【04 あなたの好きな人 ーなまえー】
練習の日はなるべく朝ご飯を作ってあげている。
前まではミンギュが作ってたみたいだけど、忙しくなった今、さすがに彼1人にそれをやらせるのは可哀想なので、私が作っている。
一度住み込みで働けば?なんて提案を代表にされたが丁重に断った。
私の車には、寝坊組の2人、ジョシュアさん、ディノさん、そしてミンギュが乗ってる。
全員乗ったことを確認して車を発車させる。
ミンギュはちゃんと助手席に乗った。
「サンドイッチ食べてくださいね。あ、ウジさんはおにぎりです。」
WZ「ありがとう。」
DN「ウジヒョンだけいっつも特別でずるい!」
ディノさんがぶーぶー文句を言ってる。
そう言えばホシさんとジョンハンさんにもそんな事言われたことあったな。
「ウジさんはお米が好きなので。」
WZ「そう言うこと。ん、美味い。」
美味しいと食べてくれるのは本当に嬉しい。
事務所に着き、練習室に向かう。
スヒョクオッパがみんなに今日の予定を伝える。
「お昼はトッポッキでいいですか?」
SC「うん!それでお願い!」
「了解です。頑張ってくださいね!」
みんなにヒラヒラと手を振り練習室を出て、私たちは自分たちの部屋へと向かう。
午前中は、出来上がってきた衣装をチェックして、MVのコンセプト映像の確認をした。
『お待たせしましたー!トッポッキです!』
『ありがとうございます!よし、持ってくか。』
13人分の成人男性が食べる量は半端では無い。
大人3人でやっと持てるくらいの量だ。
その量のトッポッキと飲み物を練習室に運ぶ。
『飯だぞー!』
オッパが叫びながらドアを開ければ、練習をやめやったーと走って来るメンバー達。
JS「なまえ持つよ!」
「ありがとうございます。じゃあ食べ終わったら隅っこに置いといてください。あとで回収しに来まー…」
JH「なまえも一緒に食べようよ。ヒョン達はどうせ、愛妻お弁当でしょ?」
そう、オッパ達は2人とも結婚してるから、いつもお弁当がある。私は自分で作る時もあれば、ペダルや食べに行くこともある。
「私もお弁当があー…」
MG「嘘だ!絶対ないくせに!ヌナも一緒に食べよ!」
HS「そうそう!はいなまえこっち来い!」
「え!?あ、ちょっ…!」
ホシさんに背中を押されて、ホシさんとウォヌさんの間に強引に座らされた。
確かに今日はお弁当作る暇は無かったけど…。
『じゃあごゆっくりー!』
『午後衣装合わせあるからな!』
サンウオッパの残した言葉に一瞬みんなが硬直するから思わず笑いそうになった。
HS「ち、なまえ!何食べる?これにする?取ってあげるね!」
ホシさんが取り分けてくれようとしてるけど、私は辛いものが苦手で、チーズトッポキかロゼトッポッキしか食べれない。
それもお店によっては辛すぎて食べれないけど。
でも、私のために取り分けてくれようとしてるホシさんに言いづらい…。
MG「ヌナ辛いもの苦手だからチーズかロゼがいいよ。」
HS「え?そうなの!?じゃあそっちにするね!」
「あ、ありがとうございます…。」
ホシさんがチーズとロゼのトッポッキを取り分けてくれた。
SG「僕ヌナが辛い物苦手って知らなかった!」
うん、そうだよね、だってミンギュにしか言ってないもん…。
俺も僕もなんて全員が口を揃えて、ミンギュに視線が集まる。
JS「ミンギュは何で知ってるの?」
MG「ん?雑誌撮影の時の帰りの車でそんな話になったんだよね?」
「う、うん!そ、そうです!好きな食べ物の話とかしてて。」
みんなは納得してくれたのか、そうなんだと言いながらトッポッキを食べ始める。
良かった…、何とか誤魔化せたみたい。
ミンギュにはちゃんと口止めしておかなきゃ…。
それにしてもいつ見てもこの人達はよく食べる。
まああんだけ激しく動いてたら食べないとやってられないか。
あっという間に空っぽになったトッポッキ。
WN「なまえちゃんと食べた?」
「はい。食べましたよ。って見てたじゃないですか。」
WN「少食だなって。」
少食か?まあ、少食な方だろう。
子供の頃からずっと少食だし、食べるのも遅かった。
けれどマネージャーになってからは更に食べる量が減った。
減ったと言うか、減らざるおえなかった、に近い。
WZ「俺らの心配ばっかしてないで、自分の心配もしろよ。」
「…承知しました。」
さて、片付けますか!
大量のトッポッキのゴミを片付け始めると、何も言わずにミンギュとバーノンさんが手伝ってくれる。
「私が片付けるのでいいですよ。2人は休んでてください。」
VN「ヌナ1人じゃ大変でしょ?大丈夫。」
MG「早く片付けた方がヌナもゆっくり休めるでしょ?」
それはそうだけど…。
「ありがとうございます。」
2人に丁寧に頭を下げて、私の横で転がってるウォヌさんとホシさんを見てクスッと笑った瞬間だった。
『みんなぁー!ひっさしぶりー!』
透き通るような明るい声で練習室に入って来た人物に、1番最初に反応したのは、ミンギュだった。
MG「ヌナ!」
片付けの途中で練習室に入って来た人物の元に、それは嬉しそうに走って行くミンギュ。
そんなミンギュに続くように、数人のメンバーもその人物の元へと駆け寄る。
MG「ヨンアヌナ久しぶり!寂しかったじゃん!俺はずっと会いたかったのに!」
『ごめんごめん!ちょっと作曲に行き詰まってて!でもまだ1週間だよ?』
MG「俺は毎日でもヨンアヌナに会いたいの!」
SG「ずるい!僕もヨンアヌナに会いたかったです!」
メンバーの中心でキラキラと輝くように微笑んでる女性は、ヨンアさん。
この事務所のソロアーティストで、スタイルも性格も顔も良い、パーフェクトな人。
そして、ミンギュの好きな人。
WZ「ミンギュ!最後まで片付けてから行けよ。」
MG「ごめんごめん!ヌナ、やっといて!」
「…はい。」
片付けてる途中でヨンアさんに駆け寄って行ったミンギュの代わりに、ウジさんとウォヌさんが横になっていた体をのっそりと起こした。
WN「手伝うよ。」
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。皆さんもヨンアさんの所に行って下さい。」
WN「俺、ジフニ、ボノニが駆け寄って行った事ある?」
ウォヌさんの言葉にここ数ヶ月の記憶を蘇らせてみる。
「…ないですね。」
WN「でしょ。」
「でも行きたいなら行って頂いて大丈…」
WZ「いいから、早く片付けてのんびりしよ。」
VN「ヌナ、いつもありがとうね。」
なんだこののんびりした3人は。
でも、3人が居てくれて良かった。
「ふふっ。こちらこそありがとうございます。」
3人まで居なくなってたら、ちょっと辛かったかもな…。
→
ノベルに戻る I
Addict