【04 VERNON】
スビンヌナの妹のなまえがやって来て、1週間が経った。
スングァン情報曰く、俺と同じ歳らしい。
初日からスングァンとドギョムヒョンがなまえに話しかけてたけど、なまえの反応は他人行儀で、今まで見て来た人達とは全然違っていた。
今はスングァンのベースメイクをしてるなまえ。
なまえはまだスキンケア、ベースメイク、リップとファンデの治ししかしてないし、担当するメンバーも偏ってる。
だから俺はまだ一度もなまえと関わったことがない。
SG「最近乾燥するんだけど、このクリームじゃない方がいいかな?」
「スングァンさんはインナードライなので、こっちのラインのほうがいいと思います。」
どこか俺らと一線を引いてる彼女とスングァンのやり取りは、側から見ると面白い。
人懐っこい犬と、人嫌いな猫って感じ。
DK「よいしょー!」
元気よく俺の隣に腰を下ろすドギョムヒョン。
相変わらず元気だな。
DK「全然笑ってくれないんだよね。」
VN「え?」
DK「なまえちゃん。」
まあ、それは見てたら分かりますけど…。
VN「人見知りなんじゃない?」
DK「もう1週間も経つのに?」
すごい人見知りかもしれないし、と付け足すとドギョムヒョンはかもねと呟いて、優しい笑みをなまえとスングァンに向ける。
DK「でもさ、ヌナにもあの調子なんだよ。笑わないし、なんか見えない壁があるんだよね。」
確かにヌナに対しても、なまえがあまり笑いかけてる所は見たことがない。
ウォヌヒョンみたいにもともと大人しい性格なのかかな…。
DK「俺はなまえちゃんの笑った顔が見たい!」
VN「恋じゃん!」
DK「違うよボノナ、兄心だよ!」
いや、どっちでもいいです。
SG「今日もだめだった…。」
どんまいと肩を落とすスングァンのお尻を叩く。
どうやら2人はなまえの笑顔を取り戻せ作戦と言う謎の作戦を遂行してるらしい。
「ドギョムさん、お願いします。」
DK「はーい!ヒョンに任せなさい!」
グッと親指を立てて勇ましくなまえの元に行ったドギョムヒョンだったけど、数分後には今日も完敗ですと項垂れながら戻ってきた。
どんまい。
撮影開始から既に10時間、そろそろ眠たくなってくる。
俺らは撮影中でも休憩があるけど、スタッフさん達はない。
『ボノナ!ベースよれて来たから直すよ!』
VN「んー。」
スビンヌナに呼ばれて眠たい体を引き摺りながらヌナも元へ行く。
JH「ヌナ!目擦っちゃった!」
『え!?ちょっと待ってね!なまえ!』
ヌナがディノのメイクを直してるなまえを呼ぶ。
『ディノが終わったらボノニのベース直して!出来る?』
「大丈夫です。」
あ、初めてなまえにやってもらうんだ。
ちょっと緊張しながら、ディノが終わるのを待つ。
「これで大丈夫だと思います。」
DN「ありがとう!ヒョン、どうぞ!」
VN「お、thank you。」
ディノがピョンと椅子を降りる。
その椅子に腰を掛ける。
なまえはいつも手にしてるメモをすごい速さで捲る。
【バーノンさん】
日本語と韓国語と一緒に似顔絵付きで丁寧に書かれてるメモに思わず目を見張る。
VN「わお!」
「え?」
VN「あ、ごめん。バーノンです、よろしくお願いします。」
絵が上手過ぎて思わず声が出てたようだ。
「よろしくお願いします。不備があったら仰ってください。」
メモを見ながら、俺に合うファンデの色を丁寧に塗り始めるなまえ。
スビンヌナみたいに早くはないけど、丁寧な筆捌きがなんか心地良くて、自然と瞼が閉じていく。
「…ノンさん、バーノンさん。」
名前を呼ばれゆっくりと目を開けると、申し訳なさそうな表情を浮かべたなまえが目に入った。
VN「ごめん、今俺寝てた?」
「はい。」
VN「…がっつり?」
俺がそう聞くと、なまえは何かを思い出したのか肩を震わせる。
…ん?最初は泣いてるのかと思ったけど、どうやら笑いを堪えてるようだ。
VN「俺、何かしてた?」
「え、あの…ごめんなさい…。ね、寝言を仰ってて…。」
目は合わせてくれないけど、かなりツボだったのか、肩がさっきよりも激しく揺れてる。
VN「なんて言ってた?」
「…肉と米はセットだから、キムチをくれって…仰ってました…。」
…謎過ぎる。寝言って怖い!
VN「意味不明じゃん。」
「…ふふ、はい。」
でも、なまえが笑ってくれたんなら良かったかもしれない。
VN「普通に笑えるじゃん。」
そう言えばなまえはなぜか口を抑えてすみませんと呟き、また背を向ける。
いや、謝ってるけど肩まだ震えてるからね!?
まあ、いいか。
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