【act.18 MG】

ウォヌヒョンとキスをしたと聞いてから、初めてなまえに会う。
いつも通り会うはずだったのに、メンバーと楽しそうにしてるなまえを見たら無性に腹が立った。

子供っぽいな俺…。
彼氏でも無いのに勝手にヤキモチ妬いて…。

今だって酔っ払ってウォヌヒョンの膝の上に乗ってイチャイチャしてる。
それはいつも俺かウジヒョンの役目なのに…。

SG「ヒョン、拗らせ過ぎ。」
MG「…え?」
SG「ヤキモチ妬いてるでしょ。」

そりゃ妬くよ。
でも妬いたところでどうしようもないことくらい分かってる…。だから余計に苦しい。

JH「逆になまえにヤキモチ妬かせてみたら?」
SG「それいい!」
MG「いや、ヤキモチ妬かせるってどうやって?」

確かになぁと頭を抱えるジョンハニヒョンとスングァニ。
なまえが俺にヤキモチを妬いてくれたら嬉しいけど、きっとなまえは妬かない。
ジフニヒョンにしか、なまえは妬かない。

SG「でもヌナ、今ヒョンのこと気にしてるよ?」
MG「…え?」

なまえの方を見ようとしたのに、ジョンハニヒョンに首を抑えられた。

MG「ヒョン、何すんのさ。」
JH「いい考え思い付いたの!」

そう言ってニヤリと微笑むジョンハニヒョン。
絶対何か企んでる顔してんるじゃん。

SG「いい考えって?」
JH「なまえに素っ気なくする。」
MG「いや無理。」
SG「はやっ!」

いや、そんなの無理に決まってんじゃん!
そりゃウォヌヒョンの膝の上に座ったり、メンバーと仲良くしてるなまえを見てたら腹立たしいし、ヤキモチも妬く。

でも、なまえに素っ気なくするなんて絶対に出来ない。

JH「取り敢えず今だけでもやってみな。ほな、来たよ。」

今だけって…。
てかヒョンもなまえのこと好きなんじゃないの?
それなのに俺にアドバイスなんてしていいわけ?

まさか、罠だったりして…。

「…ミンギュ。」

少し落ち込んだような声で俺の名前を呼んだあと、ピタッと背中にくっついてくるなまえに、自然と顔が綻ぶ。

JH「(ミンギュ!)」

ジョンハニヒョンに口パクで怒られ、振り向いて抱きしめたい気持ちをグッと抑える。

JH「エギや、どうした?甘えたくなったの?」

ジョンハニヒョンの言葉にふるふると首を振るなまえ。

だめだ、可愛すぎる。

MG「なまえヌナ、どうしたの?」

ジョンハニヒョンとスングァニを見たまま、出来るだけいつもより落ち着いたトーンでなまえに声を掛けた。

「…ミンギュこそどうしたの?体調悪い?」
MG「…別に。大丈夫だよ。」

そう言って、グラスに入ったお酒を飲み干した時だった。

「…ぐすっ…みんぎゅやぁ…。」

…え?
…ええ!?

もしかして…泣いてる?

JH「効果あり!」

なまえに聞こえないくらいの声でグッドと親指を立てるジョンハニヒョン。
いや、効果ありって、俺、なまえ泣かせたの?

…無理だ。
俺の背中で俺の名前を呼んで泣いてるなまえにらこれ以上素っ気なくなんて出来ない。

MG「ヌナ?どうしたの?おいで。」
「うぅ…みんぎゅやぁ…!」

振り向いてなまえを膝の上に座らせる抱きしめると、さっきよりも泣き出すなまえ。
…あれ?逆効果だった?

IM『あー!ミンギュお前何オンニのこと泣かしてんだよぉぉぉ!』
JS「はいはい、イリムはこっちで大人しくしてようね。ほら、これ食べるでしょ?」

シュアヒョンがイリムの気を逸らしてくれる。

SG「ヌナ、何で泣いてるの?」
「うっ…だってミンギュが、元気ないから…。昨日も元気なかったし…。」

確かに、カムバ最終日に楽屋に応援に行った時、なまえが無理してるのが分かって、その2日後ぐらいにウォヌヒョンとキスしたって聞いてから元気は無かった。

MG「ヌナのせい。」
「…え、私のせい?」
MG「そう。全部なまえのせい。」

俺の言葉になまえの目が再びどんどん潤んでいく。
そんな泣き顔すらも可愛いと思う俺はもう重症かもしれない。

「ミンギュや、ごめんね…?」
MG「やだ、許さない。」

可愛い顔して謝っても、許してあげない。

「…うっ…みんぎゅぅ…、嫌いにならないで…。」

俺の胸に顔を埋めて泣くなまえの背中を撫でる。
嫌いになんてなるもんか。

むしろ、嫌いになれる方法があるなら教えて欲しいくらいだよ…。

JH「エギやぁ、おっぱはなまえのこと好きだよー!」
SG「ちょっとヒョン今は黙ってて!」

ありがとうスングァナ。

ミンギュごめんねって泣きながら胸に顔を埋めるなまえ。
俺のために泣いてくれてることが嬉しくて仕方ない。

ジョンハニヒョンが言った素っ気なくするって、効果あるのかもな…。

「…嫌いになった?」

真っ赤な目で俺を見上げるなまえの涙を拭う。

MG「…なるわけ無いじゃん。」
「…でも、怒ってる…。」
MG「俺には隠し事も嘘も付かないでくれたら許すよ。」
「…どっちもしてないもん……。」

なまえは分かりやすい。嘘をつくのも隠し事をするのも苦手な方だと思う。
でも、自分の体調不良と、自分の気持ちを隠すのだけは上手い。

MG「そうやって嘘つくならもういいよ。どいて。」
「やだぁ!」

…か、可愛い……。
可愛すぎる…。

MG「…はぁ。じゃあ隠し事も嘘も俺にはつかないで。些細なことでも言うこと。体調悪かったらすぐ言うこと!分かった?」

涙目のままコクリと頷くなまえを、やっと抱き締める。
何で俺だけのなまえじゃないんだろう…。

SY『そろそろお開きにする?』
SC「まだだろー!スヨン飲んで。」
AY『今日は飲むぞー!ほら、ジョンハナもスングァナも!』
SG「えーヌナもヒョンもザルだからやだ!」
JH「まあいいじゃん!たまにはね?」
JS「俺はイリム送ってくるわ。」

イリムはすっかりシュアヒョンに抱きついたまま寝てる。

MG「なまえも帰る?」

なまえだっていつもより酔ってるから、そろそろ眠いだろう。
泣いた際もあって、目がとろんとしてる。

そんな顔してたら狼に襲われちゃうよ。

「…やだ、ミンギュと一緒に居るの…。」

何だよそれ…、本当可愛い…。

MG「…じゃあ一生…、死ぬまで俺のそばに居てよ。」
「うん…いる。」

そう言って、俺の腕の中で安心した顔で眠りについたなまえを優しく抱きしめる。

きっと明日になったらこの会話はなまえは覚えてないだろう。
それでも俺は、幸せだ…。




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