『お待たせしましたー!』
「ちょっ、声大きいよ!」

セロムの声にスタッフもセブチの何名かも私に気付く。
肝心のあいつはヨンアさんとの話に夢中で私に気付いてないようでホッと胸を撫で下ろす。

HS「お、おまっ、本当になまえか!?」
「そうですよ。何ですかその反応。」
JH「うわぁ…めっちゃ綺麗だね。一周してみて。」
「え?」

ジョンハンさんに手を握られくるっと回される。

『分かりましたか!?オンニは超絶美人なんです!』

えっへんっと音が出そうなくらい威張っているジホンが可愛くてギュッと抱き締める。

WN「いいな。」
「え?」
JH「ぎゅって?」
WN「そう。」
「何言ってるんですか。」

それから少しだけ話して、プロミの皆んなはマネージャーさんに連れられて挨拶周りへと向かう。

私はと言うと、ジョンハンさん、ホシさん、ウォヌさんに囲まれてる。

JH「でも本当に綺麗だね。」
「ジョンハンさんほどでは…、て言うか酔ってます?」

いつもより少し頬を染めて、ぽわんとしてるジョンハンさんの顔を覗き込む。

JH「なまえに酔ったぁ。」
「…はい?もう飲み過ぎちゃダメですよ。お水いりますか?持って来ますよ?」
WN「俺が持って来るよ。なまえは今日は俺らから離れない方がいいね。」

え?
それはどう言う意味かと首を傾げウォヌさんを見上げる。

WN「…エロい。」
「は?」
JH「俺もそう思う。」
「…お二人ともお酒やめましょうか。」
HS「いやぁ、まじエロいなまえ!めっちゃいい!」

酔ってるせいでいつもよりも声のボリュームを間違えてるホシさんのせいで、他のメンバーもいそいそと近寄って来る。

VN「うわぁ!ヌナめっちゃ綺麗だね!」
JN「お姫様みたい!」

こんなイケメンに囲まれて褒められると照れてしまう。

『おぉ、久し振りだな、こんななまえ見るの。』
『そうだな!セブチのマネになってから化粧してなかったもんな!』

スジョンオッパとサンウオッパまで加わってしまい、ちょっとした人だかりみたいになってしまっている。

DK「ヒョン達はなまえのこの姿みた事あるの?」
『まあな、マネ同士は事務所で顔合わせたりしてたからな!』
『去年の忘年会も綺麗だったよな。』

去年の忘年会って言葉に、心臓がズキンと痛くなる。

「そ、そんなことどうでもいいです!はい、皆さん忘年会なんだから好きに飲んでください!」
JH「さっきまでは飲み過ぎるなって言ってたくせに。」
「いいんです!」

さぁ行った行ったとシッシと合図をした時だった。

『もー!皆んな何して…え!?誰!?』

私たちの輪に入って来たのはピンクのスパンコールのミニドレスを着たヨンアさんと、ヨンアさんをエスコートするエスクプスさん、スングァンさん、そして、ミンギュだった。

SG「ヌナ!?なまえヌナなの!?うわぁ!めっちゃ綺麗!!!」
SC「綺麗だけどちょっと露出多くねぇか?」

まあ露出は多いよね…。

「私もそう思います…。」
『なまえ!ちょっといいか!』
「はい!ちょっと行って来ます。」

スジョンオッパに呼ばれて輪を抜ける。
ミンギュの顔は見ないように、何事もないように通り過ぎた。

会社のお偉いさん、ようは株主さんに挨拶をする。
私はこの人が苦手だ。
会うたびにニヤニヤと私を舐め回すように見ては、さり気なく腰に腕を回して来るから。

アイドルの子達に手は出せないけど、私ならいいと思っているのだろう。

『なまえさんは相変わらず綺麗だね。最近は全然女性らしくないって社長から聞いてたけど…。』

舐めるように私を見て、そっと腰に腕を回す。

「忙しくて…。」

そう言ってさり気なく逃げようとしたのに、男の人の力には敵うわけもなく、オッパ達も下手に口出しできなくて困った顔をしてる。

『今日は飲んだのかな?目も潤んでるし、頬もちょっと赤いようだけど。』

それは風邪引いて熱あるからで…。

『そんなエロい顔されちゃ困っちゃうなぁ。』
「ご冗談を、私なんて…」
『この後はもう仕事ないよね?』
「え、いや、まだ仕事は…」
『忙しいんですよ、俺らもまだ仕事あるんです。』

すかさずスジョンオッパが助け舟を出してくれる。
だけどこの人がそんな簡単に諦めてくれる人じゃないことも私たちは知っている。

『今日1日くらいいいじゃないか。』
「…申し訳ありませんが……」
「なまえぃ!ちょっと来て!」

ジョンハンさんの私を呼ぶ声に顔を上げる。

JH「すみません!なまえ借ります!」

そう言って私の腕を引っ張り、その場から助け出してくれた。

「あ、あの!ジョンハンさん!ありがとうございます、助けてもらって。」
JH「俺らもいつもなまえに助けてもらってるからね。それに…」

ジョンハンさんの顔がグッと近づいて来て、オデコとオデコがコツンと当たる。
突然の出来事に頭が回らない。

JH「ほら、やっぱり熱ある!」
「…え?」
JH「あのエロ親父も言ってたけど、今日なまえずっと熱あるでしょ。それなのにこんな薄着して!」

ジョンハンさんのことをセブチのお母さんとファンの子達が言うけど、自分のジャケットを私に掛けながらまったく!なんて小言を言ってる姿は本当にお母さんのよう。

「ふふっ!」
JH「…何笑ってるの?俺、怒ってるんだけど?」
「すみません…、でも、本当にお母さんみたいだなって思って。」
JH「…そこは彼氏とか言ってよ。」

…え?
綺麗な顔と目が合って慌てて逸らした。
全く、こんな綺麗な顔の人が酔ってこんなこと言うなんてタチが悪い。

「着替えて来るのでジャケット着てください。私よりジョンハンさんが風邪引いちゃいます。」
JH「着替えて来てから返して。」

ジョンハンさんはそう言うと私の頭をふわっと撫で、会場に戻って行った。

本当に人たらしだな。全く。
でも、ジョンハンさんいい匂いしたな…。あったかくて優しくて…。

あいつとは違う、優しい匂い。

はあ…何考えてるんだろう。
よし、早く着替えてオッパ達に挨拶して帰ろう。




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