【13.その表情は雨のせい?〜MG〜】
カラオケを終え、なまえと2人でアンドロメダに入る。
ジフニヒョンはちょっと用事思い出しだと言って帰ってしまった。
「歌ったら腹減った!」
MG「お前今からそんなに食べたら夜ご飯食べれないんじゃない?」
パスタセットを頼んだなまえ。
こいつ言うほど大食いじゃなさそうだし。知らんけど。
「これが夜ご飯だもん!キムミは帰ってもよかったのに!マザーがご飯作って待ってるんじゃない?」
MG「連絡したから平気。」
それに、何か今こいつを1人っきりにしちゃいけない気がした。
カラオケでなまえが選ぶ曲は、どれも少し悲しげな曲に聞こえて、歌ってる横顔も寂しそうに見えたから。
MG「お前って意外と歌上手いよな。」
「え?あー、テンキュー…。」
ん?あんまり嬉しそうじゃない?
窓の外を見つめてるなまえ。
「雨降るよ…。」
MG「え、あ…。」
なまえの言葉通りパタパタと雨が降り始める。
何だこいつ、エスパーか?
「キムミは雨好き?」
MG「俺?ん、まあ嫌いじゃないかな。お前は?」
「うん、雨って雨は好き。晴れてるのに降る雨は嫌い。」
天気雨ってやつか…。
「今は、グレー?」
MG「ん?」
「空。」
MG「ん、グレーだな。」
そっかっと呟いて、アイスカフェラテを飲むなまえ。
何で今、空の色聞いた?
見たら分かるだろ…。
それにしても調子が狂う。
こいつが、こんなに落ち着いた声で話すなんて。
こうしてると、ヌナなのかなってちょっと思う。
最近、本当に少しだけだけど、こいつの元気がない日が多い気がする。
ふとした時に、悲しそうな表情をすることが増えた。
一度、心配になって何かあったか聞いた。
そしたらこいつは、日本語で答えた。
意味分かんないけど、答えたくなかったんだと思うから、それから聞いてない。
でも今、もう一度聞くべきなのかもしれない。
MG「………おまっ…」
『お待たせしました!ボロネーゼのセットになります!』
タイミング悪くパスタが届く。
「頂きます!」
MG「召し上がれ。」
「はっ!熱いわ!びびった!」
MG「ゆっくり食えよ!バカ。」
へへっといつも通りに笑う、なまえはすでにいつものなまえに戻ってた。
また聴きそびれた…。
「何だよそんなに見つめてー!そうかそうか、食べたいのか!仕方ない、ヌナが分けてあげよう!」
うるさい、でもこっちの方が安心する。
MG「……美味い?」
「熱くてまだ食べれてない!だから先あげる!あーんしてやるか?」
MG「やだ。」
「は!?ヌナのあーんを拒否るなんて!?」
…やっぱりバカだこいつ。
でも、ずっとバカやっててほしいわ…。
MG「あ、美味い!」
「本当!?ヤー!一口デカくない!?」
MG「巨人族だからな。」
「んぬっ、それなら仕方な…くねーわ!」
ぶーぶーうっさいから食後にケーキを食べるって言い出した。
こいつ、絶対全部食わないくせに!
MG「お前ケーキ1人で全部食えないだろ!」
「なんで知ってんのさ!」
MG「あ?この前廊下でお前の友達に会った時に、オンニのせいで太ったって苦情を受けました。」
何でそれ俺に言うの?って聞いたら、嫁の管理は旦那の仕事ですって言われた。
意味分かんなくて、なまえと同じ歳の子の方に聞いたら、どうやら俺らはキムチ夫婦ってあだ名らしい。
「ミンジだな!でも見て、これ美味しそうじゃない?ほら“ワタシヲオタベ”って言ってるじゃん!」
MG「じゃあ頼めば?」
「ふふ!やったー!一緒に食べてね?」
MG「はいはい。」
凄い映えそうなケーキが来た。
…え、ぶっ刺した……。
MG「写メとか撮らないんだね。」
「撮ると思うか?」
MG「ないな。」
「だろーう?」
美味しいとケーキを頬張るなまえ。
俺も反対側からケーキを食べる。
あ、美味いじゃん。
なまえは食べ方が綺麗だと思う。
こんなガサツそうな女なのに。そこだけは妙に女らしい。料理も美味いし。
MG「あーお前のせいで俺も太るわ。」
「はっはっは!キムミはダンスするから大丈夫!」
だからそのダンスって何だよ…。
「お腹いっぱいになったら眠たくなってきた!」
MG「欲望に忠実だなお前は!」
「ふん!」
MG「ふんってなに?あー、もう帰るぞ。」
レジの前でどっちがお金を出すとかでまあ、ちょっと揉めた。
日本では友達同士は割り勘だ!って聞かないから、仕方なく半分だけ出した。
MG「じゃあな!」
「ん!ダンス頑張れよ!」
MG「はいはい。」
やっぱりアイツは笑ってないとアイツじゃないよな。
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