達に気付いて、嬉しそうに笑ってる。
あー、歌謡祭でなにしてんのよ…。

明日のネットニュースが怖いわ…。




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