【act.01 MINGYU】
そう、いつも通り…、いつも通りだったんだ。
何も変わったところなんてなくて、本当にいつもと同じだったんだよ…。
なのに…何なんだこれは…。
「……ミンギュ…、変な顔して…、どうし…あれ……?」
MG「なまえ…なまえ!おい!なまえ!!!」
「…うるさいよ……まったく…ねえ、ミンギュ…なんか…寒い…、何でかな…ミン…ギュ……」
MG「…なまえ!!!」
周りの悲鳴と、メンバーのなまえと俺を呼ぶ声に目が眩みそうなほどの、フラッシュとシャッター音。
俺の腕の中にいるなまえと、あり得ないほどの赤。
SG「ヌナ…なまえヌナ!!!ああ、どうしよう…!なまえヌナ!しっかりして!!!」
スングァンが泣きながらなまえの赤を抑えてる。
なあ、何が起きてるんだ?
何なんだよ、この赤は…
パシンッと言う音と共に左頬に痛みが走った。
顔を上げるといつもより眉間に皺を寄せてるウジヒョンが居た。
WZ「ミンギュ!!!しっかりしろ!!!お前がそんなんでどうすんだ!」
ウジヒョンに頬を殴られ、意識がやっとはっきりとしてきた。
俺の腕の中で真っ赤な血を流してる、なまえ。
ああ、そうだ。
なまえは、刺されたんだ…。
俺の…せいだ…。
『救急車来たぞ!』
マネヒョンの声がする。立たないと。
なまえを守らないと。
『患者さんをこちらに!』
ストレッチャーが運ばれて、救急隊員がなまえに手を伸ばす。
MG「やめろ!なまえに…なまえに触るな!」
SC「ミンギュ、大丈夫だ。大丈夫だから。」
スンチョリヒョンに支えられながらゆっくりとなまえを抱えたまま立ち上がり、ストレッチャーの上になまえを寝かせた。
『私が先に行きます!』
ジアヌナが救急車に乗り込むと、直ぐにドアが閉まって救急車が出発した。
俺も…俺も行かないと…。
JS「ミンギュ!どこ行くの?」
俺の腕をシュアヒョンが掴む。
MG「どこって…なまえのとこに…」
『分かってる、直ぐ行くけど先ずお前とスングァニは着替えに戻るぞ。』
よく見れば、俺とスングァンの手も服も真っ赤で、その赤はさっきまで、俺の腕の中にいたなまえのもの。
SG「僕は大丈夫です、それより早くヌナの所になまえヌナのところに行きたい!」
『だけどそんな格好で…』
格好なんてもうどうでもいい…。
俺は…なまえに謝らないといけないんだ…。
SC「このままでいいです。」
スンチョリヒョンの言葉にマネヒョンは小さく頷くと、スンチョリヒョンに鍵を渡した。
JS「運転できる?」
SC「…うん、…いや、無理だ…頼めるか?」
JS「うん。行こ。」
震えてる、みんな、俺だけじゃなかった…。
震えが止まらない…。
俺は…なまえを…守れなかった…。
俺のせいだ…。
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