【act.13 なまえ】

ジフニとご飯を食べ宿舎に戻る。
と言っても宿舎のマンションは同じで、階が違うだけだけど。

WZ「じゃあ明日な。」
「うん!お休み。」

ジフニと別れ宿舎のロックを解除する。

「ただいまー。」
IM『オンニお帰り!ちょうどお風呂空いたから入っていいよ!』
「ありがとー!じゃあ入ってくるね!」

自室から下着やら部屋着やらを持ってお風呂場に直行する。

やっぱりウォヌにキスされかけたなんて、誰にも言えないよな…。
言ったところでどうこうなるわけじゃないし。

そもそもウォヌは私のために、キスしようとしてくれた訳だし、相談も何もないか。

“今のでそんな顔赤くしてたらオッケーもらえないぞ。”

ウォヌの言葉が頭に浮かぶ。
実際あの時、鏡なんて見てないからどれくらい赤かったのかなんて分からない。

でも、顔が熱くなったのは感じた。

台本を見る限り、キスで照れるような役じゃない。
どうせなら、等身大の私に近い役にしてくれれば良かったのに…。

セブチのメンバーなら多少顔が近くても大丈夫だと思ってたのに、ウォヌだからかな…。
ホシとかならなんか平気だと思うんだけど…。

まじでどうしよう。
演技そのものも自信ないのに!

ミンギュだったら聞いてくれるかな…。

カトッ!
お湯に埋まってたら、カトクの通知音が聞こえた。

민큐

何してる?


ミンギュからカトクが来た。
ほぼ毎日連絡はくるから、もはや日課になっている。

お風呂


민큐

すぐ行くね



変態


そう返すとすぐに電話が鳴った。
お風呂だって言ってんのに電話してくるなよ。

そう思いながらも通話ボタンを押してる自分は、やっぱりミンギュに話を聞いてもらいたかったのかもしれない。

「もしもし?」
MG「(変態って酷くない?)」
「いや、お風呂覗きに来ようとしてたら変態でしょ。」
MG「(覗きに行こうと思ってないよ?)」
「じゃあ何?」
MG「(一緒に入ろうと思ったの。)」

…え、いや、それも十分変態だと思うんだけど。
そう言えば、カップルなら普通だって言うから妙に納得してしまった。

確かに漫画でもカップルでお風呂に入ったりしてたわ…。
でもそれはカップルだからいいんであって、私とミンギュはカップルじゃないからね。

やっぱり変態じゃん。

MG「(ねぇ、なまえ。)」
「うんー?」
MG「(会いたい。)」
「明日会えるじゃん?」
MG「(今すぐ会いたい。)」

今日のミンギュは一体どうしたんだろう。
そりゃいつも急に会いたいとか言ってくる時はあるけど、いつもより真面目と言うか、何と言うか、声のトーンが違う気がする。

「なんか嫌なことでもあった?」
MG「(…うん。なまえは?今日どんな日だった?)」

本当にどうしたんだろう。

「話聞くよ?」
MG「(ううん。大丈夫。なまえはどんな日だったの?)」

どんな日か…。

「そうだなぁ…、感情が忙しい1日だったかな。」
MG「(…そっか。)」

やっぱりいつものミンギュじゃない。
そりゃいつも元気いっぱいなのが当たり前とは思ってないし、たまに元気のない時だってあるけど、それともまた違うと言うか。

どこか苦しそうな感じがする。

「お風呂上がったら会う?」
MG「(ははっ!ありがとう。会いたいけどなまえが風邪引いたら困るから明日まで我慢するよ。)」

我慢?ミンギュが?

「私は大丈夫だよ?そっち行こうか?」
MG「(ううん、大丈夫。なまえの声聞けただけで幸せ。そろそろ切るね。おやすみ。)」
「うん、おやすみ…。」

ミンギュどうしちゃったんだろう…。
本当に何も無いんだろうか。

宿舎行って様子見てくる?
いや、でもミンギュはウォヌと同じ宿舎だし、もしばったりウォヌに会ったら、どんな顔したらいいのか分かんないしな…。

一応カトクしておくかな。


何かあるなら言ってね?


민큐

ありがとう!大丈夫だよ!心配かけてごめんね!
なまえ大好き!おやすみ



そう?無理しないでね?おやすみ






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