【09.思い当たるのは1人だけ〜WZ〜】
ヨジャを入れるかもって話は、俺の元にもすぐに届いていた。
プロデューサーとしてどう思うと、代表に聞かれたから。
正直嫌だと答えたし、うちには高音を余裕で出せるメンバーもいるからヨジャなんて入れなくても問題ないとも伝えた。
それでも色んな可能性を試してみたいと代表が言えば、それを断ることは俺らには出来なくて。
HS「そう言えば今日ハリケーンちゃんに会ったよ!ね!」
WZ「マジ?どこで?」
俺が聞けばミンギュは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら「学校」と呟く。
WZ「はは!同じ学校かよ!」
MG「最悪だよ!」
とは言いつつ、顔笑ってんぞミンギュ。
MG「しかもヌナだったよアイツ。」
WZ「は?」
DK「でも俺らと同じネクタイの色じゃなかった?」
ミンギュはなまえの韓国語問題のせいで1年からやり直してる事を教えてくれた。
まさかスンチョリヒョン達と同じ95だったとは…。
JH「タメなんだ!ハリケーンちゃん。」
SG「どんな子でした!?」
スングァンが目をキラキラさせて聞いてくる。
HS「可愛かったよ!目くりくりでちっさくて。」
JH「うん、可愛かったねぇ、同じ歳には見えないけど。」
お、ハニヒョンが可愛いって言うなんて珍しい。
SG「いいなー僕も会ってみたい。」
MG「いや、アイツとは一生出会わない方がいいよ。」
…でも顔笑ってんだよな、全く。
その後はいつも通り練習をして、みんなを先に帰して、俺、スンチョリヒョン、スニョンが作業室に集まる。
話し合うのはもちろん、俺らの今後のこと。
HS「代表はいい人がいたら本当にここにヨジャ入れるつもりなのかな?」
WZ「だろうな…。」
SC「でも俺らの練習について来れなければいいんだろ?それなら相当厳しいだろ?」
まあ、それはそうだ。
普通の女なら絶対ついて来れないよな。
普通の女ならな。
HS「でも既に候補は何人かいるって言ってたじゃん。明日から合流させてみるって。」
憂鬱。
あの男だらけの中に女が来るだけで憂鬱。
SC「もういっそのこと俺ら全員ここの練習生辞めて違うとこいくか?」
HS「ヒョン!それいいじゃん!」
いや、こんな大人数どこが纏めてとってくれるんだよ。
SC「新しい可能性って何なんだろうな。男女混合グループなんて、絶対人気でないでしょ。」
HS「俺もそう思うんだよね!ジフナはどう思う?」
俺?俺か…。
WZ「ここに、この空間に女が入ってくるのは正直クソほど嫌だけど、人気が出ないとは思わないんだよね。まあどんな女かにもよるけど。」
ポンっと俺の頭に浮かぶ女は、もちろんなまえ。
アイツならまあ初めこそ嫌われるだろうけど、ファンはつくと思うんだよな。
HS「ジフナ、ハリケーンちゃんのこと考えてる?」
WZ「うん、まあな。アイツから女にも嫌われないだろうなって思うよ。他の女よりは。」
SC「かっこいいタイプの子なの?」
あー、そっか。
ヒョンは見たことないもんな、アイツのこと。
WZ「いや、アイツはただのバカだ。」
HS「ハリケーンちゃん可哀想ー!まあ、俺もあの子は嫌いじゃないよ!ってヌナだったっけ?」
ケラケラと笑うスニョン。
そうそう、今日初めて知った衝撃の事実だよ。
あいつがヌナだなんて。
WZ「…絶対ヌナなんて呼ばねぇ。」
HS「ははっ!まあヌナ感は今日見た感じ皆無だったね。」
学校でもどんだけ騒いでんだろうなアイツ。
SC「まあ兎に角さ、俺らは俺らの絆を深めて、技術も身に付けて、ヨジャがついて来れないくらいかっこよく逞しくやろ。」
HS「んー!そうだね!頑張りますかー!」
WZ「だな。」
じゃあねーとスンチョリヒョンと別れ家路に着く。
HS「なぁ、ジフナ。」
WZ「んー?」
ペディンのポケットに両手を突っ込んで歩くスニョンを見上げる。
HS「もしさ、もしだけど、本当にヨジャが合流するってなったらさ…、俺辞めるかも…。やっぱり俺は激しいダンスがしたいし、女の子が入って来てレベルが落ちるのは嫌だ。」
WZ「俺だってそうだよ。たぶん、そこら辺の女が入るくらいなら辞めると思うわ。」
ははっと笑って、空を見上げる。
今日は雲に隠れて月が見えない。
HS「じゃあな。」
WZ「おう。」
明日から暫く悩みは尽きなさそうだ…。
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